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飛行船



     飛行船


空を見上げると ぽっかり浮かんでいる物体が目に入る
そののんびりしたようすが見る者の気持ちを和ませる
ふと目をそらしている間にいくつかのビルの間を移動している
見る者はただ数歩歩いてまた見上げただけなのだが

昨日の夜は眠りが浅く偏頭痛がきりきりと頭皮を突き上げる
取り越し苦労だなんて言われそうだとは思うのだが
ずっと借金に追われて夜逃げを繰り返してきた
気が付けば自分のまわりにはだれもいなくなっている

体の具合も心の調子の悪さに比例して低調に推移している
想像の世界に逃げ込もうとしても悪夢のような現実が妨げる
満員電車でもみくちゃになってくたくたになったぼろきれみたいに
ひととひとの隙間から放り出されてまた急ぎ足の群衆の間を歩く

あちこちが汚れているので早く体を洗えるところへ行きたい
汗ばんで悪臭が隠せない者同士が視線を避け合う路上にいて
ただひとつ浮き立つような思いにさせてくれるものが見つかった
ふと自分が空に浮かぶ飛行船になっているのだと思えてきた
by nambara14 | 2012-07-04 10:48 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)





風が吹いてきて旗をひるがえす
また風が吹いてきて 確かめようとする
空高く旗がはためいているかどうかを
白と赤の色が青い空に対してくっきりと見える

子供たちは風の中を歩く 旗の方を見ながら
若者たちはめいめいの方向に急ぎ足で走る
年老いた男女が近所を散歩する
時折犬たちが連れられている

夕方になると
風が強くなる
旗ははたはたとはためく
叫びのような音が闇の中に聞こえる

次の朝 そよ風だけが吹いてくる
太陽はいつものように昇る
なにも特別なことはない
ただ旗がポールから消え失せてしまったこと以外には

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A flag

A wind comes here to make the flag fly
Another wind comes here to make sure that
It continues to fly high up in the air
White and red colors look clear against the blue sky

Children walk looking at it through the wind
Young people run hastily for their respective directions
Old men and women stroll around the neighborhood
Dogs are accompanying them sometimes

When the evening comes
The wind becomes stronger
The flag flies in bigger motion
The sound like a scream is heard in the darkness

Next morning, there blows only a breeze
The sun rises as usual
And there is nothing special
But that the flag has disappeared off the pole.
by nambara14 | 2012-07-02 21:08 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)