人気ブログランキング |

<   2016年 02月 ( 17 )   > この月の画像一覧

不倶戴天


嫌いでも 憎まないでね 坊主袈裟

媒介も 問答無用 駆除すっ蚊

不倶戴天 ふぐさしでやる 敵味方



by nambara14 | 2016-02-27 18:15 | 五七五系短詩 | Comments(0)

飲み比べ


居酒屋の狭い座敷で肩寄せあってテーブルを囲んで座って
網焼きの炉端から牡蠣やはたはたやホタテを肴に
何種類もの地酒を冷と熱燗で何杯もおかわりしながら
どれが一番うまいかと問交わしながら心底楽しそうな顔をして
東京育ちなのに福岡に家を買ったとか
北海道は広々としていて住むのに最高だとか
富山は魚がとびきりうまいとか
どこかへいっしょに遊びに行きませんかとか誘いあったりする
美人県はどこだろうか そうだねえ 〇〇あたりかなあ
じゃあ 〇〇に行ってゴルフをして温泉に入ってお酒を飲もうじゃないですか
ぼくはこの酒が一番好きですねえ
ねえお姉さんこれもういっぱいたのむよ
ぼくはこっちのほうが好きだなあ
お姉さんこれもういっぱいたのむよ
炉端から煙が立ちたばこの煙も重なって酔は深まり
みんなすこし声が大きくなってだじゃれにも笑い合う
ああもうこんな時間だ そろそろお開きにしましょうか
おたがいに仲間意識を強めて寒い表に出ると
もう一軒行きましょうとあうんの呼吸で歩き始める
それぞれの地元を思い浮かべながら
また次の店でも飲み比べをしてみたいと思えば
なんだか生きてて良かったという思いが
みんなを包んでそちらへと引っ張っていく



by nambara14 | 2016-02-26 23:05 | Comments(0)

かりもの


一回しか着ないなら貸衣装でいい
何回も着るなら買ってもいいかな

一回しか乗らないならレンタカーでいい
何回も乗るならマイカーがほしい

一回しか会えないならゴージャスに行きたい
何回も会えるならメリハリをつけたい

一回しか生きられないなら納得して生きたい
生まれ変われないなら自分をたいせつにしたい

一回しか死ねないなら安らかに死にたい
人を傷つけたり殺したりしたくない

自分のこころはさっぱり見えない
自分のからだはどこか自分のものじゃないみたいだ

願うことはできてもかなえることはできない
かなうかどうかは別として願い続ける






by nambara14 | 2016-02-22 13:56 | 新作詩歌(平成28年) | Comments(0)

身を捨てて


痛む腰 さすりて通う 病院の 待合室は 今日も混み合う

気が付けば 父の命日 思い出は 鮮やか過ぎて 悼む間もなし

身を捨てて 浮かぶ瀬もある 世を捨てて 生きる目もある 死に急ぐなかれ 



by nambara14 | 2016-02-21 00:18 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

感情不移入


すれ違う 老骨同士 吠えもせず 視線そらして もくもく歩む

降り注ぐ 日差しを受けて 梅匂う 鳥鳴き風は うたた吹き過ぐ  

音もなく 若い女の かたわらを 抜けんとすれば 小犬吠え来る 


by nambara14 | 2016-02-19 13:37 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

ラッカン


乱高下 知らぬか梅の 花付けて

インフルの 収まりて見る 地平線

茫然と 立ちすくみつつ 策を練る 

アララッカン マラカッポン サラパックン



by nambara14 | 2016-02-19 11:36 | 五七五系短詩 | Comments(0)



    ヤッホー

紅組をアッホーと言っちゃいけないよ
青組もアッホーと言っちゃいけないよ

川の向こうに子供たちが並んでいる

ヤッホー
ヤッホー
こだま遊びをしよう

アッホー
いや ヤッホー
ヤッホー

ボートが通ると
白い波が立つ

デッキから手を振って
ヤッホー

鳩が飛び立って
デ デッポー

犬が駆け出して
ワンホー ワンホー

日差しを反射した
川面が

ヤッホー
ヤッホー

紅組も青組も白組も黄組も

ヤッホー
ヤッホー

みんなで

ヤッホー
ヤッホー



by nambara14 | 2016-02-18 13:53 | 新作詩歌(平成28年) | Comments(0)

最も恐ろしいのは


巨大な研究施設から創りだされる新薬は
プロモーションビデオによって
完璧な薬効をひとびとの心に植え付け
服薬すれば難病も治癒すると信じられた

遺伝子レベルで切ったり貼ったり増殖させたりする技術のほか
内視鏡や顕微鏡下でのロボットによる処置が可能になり
精密なメスの操作によりリスクを最小限に抑える
人間と機械の完全融合システムも導入された

一部には過剰医療だと批判する医師や研究者もいて
患者はあれこれ断片的な情報を聞きかじってはおろおろしたが
セカンドオピニオンを聞いても迷いはなくなりはしなかった
最後は自分の判断だと言われて発狂しそうになった

最も恐ろしいのはなんなのかと問われてみれば

病気が進行して体が麻痺し食事や排せつに障害が生じ
激痛に眠ることさえできなくなること
お金がなくなって一切の治療を受けられなくなり
ペインクリニックへの道を閉ざされてしまうことだろうか?






by nambara14 | 2016-02-18 11:04 | 新作詩歌(平成28年) | Comments(0)

ベル


打ち振れば 花咲かじじい 飛び回る



by nambara14 | 2016-02-16 16:47 | 五七五系短詩 | Comments(0)

奇声



ある日もう来なくていいからと告げられて
体がかたまってしまった
心がこわれてしまった
心身のバランスが崩れてしまった

覚悟なんてできない
現実にぶつかってはじめて痛みを知る
こんなに苦しいんだったら
もう少し前から心の準備をすべきだった

ある日もう行かなくていいんだと悟って
足がすくんでしまった
力が抜けてしまった
心がふわふわしはじめた

展望なんてない
激変をどう受け止めたらいいのか
急にはわかるはずがないから
とりあえず奇声を上げながらほっつき歩く


by nambara14 | 2016-02-15 14:56 | 新作詩歌(平成28年) | Comments(0)