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『遺失物(575系短詩 20191月)』


身と心 雹が降っても 離れない

イメージの 貧困招く 厳冬期

寒風を 友と思って 歩き出す

着ぶくれて 心は縮む 雲浮かぶ

あっけらかん マスクの下は 風邪っ引き

床暖房 望むべくなし 身は縮む

風痛い 肌吹き付ける 雪だるま

赤切れを 包む法なし 撫でさする

寒風を 突いてにぎわう この寿司屋

寒ブリを ともに食する ひとあれば

ふぐ刺しに フォーク一刺し 味沁みる

望郷の アンコウ鍋よ 揺れている

心する 無我を乱して ファンヒーター

直観の 寒気に冴えて 寂しがる

晴れ渡る 冷たい青の まぶしさよ

人と成る 前後不覚の 白昼夢

痛覚の やけに尖って さらす顔

マスクして 帽子かぶって 不審物

年明けて 見つかりました 遺失物

初夢を 見ぬまま過ぎぬ 視床下部

忘年を 忘れ得ぬまま 新年会

寒風に 完封されて 閑居する



by nambara14 | 2019-01-31 14:45 | 五七五系短詩 | Comments(0)


   『厳冬期(57577系短詩 20191)』


あれこれと 気が散るタイプ 飽きっぽい 坊主のように 三日で変わる

いまここで なにか言うのは なぜだろう なにも思わず 言葉が出てくる

なにかしら 言いたくなるのは なぜだろう 我知らずして われを操る

生きるとは 新たな挫折 乗り越えて 小さな希望 求める日々か

親愛は 憎悪に勝つか 難解な パズルのような みんなの心

世の中は ジグソーパズル 入り組んだ 神秘の迷路 地図のない旅

複雑な ブラッドライン そのままに 受け入れてみる 友達のように

いくつもの 嵐乗り越え 行く友の 姿を見れば 力湧き来る

一仕事 終えてひとまず 立ち上がり 深呼吸して そのまま帰る

このまんま 雨が降らずに いたならば 思わぬ日照りに おろおろするかも

からからに 乾いた空気 咳払い 耐性菌は 今日も生まれる

そんなにも 悲観しないで どこまでも 透き通る空 見上げてごらん

一生を 捧げる道を 見出して 一心不乱に 生きた先人

一生を 捧げる道を 見出せず ただ漫然と 生きた先人

生きるのに 目的はない 死ぬまでを 辛抱強く 生きる現人

生きるため 働く道を 見出して とにもかくにも 生きる現人

けなすのが 仕事となれば ほめるのは ぎこちなくなる バイアスの常

にぎわいの 秘密はなにか なにかしら ひとの気を引く わざがあるはず

なつかしい メロディー聴けば 思い出の 回路目覚めて 歌い始める

ひとはみな 悲しきしずく ゆらめいて 光輝く 一瞬の夢

あなたとは 意見が違う それだけで 憎みあったり 嫌ったりしない

あなたより 困った人に 譲ってね できる範囲で 恵んでね

延々と 待つ人々よ スマホから テレビに読書 切れてクレーム

すべては幻想にすぎぬという物理学者の脳内を覗き見たら

だれのため 生きているのか 問いかけて こたえるひとを さがす毎日

この場所に 明日はいない 襟立てて 去り行く耳に 鴉しば鳴く

古いねと 罵り合えば おたがいに 傷だらけだよ 新たな痛み

見えている ようで見えない 自分とは 背中に宿る 霊のごときか

I’ll do my best until you say my food is delicious.

腹立ちの 徒手空拳に 自らを もてあます日々 保留となせり

おいしいを 分かつ数だけ 求めれば 味覚の岩を うがつばかりに

ふたしかな 雲かかすみの 道を行く 迷えることも 倒れることも

ある種の コンプロマイズ 軟体の 出たり引っ込んだり ねじれたり

ひかえめに うしろに下がり もの言わず 化石のように かたまっている

ラッシュ時の もみ合う様は このとおり これ以上でも これ以下でもない

なにもない 空の向こうに なにがある 殺戮の嵐 いまだ已まずと

この空に 煙は立たず 爆撃も 有毒ガスも 警報もない

寒いけど 外に出てみて 見上げれば 空の上には なんにもないよ

このところ 散歩してない ここいらへん そのへんあのへん あっちらへん

毛嫌いは 避けよの言葉 本人が 忘れているが 覚えていると

腕組んで ため息をつく 横綱の これが最後の 土俵かと思う

売り切れの パイは瞼に 浮かび来て 生地とフィリング マウスウォータリング

寒いから 出かけはしない あちこちの 街ゆくひとは 仮想現実

ひとはみな 互いに薬 毒消しの ホルモン分泌 恍惚の時

買い替える たびにつまずく 電子機器 そんなもんだよ 人も機械も

人ごみに 角出し合える 日々なれば 河畔に出でて 流水を見る

陶酔と 幻滅の中 彷徨うも 失いはせぬ 薄き覚醒

部屋ごとに カレンダーなど つるさない 時計も置かず 齢も数えず

脱ぎ捨てる ことのできない 身と心 せめて清めて 着替えて遊べ

にこやかに 近づいてきたのは はじめてだ あなたの身辺 なにがあったの

どこまでも 無知の知もなく 蒙昧の 寒気に怖気 正気はいずこ

かげろうの あとを追いつつ 自らも 影となりゆく 彷徨の果て

切迫の 事態はいかに 回避する かろうじて魔訶 不思議に依拠す

禁断の リンゴの蜜を 舐めんとす ヒト科ヒト属 歯形鮮やか

寒いねと ひとりごと言う 冬の朝 雪になるかも しれませんよね

あと五分 ゴールデンファイブと 思いつつ 寝過ごす朝は まいった遅刻だ

あと一枚 着ればぬくもる 寒気とは 思いながらも 今日も忘れた

毛皮なき 貧しき裸身 ふるわせて 消失点の 定まらぬ絵描く

自らの 作りし筋に 乗りそこね スピンアウトす きみの内実

中庸を 行こうと思う 年初め ふらつく足を 蹴りつつ歩む

正体を 暴かれてなお しらを切る たかが厚顔 無知の仕業と

ことしこそ ひとにやさしく ひかえめに えがおたやさず かんしゃにみちて

極まれば 下足つっかけ 逆風に 転びまろびつ 廃園の沼

いまここの 確かな認知 うすらぐも 他人のごとく なれない自分


by nambara14 | 2019-01-31 12:36 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)


ソネット 41


       W. シェークスピア 

  

時折あなたの心にわたしがいないときに

自由がもたらす愛すべき裏切りは

あなたの美しさやあなたの年ごろによく似合う

なぜならあなたのいるところにはいつも誘惑がつき従っているからだ、

あなたはとても優雅だ、それゆえにあなたは口説き落とされるだろう

あなたはとても美しい、それゆえにあなたは猛烈に誘惑されるだろう

そして女が求愛するとき、男は

首尾よく行くまでは不機嫌に女の許を去ったりするだろうか?

ああ!それなのにあなたはわたしの許を訪れることを控えるかもしれないし

二重の誓いを破ることを強いるほどの放埓へと導く

自らの美貌と迷える若さを叱責するかもしれない、

彼女のわたしへの誓いは 彼女をあなたへと誘惑するあなたの美貌によって破られ

あなたのわたしへの誓いは わたしにとって偽りであるあなたの美貌によって破られる。


Sonnet XLI


        W. Shakespeare


Those pretty wrongs that liberty commits,

When I am sometime absent from thy heart,

Thy beauty,and thy years full well befits,

For still temptation follows where thou art.

Gentle thou art, and therefore to be won,

Beauteous thou art, therefore to be assailed;

And when a woman woos, what woman's son

Will sourly leave her till he have prevailed?

Ay me! but yet thou mightst my seat forbear,

And chide thy beauty and thy straying youth,

Who lead thee in their riot even there

Where thou art forced to break a twofold truth:

Hers by thy beauty tempting her to thee,

Thine by thy beauty being false to me.


by nambara14 | 2019-01-29 12:31 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 40


             W. シェークスピア


愛する人よ、あなたはわたしのすべての愛を奪うがいい

そうすればあなたは以前に持っていたものより多くのものを

持つことになるだろうからね?

愛する人よ、あなたが誠の愛と呼ぶものは愛ではない

あなたがこんなに多くのものを所有する以前は

わたしのものはすべてあなたのものだった

もしわたしのあなたへの愛ゆえにあなたがわたしの恋人を受け入れたのだとしたら

あなたがわたしの恋人と懇ろになったとしてもわたしはあなたを責めることはできない

だが、あなたが拒むべきものの快楽によって

自らを欺いたのだったら、あなたが悪い

あなたがわたしのすべての貧困を盗んだとしても

優しい泥棒さん、あなたの盗みを許してあげよう

それでも愛は知っている、敵によって傷つけられることより

愛する人の仕打ちに耐えることのほうがより大きな悲しみであることを

あらゆる悪が善を表すような淫らな優美さよ

悪意によってわたしを殺すがいい

それでもわたしたちは敵同士であってはならない


Sonnet XL


        W. Shakespeare


Take all my loves, my love, yea take them all;

What hast thou then more than thou hadst before?

No love, my love, that thou mayst true love call;

All mine was thine, before thou hadst this more.

Then, if for my love, thou my love receivest,

I cannot blame thee, for my love thou usest;

But yet be blam'd, if thou thy self deceivest

By wilful taste of what thyself refusest.

I do forgive thy robbery, gentle thief,

Although thou steal thee all my poverty:

And yet, love knows it is a greater grief

To bear love's wrong, than hate's known injury.

Lascivious grace, in whom all ill well shows,

Kill me with spites yet we must not be foes.



by nambara14 | 2019-01-22 09:28 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 39


       W. シェークスピア


おお、あなたの気品に満ちた価値をどのように称えるべきだろうか?

あなたがわたしの伴侶であるときに

わたし自身への称賛は何の意味があるだろうか?

あなたへの称賛はわたし自身への称賛以外のものでありうるだろうか?

だからこそわたしたちは離れて暮らそう

わたしたちの大切な愛から一つの愛という名前を取り払おう

離れることでわたしがあなたに与えうる愛

あなたただけが称賛に値するあなたへの称賛

おお、あなたがいないということ!

あなたの辛い時間がやさしい許しを与えないとしたら

時と思いがそんなにもやさしく欺く愛の思いによって

その時間を満たすのはなんという拷問だろうかということを

あなたは示すだろう

そして離れたところにいるひとを称えることで

いかにして一つの愛が二つになるかをあなたは教えるということ。


Sonnet XXXIX


     W. Shakespeare


O!how thy worth with manners may I sing,

Whenthou art all the better part of me?

Whatcan mine own praise to mine own self bring?

Andwhat is't but mine own when I praise thee?

Evenfor this, let us divided live,

Andour dear love lose name of single one,

Thatby this separation I may give

Thatdue to thee which thou deserv'st alone.

Oabsence! what a torment wouldst thou prove,

Wereit not thy sour leisure gave sweet leave,

Toentertain the time with thoughts of love,

Whichtime and thoughts so sweetly doth deceive,

And that thou teachest how to make onetwain,

By praising him here who doth hence remain.



by nambara14 | 2019-01-15 11:26 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 38 


         W. シェークスピア


あなたが生きていて あなたがわたしの詩の中に注がれ

あなた自身のすてきな表現が 粗末な詩文で読み上げるにはふさわしくないほどすぐれているのだから

わたしの詩が書くべきテーマに事欠くことなどありうるだろうか?

おお!もしわたしの書くものに読む価値があり

あなたに読まれるに堪えるものがあるとしたら あなた自身に感謝しなさい

あなたがあなた自身に詩作のインスピレーションを与えるとき

だれがあなたに向けて書くことができない愚か者でありうるだろうか?

あなたは 詩人たちが依拠する古代の九人の詩神よりも十倍もすぐれた

十人目の詩神でありなさい

そしてあなたを頼りにする者がいれば 

永遠に残る詩篇を生み出せるようにしなさい

わたしのささやかな詩がこの好奇心に満ちた時代のひとびとに気に入られるとしたら

苦心するのはわたしでも 称賛されるのはあなただ。


Sonnet XXXVIII


         W. Shakespeare


How can my muse want subject to invent,

While thou dost breathe, that pour'st into my verse

Thine own sweet argument, too excellent

For every vulgar paper to rehearse?

O! give thy self the thanks, if aught in me

Worthy perusal stand against thy sight;

For who's so dumb that cannot write to thee,

When thou thy self dost give invention light?

Be thou the tenth Muse, ten times more in worth

Than those old nine which rhymers invocate;

And he that calls on thee, let him bring forth

Eternal numbers to outlive long date.

If my slight muse do please these curious days,

The pain be mine, but thine shall be the praise.



by nambara14 | 2019-01-05 22:13 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)