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ソネット 15


        W.シェークスピア

           南原充士 訳


この世に育つあらゆる物について考えてみると

その盛りはほんの一瞬である

この広大な舞台ではなにも上演されることはなく

ただその上にある星たちが秘密の力で瞬くことが示されるだけだ

ひとびとが植物のように成長し

ほかならぬ空によって喝采されあるいは妨害され

若い時は元気満々であっても、頂点に達すると下り始め

そうして彼らの勇姿も忘れ去られてしまうのを見るとき

この束の間の滞在という物の見方が わたしの眼前に

若い時のあなたがもっとも豊穣であることを示すとともに

浪費家の時が 衰退と争った末

あなたの若さの昼を暗黒の夜へと変えてしまうことを示すのだ

あなたへの愛のために全面的に戦ったとしても

時はあなたから若さを奪い取ってしまうので

わたしは新たにあなたを接ぎ木することになる


Sonnet XV


    W. Shakespeare


When I consider every thing that grows

Holds in perfection but a little moment,

That this huge stage presenteth nought but shows

Whereon the stars in secret influence comment;

When I perceive that men as plants increase,

Cheered and checked even by the self-same sky,

Vaunt in their youthful sap, at height decrease,

And wear their brave state out of memory;

Then the conceit of this inconstant stay

Sets you most rich in youth before my sight,

Where wasteful Time debateth with decay

To change your day of youth to sullied night,

And all in war with Time for love of you,

As he takes from you, I engraft you new.



by nambara14 | 2018-08-30 15:00 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


      ソネット 14

                  W.シェークスピア                  

   南原充士 訳

わたしは星を観察して運勢判断を行うわけではないが

自分なりに天文学を身に付けている

ただ、わたしの天文学は、伝染病や飢饉や作柄などの

幸不運を占うものではなく

ひとりひとりの人生における嵐や雨や風などの予報を刻々と告げ得るものでもなく

また天に見出す頻繁な予測により

王子たちの運勢がいいものかどうかを告げ得るものでもない。

わたしの知識そして恒星たちはあなたの目から得られるものだ

あなたが自分への関心を子孫を残す方へ向けるならば

恒星の中にわたしは真と美がともに栄えるような技法を読み取る。

さもなければわたしはあなたについてこのような予測をするだろう

つまり、あなたの臨終の日は、真と美の終末の日であると。

Sonnet XIV

                      W.Shakespeare

Not from the stars do I my judgement pluck;
And yet methinks I have Astronomy,
But not to tell of good or evil luck,
Of plagues, of dearths, or seasons'quality;
Nor can I fortune to brief minutestell,
Pointing to each his thunder, rain andwind,
Or say with princes if it shall gowell
By oft predict that I in heaven find:
But from thine eyes my knowledge Iderive,
And, constant stars, in them I readsuch art
As truth and beauty shall togetherthrive,
If from thyself, to store thou wouldstconvert;
Or else of thee thisI prognosticate:
Thy end is truth'sand beauty's doom and date.



by nambara14 | 2018-08-30 14:23 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)

八月のフラクタル


       八月のフラクタル


カード紛失。相手は当方に渡したと言うが受け取った覚えはない。クレディットカード、キャッシュカード、百貨店カード、コンビニカード、病院カード、マイナンバーカード、札束のようなカード入れ。悪用するな!と虚しい叫び。利用ストップ、再発行手続き。記号、番号、暗証番号、控えちゃいないよ!


八月が 終わろうとするも なお モーショ終息の見込みは立たず。マウント・フジ 車窓より右に見て左に見て湖畔に映る山影を見れば 同じ視線を投げる異人多数。この細長い列島をいたぶる低気圧・高気圧・もみくちゃ。みんな日本においで ただしリスクはないじゃなし。祭太鼓のミミックモーション。


じりじりしながら待っている。しびれが切れた。ここまで待てばもう帰れない。雨が降り出してもだれも帰らないから長い列は縮まらない。共通の関心を持つ人々がこんなにもいて押しかけてきている。やむを得ず列を離れることは許し合うがゆえなく割り込むと罵りと肘鉄を食らわされる。閉館時間が近づく。


雨風の渦巻きに揺さぶられて意識が混濁する。だれの生理なのか、だれにもわからぬ淵源から流れ着いた泡。膨らんでいく胸で思い切り呼吸をする。水を掻く腕の動き。乳酸が蓄積して回転が鈍くなる。塩分が解ける血の海が今夜のベッドだ。すすり泣く人魚。身罷る前に冴え冴えと覚醒する大脳皮質。しゅぱ!


切り裂きジャックは疎んじられ巧言令色にまみれて酔い痴れれば真実の口に手を差し込む好奇心さえ失われる。嫌われ者なんてなんの勲章でもありゃしない。唾棄すべきと罵り合う者同士。冷却塔を経巡って辛うじて同じテーブルに着く。居合わせた以上はその場しのぎの茶飲み話こそ核心。エアコンが壊れた。


あっは、かたくなに りょうひんひさぐ ひび。たっは、うれずともわるびれず とちくりまくる まえこうじょう。ざっは、ものはじっしつ こんてんつで しんけんしょうぶ。まっは、いちげんさん ぜんれつにじんどるは ぼうがいのしあわせ。


とうに忘れたと思っていたその男のこと。思い出せるはずなどないと思っていたのに、なにかの拍子で鮮明に顔が浮かび上がり無意識に名前を口にしていた。だがおれはその男に危害を加えられたか恩恵に浴したかは思い出せない。いろいろ記憶を手繰っても腑に落ちるところまでは行けずにめちゃ宙ぶらりん!



by nambara14 | 2018-08-25 11:02 | 新作詩歌(平成30年) | Comments(0)

ソネット 13


            W.シェークスピア


おお、あなたはずっとあなたであり続けてほしい、だが、愛すべき者よ、

あなたは今ここにいるあなた以外の者ではありえない

来たるべき終末に向けてあなたは準備をしなければならない

そしてあなたのやさしい姿形をだれかに譲らなければならない

そうしなければあなたが借りているその美しさを

返済することができなくなってしまうからだ、そうすればあなたは

あなたが亡くなった後でも再びあなたであり続けるだろう

あなたの愛らしい子供があなたの優美な姿を引き継ぐからだ。

冬の日の激しい風や

死の永遠の冷たさの不毛な猛威から家を守るのは夫の務めだろうに

瀟洒な邸宅を荒廃させてしまうのはだれだろうか?

おお、それは浪費者以外の者ではない。ねえ、愛すべき者よ、

自分には父がいたと、あなたの息子に言わせようじゃないか。


Sonnet XIII


              W.Shakespeare


O! that you were your self; but, love, you are

No longer yours, than you your self here live:

Against this coming end you should prepare,

And your sweet semblance to some other give:

So should that beauty which you hold in lease

Find no determination; then you were

Yourself again, after yourself's decease,

When your sweet issue your sweet form should bear.

Who lets so fair a house fall to decay,

Which husbandry in honour might uphold,

Against the stormy gusts of winter's day

And barren rage of death's eternal cold?

O! none but unthrifts. Dear my love, you know,

You had a father: let your son say so.




by nambara14 | 2018-08-22 11:17 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


     盆過ぎて


       =57577系=


完走は 一歩の累積 感想は 最終ページ 読後の余韻


共感は あなたの力 反感は わたしの無力 煩悩の盆


むごすぎる 現実なれど ずっこけも 閑居もあれば 夢想に耽る


蛇行する ジェット気流に のしかかる 高気圧あり いたぶられちゃう


何様と 思いて吐くか 罵詈雑言 弱き者さえ 浮かばれぬ瀬よ


自らを 鏡に映し じっと見る 罪深き者 そこにこそいる


坊主憎けりゃ 袈裟まで憎し わりなくも 憎悪の炎 めらめらと燃ゆ


セッシボン 行水シャボン 浴衣がけ 花火ボンボン 盆ソワジャポン


世の中は 蚊さえ暮らせぬ 熱地獄 むんむむんむと 夜も寝られず


正義など知るや知らずや偽悪的振る舞に終始する煉獄


言葉なくひとを押しのけ行く人の顔見ちゃいけない声聴いちゃいけない


ずれてるを超えておおずれと言わんばかりのウェザーフォーキャスト


炎天に鳴き声詰まり緩慢に枝這う蝉も熱中症か


ちっぽけな 心つぶやく 歌だけど 大空を飛ぶ 翼がほしい



by nambara14 | 2018-08-16 13:05 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

 
 1.ブログ 「南原充士のエッセイ*越落の園」

 http://blogs.yahoo.co.jp/nambara27/folder/1477977.html

 このブログでは、芸術やそれ以外のことについてエッセイ風に書いています。
 
 特に、「価値観の研究」は、若い人たちに是非読んでもらいたいと思います。理屈っぽいけど、きっと今後の人生にプラスになると確信しています。

  「価値観の研究」第一部 50篇

  「価値観の研究」第二部 50篇

  「価値観の研究」第三部 50篇

   なお、同じ内容を、「きままな詩歌と小説の森」にも載せていますが、番号順に読むなら、↓の「きままな詩歌の森」のほうがいいですよ。


 
 2.ブログ「南原充士*きままな詩歌と小説の森」

     http://nambara14.exblog.jp

   このブログでは、自作の詩歌作品を載せています。
   どうぞご覧ください。
   どしどしアクセスの上、感想などお寄せくだされば幸いです!

 3.電子書籍の出版

   最近、小説を電子書籍で出版しはじめました。

   電子書籍の宣伝です!

    『転生』  http://bccks.jp/bcck/139097/info

    『エメラルドの海』   http://www.amazon.co.jp/gp/product/B016ON2T64?*

『恋は影法師』  http://www.amazon.co.jp/dp/B0181NCB7C

   『メコンの虹』     http://www.amazon.co.jp/dp/B018UEVPZ6

   『白い幻想』      http://www.amazon.co.jp/dp/B01F2XNCU4

『血のカルナヴァル』 https://www.amazon.co.jp/dp/B071NNP69N

  『カンダハルの星』 https://www.amazon.co.jp/-ebook/dp/B07C2LMWB2/ref=asap_bc?ie=UTF8

    電子書籍を読むには、キンドルなどを読むためのアプリを無料でダウンロードすればオーケーです。わざわざリーダーを購入しなくても、パソコンやタブレット端末で読めます。  

 上のわが電子書籍のうち、『転生』は、BCCKSでにアクセスすればタチヨミできるはずです。

 『エメラルドの海』と『恋は影法師』と『メコンの虹』と『白い幻想』と『血のカルナヴァル』と『カンダハルの星』は、Amazonにアクセスをしてください。こちらは有料となっていますが、ダウンロードのほうよろしくお願いします。
  
by nambara14 | 2018-08-16 10:39 | プロフィール | Comments(0)


ソネット 12


         W.シェークスピア


時を告げる時計が進むのを数え

勇敢な日が忌まわしい夜に沈むのを見るとき

盛りを過ぎた菫の花を見

黒い巻き毛がすべて齢とともに白髪に変わるのを見るとき

かつては家畜を炎熱から守っていた高い木々の葉が枯れ落ち

夏には青々としていた穀物が束ねられて

白く毛羽立ったあごひげとともに荷車で運ばれるのを見るとき

わたしはあなたの美しさについて問わざるを得ない

あなたは時の砂漠の中をさまよわなければならないのではないか

なぜなら甘いものも美しいものも失われ

ほかのものが育つのを見るや否や滅びるからだ

何ものも時の大鎌から身を守れるものはいない

時があなたを連れ去ろうとするのに対抗しうるのは

新しい命を生み出すこと以外にない


Sonnet XII


        W.Shakespeare


When I do count the clock that tells the time,

And see the brave day sunk in hideous night;

When I behold the violet past prime,

And sable curls, all silvered o'er with white;

When lofty trees I see barren of leaves,

Which erst from heat did canopy the herd,

And summer's green all girded up in sheaves,

Borne on the bier with white and bristly beard,

Then of thy beauty do I question make,

That thou among the wastes of time must go,

Since sweets and beauties do themselves forsake

And die as fast as they see others grow;

And nothing'gainst Time's scythe can make defence

Save breed,to brave him when he takes thee hence.



by nambara14 | 2018-08-12 19:25 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 11 

              W・シェークスピア
               南原充士 訳


あなたが年老いるだろうと同様の速さであなたは成長する
あなたが別れを告げたものや
あなたが若い時に与えた新鮮な血などを
あなたが大人になったときには呼び起こせばよい
そこには知恵と美と豊かさがある
それなくしては愚かさと老いと冷たい腐朽しかない
それらが考慮に入れられるなら 時も止まるだろう
そして60年の年月が世界を遠ざけるだろう
これと言って特色がなく無礼であって 自然が残そうとしない者たちは
虚しく滅びさせよう
ほら自然は最も恵まれた者により多くを与えた
その豊かな贈り物をあなたは大切にしなければならない
自然はその印章としてあなたを彫った 
あなたが増刷され、その原型が絶えることのないことを意図しながら


Sonnet Xi

William Shakespeare


As fast as thou shalt wane, so fast thou growest
In one of thine, from that which thou departest;
And that fresh blood which youngly thou bestowest
Thou mayst call thine when thou from youth convertest.
Herein lives wisdom, beauty and increase:
Without this, folly, age and cold decay:
If all were minded so, the times should cease
And threescore year would make the world away.
Let those whom Nature hath not made for store,
Harsh featureless and rude, barrenly perish:
Look, whom she best endow'd she gave the more;
Which bounteous gift thou shouldst in bounty cherish:
She carved thee for her seal, and meant thereby
Thou shouldst print more, not let that copy die.





by nambara14 | 2018-08-07 13:37 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 10


              W.シェークスピア


恥ずかしいことだからあなたにとって将来がはっきりしていない相手を愛することはやめなさい

あなたがどうであれ多くのひとに愛されていながら

あなたがだれひとり愛していないことはきわめて明白であることを認めよう

なぜならあなたは人殺しのような憎しみにとらわれているので

あなたは自分に逆らうことにもためらいを持たない

美しい屋根は修理することこそあなたの大切な願いであるはずなのに

あなたはそれを荒廃させてしまう

おお!あなたは考えをあらためなさい。そうすればわたしも考えを変えるだろう

憎しみは穏やかな愛よりも美しくあれるだろうか?

あなたの心根の通りやさしく親切でありなさい

あるいは自分自身に対して少なくとも優しい心を持っていることを示しなさい

わたしを愛するならあなたはもう一人のあなたを生み出しなさい

あなたの美しさがもう一人のあなたあるいはあなた自身の中で長く生き続けることができるように


Sonnet X


         W.Shakespeare


For shame deny that thou bear'st love to any,

Who for thy self art so unprovident.

Grant, if thou wilt, thou art beloved of many,

But that thou none lov'st is most evident:

For thou art so possessed with murderous hate,

That 'gainst thy self thou stick'st not to conspire,

Seeking that beauteous roof to ruinate

Which to repair should be thy chief desire.

O! change thy thought, that I may change my mind:

Shall hate be fairer lodged than gentle love?

Be, as thy presence is, gracious and kind,

Or to thyself at least kind-hearted prove:

Make theeanother self for love of me,

That beautystill may live in thine or thee.




by nambara14 | 2018-08-07 10:29 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)