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書きぐせ

なにかを思えば書き記したくなることもあるし
そのままにしておきたいこともある
自分の中に欲求の仕組みがあって
手の届かないところでなにかをしたいとか
したくないとかを感じさせているのだろう
書きたくないときは無理に書こうなどと思わずに
ぶらぶらと歩いてみるに限る
自分の内部に向かいがちの気持ちを反転させて
外界へと五感を解放させてみる
風が頬や首筋を撫で髪を乱す
少し肌寒い外気の中をかまわず歩き続けると
道端に草木が息づきときには花咲いているのに気づく
雀の鳴き声が車の走る音に混じって聞き分けられ
ベビーカーを押した若い母たちに纏わりつく幼児が見える
動きやまない街のようすを見るともなく見ながら
ふと思い出す昨日の予想外の体調異変
垂れ篭める雲に陰る未来を予感せざるをえない
随分歩き続けて喉の渇きを覚え靴ズレさえ感じはじめて
最寄りのカフェに入って休息をとると
一瞬空白になった脳が急速に色彩を取り戻すのがわかる
光が差して言語中枢を刺激したせいだろうか
言葉があふれてきてなにかをつぶやいてしまう
それは書くことのできる言葉となって
記憶のページに書き付けられる
急ぐこともなく帰途についたが
ちょっとした足の痛みだけはつきまとって
それが言葉を生み出すのだった
書きたいという意欲が生まれてくるような気がしたが
どうしても書き記したいという衝動に達しなければ
放置しておくに限る
むやみに書くなどということはすべきではないと
まだら模様の意識とともに
気の向くままの歩行を続けてみる

by nambara14 | 2014-04-26 22:28 | 新作詩歌(平成26年) | Comments(0)

時空の迷子

天翔ける 翼に乗って 時を飛ぶ

春過ぎて 行方不明の 時と場所

時空より ほかの次元へ 迷い込む

by nambara14 | 2014-04-25 13:34 | 五七五系短詩 | Comments(0)

絶対的

混み合った電車の中で
背の高い若者や小柄の中年女性や
加齢臭のきつい老人や
大きなバッグを足元に下ろした学生や
スマホにすがりつく女子高生や
多くの乗客と押し合いへしあいしていると
この乱雑で臭いのある居心地の悪い現実は
永久に続くような気がする
けれどもしばらくしてから
最寄りの駅に行ってみれば
閑散としたありようで
電車はがらがらに空いている
沿線を眺めれば
薄の原が広がっている
あの群衆はどこに行ってしまったのか?
ひとりひとりの来し方行く末はフォローしようがないが
目の前に見える景色は
ありふれた空の移ろいと気温の変化と
多くのひとびとの常住坐臥と生業を映し出して
存在を頑丈な形態として現出させているように見える
絶対的に明日も目覚める現実があるように思い
絶対的に目覚める自分がいるように思って
飲みすぎたはずみで馬鹿笑いをし
飽きもせず同じ冗談を繰り返して
豪快な気分に身を任せてしまうが
二日酔いで胃液をとことん吐いてみれば
暗転するフィルムみたいに
しょんぼりしてしまう自分が見えてくる
この体も心も極端に危うい細胞でできているんだなあと
思い至ってちんまりした自分が見えてくる
不確実な存在であることこそ絶対的なんだと
気づいてしまうあられもない自分の心持が見えてくる




by nambara14 | 2014-04-22 10:14 | 新作詩歌(平成26年) | Comments(0)

Baton Syndrome


Baton Syndrome

A very small baton emerges from somewhere
It smells badly and adheres to anywhere easily
The medical authority announced that
A new disease broke out and spread fast
Especially in the central area of the city
It is not fatal but irritating
Furthermore the baton which causes those symptoms
Is invisible
No sensor is effective enough
No device can measure the size and shape
Though medical researchers have been trying to find a good way
For a long time
To protect you from the baton syndrome
People only feel uncomfortable
When it come s and adheres to your skin
Now people begin to complain that
The authority is to blame for the problematic situation
They also begin to doubt if there is any disease caused by such a baton
But no remarkable progress has been made so far
Maybe because the priority is not high
How itchy it is!
Basically most things are a mixture of truth and falsity
If you could not prove that the baton exists really
Then this part should be tentative
What is sure?
It smells and adheres doubtlessly
You can say “A baton!”
If the Baton Syndrome is an infectious disease


by nambara14 | 2014-04-18 14:16 | 新作詩歌(平成26年) | Comments(0)

呼吸

吸って吸って吸って 吐いて― 吸って

吐いて吐いて吐いて 吸ってー 吐いて

吸って吐いて吸って 吐いて吸って 吐いてー

by nambara14 | 2014-04-16 10:35 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

橋の上

橋の上から光る川面を眺めていると
しだいに小型の遊覧船が近づいてくるのが見える
屋上部になんにんかの人影があり
みなひとりの女性に注目しているように見えた
カメラを向けているひとがいた
なにかの撮影に違いない
船は橋の下を潜り抜けていく
橋の上にいるひとたちがそれに気づいて
橋の一方から他方へと移動する
女優の顔を確認しそこなっているうちに
船はすぐさま遠ざかってしまう
ドラマの一場面だろうか?
状況もセリフもわかりきれなかったが
普段ほとんど目撃することのない撮影現場に遭遇して
得をしたという思いは着実に育っていった
無線機から声が聞こえて
なにかの連絡がなされようとしたのだろうが
通信手段でつながっていない者たちには
手を振るぐらいしか思いつかなかった
詮索はやめようという声が聞こえて
ぼんやりと遠くを見ていると
もはや船の姿は見えなくなり
自分もそこから去ってしまったが
橋の上はひっきりなしに
犬を連れて歩いてくる年老いたひとや
ベビーカーを押して歩いて行くひとなどが
行きかい続けている
by nambara14 | 2014-04-15 15:45 | 新作詩歌(平成26年) | Comments(0)

リセット

朝日見る ひとの姿は 照らされて ゆうべの闇を 脱ぎ捨てて立つ

透明に なりゆくひとと なるごとき 予兆の中で 静かに祈る

泣き喚く 昨日のひとと 別れ告げ 明日の人へと 今日を生きゆく

by nambara14 | 2014-04-13 08:47 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

凶兆

わけもなく 鮮血にじむ 部位あれば ウエットティッシュで やわらかに拭く

目の奥に 赤い縁ある 花咲いて 眠り妨ぐ 出血の痕

めまいから めまいへ続く 凶兆の 沈潜するを 待ちかねている

by nambara14 | 2014-04-12 23:16 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

だったん

花雲る 空への視線 迷いつつ ダッタン人の ダンスを踊る

病み上がり まぶしい光 遮って 木陰にあれば 鳥鳴き花散る

ふらふらと 歩いてみれば ここまでは 来れたと思い 一休みする 


by nambara14 | 2014-04-10 13:41 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

戸惑い

花冷えの 影はおぼろに 消え失せて

淡色の 目覚めを襲う つむじ風

戸惑える 面を隠せ 花吹雪


by nambara14 | 2014-04-05 16:10 | 五七五系短詩 | Comments(0)