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悲しみを乗り越えて


     悲しみを乗り越えて


海に向かって立つと 砂が動き
風が舞い立ち 光が反射し 波が寄せては返す
太陽が隠れるのを 見届けてから
帰ろうとすると 目が濡れる

丘に続く道をとぼとぼと歩いていくと
海が追いすがり 草むらが叫び 土が揺れる
あそこまでたどりつけるだろうか
枯れた花を手のひらで薙ぎ落としてはいけない

何度目かの 突きつけられて うろたえて
一足ごとに重くなる歩みにさえ紛らせられない
ずっと同じ色の血を流し合ってきた

空を見上げて 散乱させる 気持ちの
届いて欲しい 力なき声の ふるえがやまぬ 
誤報ではないかと ねじれてゆく腸を断つ 





by nambara14 | 2011-05-28 19:54 | 新作詩歌(平成23年) | Comments(0)

ひまつぶし


     ひつまぶし


この店の前を通るとき
和風のカウンターに運ばれてくる
お盆に載った器を想い出す

この店にいっしょに来たのは
だれだったか忘れたことにして
料理のほうに気持ちを集中させる

ひとりの昼休みはゆっくり過ぎる
午後の約束までに立ち直らなければならない
午前中は思わぬ失言をしてしまった

ひつまぶしのふんわりした舌触りに
過去が消え現在が立ち止まる
階段で踏み外した足の痛みを忘れる







by nambara14 | 2011-05-26 14:47 | 新作詩歌(平成23年) | Comments(0)

まっさかさま


     
        まっさかさま


上下左右 回転跳躍 飛行落下 激突破裂 即死成仏

立ち上がれ くるりくるりと 傾いた 軸にすがって 揺れる痩身

激甚の 揺れの予兆に 淡水の 魚類のごとく 身震いをする

とりなおす 手に手をそえて 息を呑む 断崖絶壁 危うい視力

ただひとり 無念無想の 果てに来て まっさかさまに 抜け出した空



by nambara14 | 2011-05-22 18:23 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

生還


        生 還


蛇口より 水落ち手濡れ 流れ行く

水を取り 顔を洗って ぬぐい去る

見覚えの ある顔のいる 鏡あり

だれとして 生まれ変わって 歩き出す

水辺には 緑そよめき 空かすむ



by nambara14 | 2011-05-20 11:34 | 五七五系短詩 | Comments(0)

かりこの空



     かりこの空


かりこの空より ゆりこが落ちる
きりたの雲より よびたが落ちる
がんぐらがって じんとれてって
ぴりくりかって でられやしって

ドンべの海より マンチが浮かぶ
ズッコの底から ラッシュが噴き出す
じゅじゅびぶぶび まむみめむめ
くくれくくち るるれぐがんち

うっちの果てより あっちが消える
けっちの足元 でっちが転ぶ
うれれっけ づいだらせっけ
きゅりざっけ ぶいぶだりっけ


by nambara14 | 2011-05-17 14:17 | 新作詩歌(平成23年) | Comments(0)


       っ


って へって えって せって めって けって
っぽ はっぽ かっぽ なっぽ まっぽ らっぽ
っし ひっし みっし きっし ちっし りっし
っく ふっく くっく るっく ぶっく ゆっく
っ  ほっ  もっ  とっ こっ そっ 



by nambara14 | 2011-05-14 19:06 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

ウイノスラ


     ウイノスラ


ウイ ノ ストラ
ラス ト アモカ
カス モ ヒュンデ
デル コ ムムチョ

人工芝生 ゆるやかな丘
ベビーカーを押して
高層マンションから あふれてくる
妻たちを 横目に
真夏日の 海浜へと
くらます行方

クムラ ッチ ウラレ
レスポ ッシ トオミ
ミカエ ッラ フウジ
ジスン ッチャ ハアラ



by nambara14 | 2011-05-13 22:40 | 新作詩歌(平成23年) | Comments(0)

泣きガラス


     泣きガラス


指先の 軽いタッチに ふるわせる 透明体の 円き辺縁

泣け泣けと ゆるい教唆に 我知らず 聴きなれしかの 遺作にすがる

あふろへら たくらまかんで かるさめよ きゅいきゅらしゅくら しんきろきあら


by nambara14 | 2011-05-04 14:04 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

溺愛


       溺 愛


やせた裸体に 念入りに下塗りをし 厚く化粧させる 
華美な衣装と アクセサリーを まとわせる
瞳は 惑乱レーザー 肌は 迷彩テラコッタ
声は 天上から 降りてきた ソプラノのアリア
なやましげに くねらせるS状肢体 臨界寸前
秘匿されたアーカイブから 抜き出したフィルム
繰り返しリセットしては 今に追いつこうとする
夜行機の窓へと オーロラがかすかにゆらめく


by nambara14 | 2011-05-03 14:12 | 新作詩歌(平成23年) | Comments(0)