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        『 と言ったあ 』

                       =ツイッター詩の試み=

          1.輪 廻


南無三
ガットシュペール行方を告げぬアットマーク来し方を知らぬオットセイ皮革集団。
抜け弁天閉じた眼の裏側へと忍び寄る闇の光内側へと開く捩れた大広間に捉われ。
産み落としては捨て拾っては育て成長しては勘当し別れの涙落ち。
繰り返す永久歯車の呻吟痛みを手渡して回転し続ける輪廻
南無三。


        2.象 嵌

シュパッ割れたガラスのかけらさそりやむかでやどくぐものミイラ砂漠に埋まった黄金宮殿。
テントの寝床をすり抜けて若やぐ白肌の女神は蘇る。
なつかしいがはじめて聴く調べは記憶を超えて眠るひとの夢を彩る。
目覚めれば東洋の木造の仏像に象嵌された瞳が輝くシュパッ。


        3.虹
     
分厚い時のレンズを通して謎めいてあいまいなものが見える。
やがてそれは目の前にくっきりと現れるがそれがなんであるのかは知る由もない。
諦めかけたとき山の彼方に虹が上る。
それは地上に落下し粉々に砕けてしまったのだが。

---

(注) 上の詩は、先に英文で書いたものを自ら和訳したものである。

Through thick lenses of time, you can see something mysterious and ambiguous.
Then it appears clearly in front of you but no clue to the truth.
When you decide to give it up, there rises a rainbow high above the mountains.
Though it ended up just falling down to the ground into tiny bubbles.


         4.こころ

念力で取り出したこころは色あせてしわくちゃでだらしなく垂れ下がっている。
自分のこころにしてはなんというみすぼらしさだ。
だれにも見られないうちに空気を吹き込みアルコールでふき取りルージュで色をつけた。
飾りのついたガラスの箱に入れて机の上に置いた。家人は珍しいかたちの装飾品だと言った。
一夜明けて目が覚めるとそれはもうどこにも見当たらなかった。
夢の中で心臓が青ざめて苦しい脈を打つのを見たような気がした。

.
         5.ドライアイス

ごめんなさい。猛暑。ごめんなさい。ここ。ごめんなさい。ドライアイス。体中に貼り付けて。心臓麻痺?
あ、はがれない。風呂に飛び込め。あざだらけ。ごめんなさい。ツイッター。
 

         6.と言ったあ


と言ったあ。
被告人の答弁は忠実に記録される。記憶はうすれまだらにねじれすり替わって嘘も混じるがだれも証明しようはない。真実はあるが認識はされず認定される事実と証言のみで判決は下される。執行された刑は取り返しがつかない。
と言ったあ。


       7.占い


おっは。
熱波もおどろく冷房完備風光明媚の高層ビル。あなたには売らない。
天然資源の買い付け。あなたには売らない。
鉄鉱石を運ぶ船は赤道を越え。あなたには売らない。
あらら。今朝の占いの結果は?
あっは。


        8.夏休み


夏暦。予定は入れない。毎日が休みのじいちゃんが乳児をあやす。スケジュール恐怖症のママが夜中に絶叫マシンの夢を見る。社員の休暇予定表。パパはどこにも行かなくても、夏休み。


        9.ヤンマ

           =谷川俊太郎氏へのツイート=

おそらくヤンマの複眼に映ったあなたの視線は高原の草むらの中で永遠に眠り続け、ヤンマの複眼を見たあなたの両眼はいつまでもヤンマの視線を忘れないでしょう。

cf.谷川俊太郎氏のツイート=【高原の林にいます。草の中でもがいているヤンマを拾い上げて、緑色の複眼を見つめてから放してやったのですが、もう飛べずにまた草の中に落ちていった。俊】
   

      10.相対性理論

あなたとわたしがきつく抱き合っているときも時計は違った時刻を指し肉体は縮み合っている。ひとまわり小さなあなたを一瞬遅く抱くときあなたは本当はどこにいるのか?どこまで一体化すればわたしたちは同じ時空に存在することができるのか?



by nambara14 | 2010-08-30 20:50 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

ツイッター詩10



      相対性理論


あなたとわたしがきつく抱き合っているときも時計は違った時刻を指し肉体は縮み合っている。ひとまわり小さなあなたを一瞬遅く抱くときあなたは本当はどこにいるのか?どこまで一体化すればわたしたちは同じ時空に存在することができるのか?


by nambara14 | 2010-08-30 19:50 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

ツイッター詩9



      ヤンマ

           =谷川俊太郎氏へのツイート=


おそらくヤンマの複眼に映ったあなたの視線は高原の草むらの中で永遠に眠り続け、ヤンマの複眼を見たあなたの両眼はいつまでもヤンマの視線を忘れないでしょう。

cf.谷川俊太郎氏のツイート=【高原の林にいます。草の中でもがいているヤンマを拾い上げて、緑色の複眼を見つめてから放してやったのですが、もう飛べずにまた草の中に落ちていった。俊】




by nambara14 | 2010-08-30 19:34 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

ツイッター詩8


      夏休み。

夏暦。予定は入れない。毎日が休みのじいちゃんが乳児をあやす。スケジュール恐怖症のママが夜中に絶叫マシンの夢を見る。社員の休暇予定表。パパはどこにも行かなくても、夏休み。


by nambara14 | 2010-08-30 16:45 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

ツイッター詩7


       占い

おっは。
熱波もおどろく冷房完備風光明媚の高層ビル。あなたには売らない。
天然資源の買い付け。あなたには売らない。
鉄鉱石を運ぶ船は赤道を越え。あなたには売らない。
あらら。今朝の占いの結果は?
あっは。


by nambara14 | 2010-08-30 11:40 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

ツイッター詩6


    と言ったあ

と言ったあ。
被告人の答弁は忠実に記録される。記憶はうすれまだらにねじれすり替わって嘘も混じるがだれも証明しようはない。真実はあるが認識はされず認定される事実と証言のみで判決は下される。執行された刑は取り返しがつかない。
と言ったあ。


by nambara14 | 2010-08-29 19:46 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

泣き笑い



      泣き笑い


案ずるな 生まれ来る子の 泣き笑い

ジイジイと かき消せおれの 親不孝

老いの坂 越え行く親の まだらぼけ



by nambara14 | 2010-08-27 14:48 | 五七五系短詩 | Comments(0)

寛容


         寛 容


干からびた こんな暮らしの すみずみに 幸水の玉 ひそかに腐る

秋はまだ ブドウもなしも いちじくも 熟する時を はかりかねては

処暑過ぎて 残暑は続く 列島の 南の海を 迷えるくじら



by nambara14 | 2010-08-26 14:31 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

三歩後退二歩前進



    三歩後退二歩前進

一歩下がり みずからの位置 たしかめる

三歩下がり さらに下がって 見極める

立つ位置を 定め直して 二歩前進


by nambara14 | 2010-08-25 13:09 | 五七五系短詩 | Comments(0)

ゆるく



      ゆるーく


一番前の席で手品師の手さばきを見つめていた
またたきも我慢して至近距離でなにものも見逃すまいと
見開いた目をいっそう見開いてだまされないように身構えた
右手の中の百円玉は左手に移りまた右手に戻った
両手を広げるとどこにもない
底の抜けたコップに水差しからぞんぶんに水を注ぐ
水は床にこぼれたはずだが細かに切られた折り紙が床に散らばる
胸の中からいきなり飛び出した鳩がステージを飛び回る
続いて何羽も真っ白な鳩が飛び出してきて飛び回る
手品師が手を大きく差し伸べると一瞬にして消えてしまう
すべてが元通りになったとき手品は終わったが
どうにも見放された思いがこころにひっかかった
手品師の手つきをまねて飛ばしてやろう ゆるーく



by nambara14 | 2010-08-24 19:18 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)