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消え行く影

じっと

みとけ

よそみせず

この大きな黒い影が

とおざかり

ぼやけて

            
ついに

望遠鏡でも

とらえきれなくなるまで

いとけ



-----------------------

A vanishing shadow


Just look

Without looking around

Until this big dark shadow

Goes far away

Getting ambiguous

At last

Even a telescope can't catch it

Just stay

.
by nambara14 | 2013-01-30 22:40 | 新作詩歌(平成25年) | Comments(0)

うたごえ

うたたねからさめると
したのねがほどほどにうるおっている
みずみずしいさいぼうが
ゆるやかにしんどうしあいずをおくる
みぶりてぶりがつくりだすかんじょうが
ためらいもなくおもてにあらわれる
ほんとうとかうそとかをこえて
しぜんはっせいてきにうたごえがひびきはじめる

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歌声


うたた寝から覚めると
舌の根がほどほどに潤っている
みずみずしい細胞が
ゆるやかに振動し合図を送る
身振り手振りが作り出す感情が
ためらいもなく表に現れる
本当とか嘘かとかを超えて
自然発生的に歌声が響き始める

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A song

Awakened from a nap
The tongue is wet and smooth
The juicy cells vibrate slowly
And send a message
An emotion created by a gesture
Goes out without reluctance
Beyond truth and falsity
A song is born spontaneously
by nambara14 | 2013-01-30 13:20 | 新作詩歌(平成25年) | Comments(0)


すっかりよっぱらって
いいきもち

ちりもあくたも
まほうのつえで

はなさくのべに
はやがわり

つうたらんらん
つうたらんらん

せかいがまわる

いぬ ねこ ごきぶり
とかげのしっぽ

いのちあるものも
いのちないものも

みーんなおいで

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Completely drunken
Feeling very good


Dust and garbage
By the magical cane
Change into a field in bloom
All at once


To Ta run run
To Ta run run

The world goes round

Dogs,cats,cockroaches ,
Tails of reptile

Living things
And not living things

Come on,everything!
by nambara14 | 2013-01-29 14:53 | 新作詩歌(平成25年) | Comments(0)

とりとめもなく




す         い    も
 っ     い          ち
  か よ       き
     っ
   り   ぱ
      ら
     っ 
    て              さ く 
                       の
                  な     べ
ち                は  り     に
り も あ               わ    は
    く                が  や 
    た も
                          ま
                        わ    が
    の                  る      い
つ             
              つ う た らんらん     か
  う   え          つ う た らんらん
 ほ        で                   せ 
ま                            

                       み ― ん な
い                             
 ぬ        ぽ   い の ち あ る も の  お
ね        っ       も
 こ      し      い の ち な い も の  い          
ご      の               も                               
 き    げ                         で
ぶ    か
 り  と
by nambara14 | 2013-01-29 14:42 | 新作詩歌(平成25年) | Comments(0)

   

豪雨が続いた
土砂が崩れた
堤防が壊れた

熱に冒された体を
右側と左側の痛みが
別々に襲った

豪雨がやんだ
木々が芽吹いた
川が穏やかに流れた

痛みがおさまってきた
忘れかけていた
光が見えてきた
by nambara14 | 2013-01-26 09:49 | 新作詩歌(平成25年) | Comments(0)

かなしかったら

   

かなしいときは
めをつぶり
ごむふうせんを
おもいうかべる

かなしいきもちを
おもいきり
ふきこんでから
なげあげてみれば

まっさおな
そらのなみだが
ふってきて
よごれたみずを
きれいにする

めをあけたとき
あたたかな
ひかりがあふれる
by nambara14 | 2013-01-21 22:33 | 新作詩歌(平成25年) | Comments(0)

最近の詩集評(3)

 

       最近の詩集評(3)


細田傳造詩集「谷間の百合」。韓国語がところどころに出てきたり、戦争、生と死、転生、快楽と形而上学といった重いテーマが取り上げられるが、じいと孫のかけるとのやりとりが極めて活き活きと描かれるので、緊迫した気持ちが緩みほっとした気持ちになれる。生きることの複雑な心情がたしかに伝わる。

「ドビュッシー・ソング・ブック」(山田兼士訳)。ボードレールやヴェルレーヌなどの詩にドビュッシーが曲をつけた63篇をとりあげ、フランス語の原詩と日本語訳を対比させた対訳歌曲詩集。やわらかな現代日本語訳が原詩の魅力を引き立たせる。この本を片手に歌曲を聴いてみたい気持ちにさせられる。本書は、類例を見ない画期的な構成と内容で、読者をドビュッシーの世界へと導いてくれる。

谷川俊太郎「写真」。52枚の写真と短文(エピグラムとかキャプションとかというみたいだが)が収められている。写真だけでも十分見ごたえがあるというか単純におもしろい視点や意図が感じられるが、自然体の短文が相乗効果をもたらし、写真集や詩集以上のインパクトを与える。詩が成立するためにはもちろん言葉の使い方が巧みでなければならないが、それとともに確かな観察眼が必要だということをあらためて感じさせられる。谷川俊太郎のカメラのファインダーを覗く目は並外れて鋭いが撮られた写真はみな楽しさでいっぱいだ。無理やり詩にしようとしない言葉も快い。

八覚正大詩集「学校のオゾン」。教職にある著者が学校での経験をもとに書いた詩篇を収めている。いわゆる問題児である生徒たちの教室でのようすや教師である著者とのやりとりがかなり忠実に再現されている。救いがない展開ばかりに見えるが、著者にとって学校や生徒との関係は是としてよいものと感じられているようだ。定年を迎える著者にとってそれらの経験は今後共思い起こしフォローしつづける重要な位置を占めることになりそうだという。

倉田良成詩集「わがオデッセー」。著者にとってひさしぶりの行分け詩集。十数年前から最近の作品までを収録。鮮烈な抒情性が印象的だ。「清明雨」は杜牧の引用が巧みだ。堀川正美に捧げる10篇は若々しさに満ちている。「水をさがして」5篇や「散歩」は日常の生活や心情がうかがえてしみじみとする。

木島章詩集「点描画」。モネの睡蓮の絵を間近に見て塗り残しがあるのに気づいたことがあるという。家族との暮らしのようすを見つめることから生まれた詩は言葉の点描画として細部が丁寧に描かれる。悲しい出来事も抑制の効いた穏やかな口調で語られる。詩はこれからも手さぐりで書き続けられるようだ。

大家正志詩集「翻訳」。文学、演劇、映画、音楽、美術など芸術はもちろん、政治経済から哲学、文化人類学、さらには宇宙や素粒子などの自然科学や新聞記事に至るまで幅広い教養を有する詩人が、日常生活という現実を基礎にして根源的な自問自答を繰り返す中から紡ぎ出された詩篇群。硬質な言葉との格闘の中にも抒情性が垣間見えるところが魅力だ。「すると窒素がちょっとはにかんだように/この世でいちばんたいせつなことを口にすることは勇気がいりますが/あいなんですよ」(「あッ」部分)。

たなかあきみつ詩集「イナシュヴェ」。前衛芸術、シュールレアリスム、モダニズム、立体派、現代音楽など、芸術のあらゆるジャンルにおける実験的な試みに鋭敏な五感を研ぎ澄まして対峙し、それらを自家薬籠中の物にしたうえで、言葉の錬金術師のように発した暗喩の連鎖は、めくるめく新鮮な驚嘆だ。

細田傳造詩集「ぴーたーらびっと」。死や病気や災害や戦争や性や差別など重苦しい題材が並ぶが、孫かけるとの会話によって息詰まる空気がメルヘンに変換されることで救いが生まれる。現実を見据える目は鋭いが表現される言葉は控えめだ。英語や韓国語が作品に奥行を与える。抑制の効いた詩が多い中で詩集の最後に置かれた作品「おかし」は、珍しく痛切な魂の叫びが率直に表されている。

宮地智子詩集「支度」。今は亡き父や母や義母との思い出がしずかに語られる。つらかった場面も今は懐かしく感じられるようだ。他方、アメリカ暮らしの娘家族を訪問する場面は現実にひそむ微妙な感情の動きが描かれる。母として祖母としての穏やかな水彩画のような筆致が人生への深い洞察を感じさせる。

山田兼士著「高階杞一論」。谷川俊太郎の後継者の登場が待たれる。その候補者の一人として、高階杞一を挙げる。12冊の詩集をすべて取り上げることにより高階の全体像が明確に浮かび上がる。同時に、山田の詩論の広がりと深さに感服する。詩と詩論が一体となって豊かな結実を示している名著である。

「高知詩集2013年」。高知新聞への投稿詩入選者59名によるアンソロジー。108篇の作品には選者の大家正志氏による選評が添えられている。作品と選評が並ぶことで、相乗効果を上げている。作品の内容が特に高知に関するわけではないが、真剣な書き手と読み手がいる地方の今後の可能性は大きい。

池田康詩集「ネワエワ紀」(洪水企画)。詩人の遠征シリーズ第一弾。囲いを破り約束を破り禁を破って詩人は遠征する。詩は詩さえ破ろうとする。不条理が詩の本質だ。それでいて妙に身近な都市生活者の気配を感じるのは、詩は人間くささから発するということを忘れていないからだろう。併録の「気聞日記」は日記から派生した気分の哲学書だ。
by nambara14 | 2013-01-20 10:14 | 詩集・詩誌評等 | Comments(0)

ぼうし



     ぼうし


ぼくのぼろぼろなぼうし
もうすこしでばらばらになりそうなぼうし
何年もぼくのあたまをまもってくれた
あたらしいぼうしを買ったけど
なんだかかぶり心地がよくなくて
古いぼうしをすてられない
なじみっていいよね
しっくりくるから
行きつけの飲み屋っていいよね
落ち着くから
長年付き合った友達っていいよね
遠慮がいらないから
ほくのぼろぼろになった体は
入れ替えたくても
入れ替えられない
ぼくのぼろぼろになった心は
修復しようもないし
ぼうしで守ることもできない
今にもばらばらになりそうでも
そっとかきよせて
なんとかしのいでいかなければならない
by nambara14 | 2013-01-11 22:36 | 新作詩歌(平成25年) | Comments(0)

謹賀新年



     明けましておめでとうございます。

     ことしよろしくお願いいたします。

     
     詩を中心に評論や小説にも挑戦していきたいと思っています。

     付和雷同せずに、自分の信じるところを窮めていければと思っています。

     
     みなさまのご健康とご発展をお祈りいたします。


                                    平成25年元旦


                                      南原充士
by nambara14 | 2013-01-01 01:03 | プロフィール | Comments(0)