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by nambara14 | 2018-06-30 13:58 | プロフィール | Comments(0)


ソネット 4


         W.シェークスピア

          南原充士 訳


惜しみなき愛らしさの消費者よ、なぜあなたは

あなたの美の遺産を自分自身のために消費してしまうのだろうか?

自然はその美質を無償で与えることはなく貸し付けるだけだ、

自然は率直な者に寛容さを貸し付ける。

美しい浪費者よ、なぜあなたは、

与えるために与えられた豊かな美質を濫用するのだろうか?

利益を得ない貸し付け者よ、なぜあなたは、

そんなにも多額な金額を消費しながら、

なお豊かに生きることができないのだろう?

自分自身と付き合うだけでは、

あなたは甘美な自分自身を自ら欺くことになる。

いつどのように自然はあなたにこの世を去る時期を告げるだろう?

あなたはどれだけ受け入れ可能な収支を残せるだろう?

あなたの美貌はもし消費しなければあなたの死とともに墓に葬られるだろう

消費されるなら、あなたの遺言執行人としての子孫に引き継がれるだろう。


Sonnet IV


         W.Shakespeare


Unthriftyloveliness, why dost thou spend

Upon thy selfthy beauty's legacy?

Nature's bequestgives nothing, but doth lend,

And being frankshe lends to those are free:

Then, beauteousniggard, why dost thou abuse

The bounteouslargess given thee to give?

Profitlessusurer, why dost thou use

So great a sumof sums, yet canst not live?

For havingtraffic with thy self alone,

Thou of thy selfthy sweet self dost deceive:

Then how whennature calls thee to be gone,

What acceptableaudit canst thou leave?

Thy unused beauty must be tombed with thee,

Which, used, lives th' executor to be.



by nambara14 | 2018-06-25 15:13 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


     ソネット 3


                    W.シェークスピア

                      南原充士 訳


あなたは鏡を見て、そこに映る顔に

「今はその顔に別の顔を与えるべき時だ」と言いなさい、

今あなたが新しく生まれ変わらないとしても

新たな顔を生み出す時だと。

あなたは世間を欺きあなたの妻となるべき女性を不幸にする。

なぜなら、夫の耕作を恥とするような美しい処女はどこにもいないし、

あるいは、自己愛の墓場となって子孫を残さない愚かな男性はいないから。

あなたは母の鏡であり、彼女はあなたの中に、愛らしい盛りだった4月を思い起こす。

そうして、あなたもあなたの年齢の窓を通して、

皺はあるにせよ、あなたの黄金時代を見るだろう。

だが、あなたが自分は思い出されなくてもいいと決めて生きて、

ひとり身のままで亡くなったとしたら、

あなたの面影はあなたとともに死んでしまう。



Sonnet III


          W. Shakespeare


Look in thy glass and tell the face thou viewest

Now is the time that face should form another;

Whose fresh repair if now thou not renewest,

Thou dost beguile the world, unbless some mother.

For where is she so fair whose uneared womb

Disdains the tillage of thy husbandry?

Or who is he sofond will be the tomb

Of hisself-love, to stop posterity?

Thou art thy mother's glass and she in thee

Calls back the lovely April of her prime;

So thou through windows of thine age shalt see,

Despite of wrinkles, this thy golden time.

But if thou live, remembered not to be,

Die single and thine image dies with thee.



by nambara14 | 2018-06-18 16:09 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 14


                  W.シェークスピア

                  南原充士 訳

 

わたしは星を観察して運勢判断を行うわけではないが

自分なりに天文学を身に付けている

ただ、わたしの天文学は、伝染病や飢饉や作柄などの

幸不運を占うものではなく

ひとりひとりの人生における嵐や雨や風などの予報を刻々と告げ得るものでもなく

また天に見出す頻繁な予測により

王子たちの運勢がいいものかどうかを告げ得るものでもない。

わたしの知識そして恒星たちはあなたの目から得られるものだ

あなたが自分への関心を子孫を残す方へ向けるならば

恒星の中にわたしは真と美がともに栄えるような技法を読み取る。

さもなければわたしはあなたについてこのような予測をするだろう

つまり、あなたの臨終の日は、真と美の終末の日であると。



Sonnet XIV

                      W.SHakesperae

Not from the stars do I my judgement pluck;
And yet methinks I have Astronomy,
But not to tell of good or evil luck,
Of plagues, of dearths, or seasons'quality;
Nor can I fortune to brief minutes tell,
Pointing to each his thunder, rain and wind,
Or say with princes if it shall go well
By oft predict that I in heaven find:
But from thine eyes my knowledge I derive,
And, constant stars, in them I read such art
As truth and beauty shall together thrive,
If from thyself, to store thou wouldst convert;
Or else of thee this I prognosticate:
Thy end is truth's and beauty's doom and date.

    



by nambara14 | 2018-06-11 15:13 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)

最近の詩集評(13)

谷口典子詩集『刀利』。亡くなった夫のことを書いた詩作品が並ぶ。故人を忍ぶ詩なら珍しくないが、この詩集はもっと生と死を突き詰める鋭い視線がただならぬ気配を感じさせる。「刀利」は夫の故郷だそうだが、その語感も緊張感を与える。「添い寝」は、男女の愛を問い直す怖い程の重厚さに満ちている。 山本萠詩集『寒い駅で』。人、虫、草、花梨、蜂蜜など多くの動植物や静物が細かく観察されるとともに、それらを配した家、庭、駅、川などの情景が丁寧に描写される。命あるものが必ず失われていくのだという溢れる思いが言葉をたぐりよせ、また、言葉が生きとし生けるものを悲しくも美しく描き出す。



北見俊一詩集『S・Iへの私信』『わたしは一本の河を』『自転車にのるひとの脚の素描』『人魚姫』。一挙4冊刊行(箱入)。北見は、詩人であるだけでなく水仁舎の社主でもあり、造本家の本領を発揮した瀟洒な手作りの詩集は、17歳から30歳前後までに書かれた詩篇を収録したものだ。自己を見つめ、他者へ語り掛ける言葉が、独自の詩世界を作り上げている。この時期に過去の詩をまとめて刊行したのはそれなりの理由と決意があったのだと推測する。北見の今後の一層の活躍が楽しみだ。

池田康詩集『エチュード四肆舞』。4行4連の詩ばかりで構成されたエスプリとユーモアに満ちた詩集。壱弐参肆4つの各パートには12篇の詩が収録。こだわりに溢れたスタイルの中に、人生や社会への鋭い洞察が深いポエジーと洗練された言語技術を駆使して描かれる。「淋しい遊びに揺れる/童の影」(参ⅵ)。              長嶋南子詩集『家があった』。罪のない嘘からブラックユーモアまで読者を笑わせとりこにする手練手管に満ちた詩集。生きることと死ぬことにだれしも翻弄されるが、苦しみや悲しみや淋しさもこの著者にかかると笑いに一変する。スピード感があり意外性に満ちた展開。言葉の魔術師の手腕に魅了される。 ヴェチェスラウ・クプリヤノフ&武西良和著『鉄の二重奏』。「鉄」という共通のテーマでロシアと日本の詩人が「響き合う東西詩人:詩的対話」と題して一冊の詩集を刊行した。前半は日本語、後半は英語の詩集となっており、前例を見ない意欲的な詩集の構成が硬質な内容と相まって高い効果をあげている。

小川三郎詩集『あかむらさき』。雑然とした現実世界を特殊な装置でろ過することで得られるのは普段は隠されている人間の感情のありのままの姿だ。人間社会の根底にある不条理が単純化されて描かれる情景は読者に真実を突き付けて恐ろしいまでだがどこかユーモラスなタッチと精密な技巧が救いを与える。

望月苑巳詩集『クリムトのような抱擁』。古典から現代に及ぶ文学、美術、音楽等の幅広い教養が上質の熟成したワインのような香りを放つ詩篇に結実した。紫式部や定家を描く技法も見事だが、さまざまに描かれた「抱擁」こそ、紛争の絶えない世界へのスキンシップの提起として本詩集の白眉をなしている。 今鹿仙詩集『永遠にあかない缶詰として棚に並ぶ』。バッハ、ジャコメッティ、子規など芸術家名の引用、歴史意識、デブリ―、子供のころの思い出、日常の様々な情景、言葉遊びなど、直感に任せて選ばれた詩句の不連続性の齎す意外な危うさと巧妙な語り口が、とんがり効果と独特の魅力を生み出している。 松尾真由美詩集『雫たちのパヴァーヌ』。研ぎ澄まされたきわめて繊細な感覚が見るもの聞くもの触れるものは濾過されプリズムを通して小さな標本のようになり、それらが更に精密な言葉によってプレパラートに載せられる。とことんまで凝縮された表現でありながらなぜか生きるものの生の声が聞こえる。

志村喜代子詩集「後の淵」。だれにも別れは訪れる。詩人にはその悲しみをいかに突き放して言葉にできるかが問われる。息をのむような切迫した現実がたしかな表現技術によって詩に昇華される。苛酷なまでの生き死にに接してなお「いちぶ始終を見たい」という生への執着が、「後の淵」へと通じている。          新延拳詩集『虫を飼い慣らす男の告白』。大人になっても少年の心を失わず豊かに飛翔する想像力が、大人のメルヘンを紡ぎ出す。時間感覚や身体感覚のずれを自覚するところから「虫を飼い慣らす男」が生まれ出て楽しい物語を作るが、国鉄マンとしての経験も添えられて確かなリアリティーも感じられる。


小林稔詩集『一瞬と永遠』。生きとし生けるものの儚さを感じるとき、それが言葉で書き記すことで永遠になると信じて、ギリシア的な趣のある薫り高い詩のタペストリーがいくつも織り出される。ヨーロッパの各地の風景や出会った人々、音楽、彫刻、アスリート等が永遠への祈りに満ちて美しく描かれる。


尾久守侑詩集『ASAPさみしくないよ』。なにげない日常にひそむ暗闇を静かなタッチでさまざまに描き出す。熱狂や興奮や絶叫を抑えてはいるが、どこかに希薄な存在の不安が影を落とす。都市や校舎やスタジオなど演劇的な展開の中に、時を超え人を超えた匿名性の強いジュブナイルがひそかな憧れをさぐる。

田中眞由美詩集『待ち伏せる明日』。現代社会が抱える多くの問題を冷静に科学的な視点に立って詩として描き出す。原発、遺伝子組み換え、養豚、養鶏、排ガス、ほうれんそう畑、ゴム畑等現代文明や科学技術の持つ明と暗を見つめる視線は、人類への警鐘であると同時に明るい未来への祈りでもあるだろう。

高田昭子詩集『胴吹き桜』。1946年秋2歳の時に満州から引き揚げてきた著者の戦後70年の軌跡を辿る。軍属だった父や母や叔母などから聞いた戦地での経験などを丁寧にまとめた自分史は、静かに平和を祈る心と次の世代に語り継ぐ使命感とを通じて、人類の歴史の貴重な記録となり読者に深い感動を与える。


by nambara14 | 2018-06-10 19:03 | 詩集・詩誌評等 | Comments(0)


    ソネット 17


             

           W.シェークスピア

            南原充士 訳


将来においてだれがわたしの詩を信じるだろうか?

その詩があなたの至高の美で満たされているとしても。

実際のところこの詩はあなたの人生を隠す墓のようなものに過ぎず

あなたについて書くべきことの半分も表していないことをだれひとり知る者はいないのだが。

もしわたしがあなたの目の美しさについて書き、

そして新しい詩句であなたのあらゆる優美さを表すことができるとしたら

来るべき時代の人々は、「この詩人はうそつきだ。

その天国のような筆致は地上の人間の顔に触れたことがないからだろう」と言うだろう。

時とともに黄ばんだわたしの詩集もまた

嘘つきの老人のように軽蔑されるだろう

そしてあなたの称賛を受けるべき本来の権利も

古臭い歌の間延びした韻律のような詩人の熱狂に過ぎないと言われるだろう。

 だがその時にあなたの子供のいずれかが生きていたなら

 あなたはその子供の中で そしてまたわたしの押韻の中で

蘇ることになるだろう。



     Sonnet XVII


              W.Shakespeare



Who will believe my verse in time to come,

If it were filled with your most high deserts?

Though yet heaven knows it is but as a tomb

Which hides your life, and shows not half your parts.

If I could write the beauty of your eyes,

And in fresh numbers number all your graces,

The age to come would say 'This poet lies;

Such heavenly touches ne'er touched earthly faces.'

So should my papers, yellowed with their age,

Be scorned, like old men of less truth than tongue,

And your true rights be termed a poet's rage

And stretched metre of an antique song:

But were somechild of yours alive that time,

You should live twice, in it, and in my rhyme.



by nambara14 | 2018-06-08 14:37 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 152


              W. シェークスピア

             南原充士 訳


あなたを愛するわたしがあなたを裏切ったことをあなたは知っている

だがあなたもわたしに愛を誓いながら二度もわたしを裏切った

愛の行為の中でもベッドでの誓いは破られ新たな誠意も引き裂かれた

新しい愛が生まれた後に新しい憎悪を誓うことで。

だが二十回も誓いを破ったわたしが

二つの誓いを破ったあなたを責めたりするだろうか?

わたしは何度も誓いを破った

なぜならすべての誓いはただあなたをいじめるための誓いであり

わたしのあなたへの信頼も失われたのだから。

なぜならわたしはあなたの深い親切や愛や真実や貞節を心底信じ

そしてわたしはあなたを輝かせるため、自分の目を盲目にし

あるいはわたしはその目が見たものを見なかったことにすることをその目に誓わせたのだから、

なぜならわたしはあなたが美しいと証言したが、

より嘘つきの目は 真実ではなくそんなにも汚らわしい偽証をしたのだった


Sonnet CLII


                 W.Shakespeare


In loving thee thouknow'st I am forsworn,
But thou art twice forsworn, to me love swearing;
In act thy bed-vow broke, and new faith torn,
In vowing new hate after new love bearing:
But why of two oaths' breach do I accuse thee,
When I break twenty? I am perjured most;
For all my vows are oaths but to misuse thee,
And all my honest faith in thee is lost:
For I have sworn deep oaths of thy deep kindness,

Oaths of thy love, thy truth, thy constancy;
And, to enlighten thee, gave eyes to blindness,

Or made them swear against the thing they see;

For I have sworn thee fair; more perjured eye,
To swear against the truth so foul a lie!







by nambara14 | 2018-06-01 23:49 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)