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横殴り



     横殴り

まっすぐに 引いたその手で 叩く顔

叩いては 顔を覆って へたりこむ

秋風の 叩いた顔を 横殴る


by nambara14 | 2010-08-23 15:41 | 五七五系短詩 | Comments(0)

ある祈り



      ある祈り


わたしをにらんだひとにほほえみ
わたしをあざけるひとには称賛を
わたしに気づかないひとはそのまま
わたしに背を向けるひとは黙って見送る

わたしを小突きまわすひとの前に立ち
わたしを蹴る人に足を差し出す
わたしを打ち倒すひとの顔を見上げ
わたしを殺そうとするひとのために祈る

わたしがわたしの境目を溶かし
わたしの堅い殻から抜け出し
わたしのむき出しの身をさらして

わたしの声でひとびとに呼びかけ
わたしの手でひとびとの手に触れる
わたしの涙でひとびとの涙をうすめる


by nambara14 | 2010-08-22 19:59 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

さるすべり



     さるすべり


根こそぎに 見られたくない 男泣き

つと立って 外を見やりて 帰り来る

ひとひとり 言葉をなくす さるすべり


by nambara14 | 2010-08-20 12:56 | 五七五系短詩 | Comments(0)

手さばき



      かもめ


光る肌 触れようとして 手を返し また手を返し 驟雨呼び来る

手を振って 歩み行く影 じぐざぐと 炎天の下 かすかに揺れる

わけもなく 手と手を組んで 旅立てば 水平線を 越え行くかもめ


by nambara14 | 2010-08-19 23:20 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

ツイッター詩5



            ドライアイス

ごめんなさい。猛暑。ごめんなさい。ここ。ごめんなさい。ドライアイス。体中に貼り付けて。心臓麻痺?
あ、はがれない。風呂に飛び込め。あざだらけ。ごめんなさい。ツイッター。


by nambara14 | 2010-08-18 10:57 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

ツイッター詩4



         こころ


念力で取り出したこころは色あせてしわくちゃでだらしなく垂れ下がっている。
自分のこころにしてはなんというみすぼらしさだ。
だれにも見られないうちに空気を吹き込みアルコールでふき取りルージュで色をつけた。
飾りのついたガラスの箱に入れて机の上に置いた。家人は珍しいかたちの装飾品だと言った。
一夜明けて目が覚めるとそれはもうどこにも見当たらなかった。
夢の中で心臓が青ざめて苦しい脈を打つのを見たような気がした。


by nambara14 | 2010-08-17 12:04 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

ツイッター詩3



        虹
     
分厚い時のレンズを通して謎めいてあいまいなものが見える。
やがてそれは目の前にくっきりと現れるがそれがなんであるのかは知る由もない。
諦めかけたとき山の彼方に虹が上る。
それは地上に落下し粉々に砕けてしまったのだが。

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(注) 上の詩は、先に英文で書いたものを自ら和訳したものである。

Through thick lenses of time, you can see something mysterious and ambiguous.
Then it appears clearly in front of you but no clue to the truth.
When you decide to give it up, there rises a rainbow high above the mountains.
Though it ended up just falling down to the ground into tiny bubbles.






by nambara14 | 2010-08-16 17:03 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

ツイッター詩2



          象 嵌

シュパッ割れたガラスのかけらさそりやむかでやどくぐものミイラ砂漠に埋まった黄金宮殿。
テントの寝床をすり抜けて若やぐ白肌の女神は蘇る。
なつかしいがはじめて聴く調べは記憶を超えて眠るひとの夢を彩る。
目覚めれば東洋の木造の仏像に象嵌された瞳が輝くシュパッ。


by nambara14 | 2010-08-16 17:01 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

ツイッター詩の試み



     ツイッターの140文字という枠の中でなにか新しい表現はありうるか?という観点から詩作を試みてみた。
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              輪 廻

南無三
ガットシュペール行方を告げぬアットマーク来し方を知らぬオットセイ皮革集団。
抜け弁天閉じた眼の裏側へと忍び寄る闇の光内側へと開く捩れた大広間に捉われ。
産み落としては捨て拾っては育て成長しては勘当し別れの涙落ち。
繰り返す永久歯車の呻吟痛みを手渡して回転し続ける輪廻
南無三。


by nambara14 | 2010-08-16 16:53 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

チーズ



      チーズ


開いては 鼻突くにおい 触っては 移ろう香り うろたえて切る

ゆるやかに 崩れる酪を 指先で 整えて食う 胡乱の夕べ

通ぶって 心静かに 食す酪 生き物の末 饐えて鼻刺す


      

by nambara14 | 2010-08-16 00:02 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)