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ブラックホール



      ブラックホールとホワイトホール


大食いの ブラックホール ばら撒きの ホワイトホール 口説きつづける


だまし討ち ブラックホール  かき乱れ ホワイトホール 夢にまで見る


やわらかな ブラックホール なめらかな ホワイトホール 渦巻いて消え







by nambara14 | 2010-06-30 19:14 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

トカゲ



         トカゲ

機上より 国見る影は 地に落ちて 迷妄を這う トカゲとなりぬ


by nambara14 | 2010-06-29 13:32 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

あじさい


  
                  あじさい

f0037553_1404924.jpg
         
           考える  人となりては  帰り来て 

           光と影の あわいにたたずむ



by nambara14 | 2010-06-28 14:00 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

湿度




     湿 度


土砂降り
満水のプール

乾季の砂漠に落ちる月
宇宙から降り注ぐ放射線
一度も開かれたことのないカプセル

太陽の表面
アンドロメダの内部
ダークマター

子どもたちのいない公園
百葉箱
消えたたままの目盛り


by nambara14 | 2010-06-18 19:13 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

タチアオイ



    タチアオイ  


タチアオイの続く道を
自転車に乗って海辺へと向かう
見えない内部が分裂している
ピンクの花が縦に伸びている

この三百メートルほどの道ぞいに
老人がたったひとりで植えてきた
白やオレンジや赤色に光る生命体
不揃いに並んだ花たちが咲き誇る頃

目の前は降り止まぬ雨にかすんでいた
何度も越えてきた坂から
一気に大通りに出ると

瞼に焼き付いた顔が宙に浮かび
ピッチを上げる両足が空回りする視界に
どっと花の色が流れた


by nambara14 | 2010-06-18 10:38 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

笑いが止まらない



     笑いが止まらない


いやあおかしくておかしくて
おなかをこわしてのた打ち回っても
仕事をなくして暮らしに行き詰っても
たいせつなひとが不治の病を宣告されても

笑いがとまらない
おなかの痛みでひきつけを起こしながらも
おなかの筋肉は笑いをこらえられない
痙攣して痙攣して しゃっくりみたいな

笑いが止まらない
こうなりゃ強制押さえ込みしかない
最強の麻酔剤を注射

笑いは止まった
笑いはひどくくたびれて止まった
笑いの主の心臓も止まった


by nambara14 | 2010-06-16 19:50 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

入梅



       入 梅


乳房の 揺れる入梅 天気図を 丸めてきゅっきゅ 上段の剣


by nambara14 | 2010-06-14 11:39 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

秘薬




       秘 薬



一息嗅いだだけで鼻腔から脳髄へと走る激香
一滴含めば舌に広がる血と骨の灰汁
滅亡寸前の危うい恍惚へと誘なう未遂感
虹色のカクテル光線が作り出す
幻覚のジュエリーの輝き
触れようとしても逃げ去る透明の影
耳を寄せれば聴いたことのないレクイエム




by nambara14 | 2010-06-13 21:59 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

爆発



     爆 発


やい おれだって ばーん
おい おめえだって がーん
ふん あたしだって はーん
おっと てめえも ぶわーん

場外に かーん
場々外に 一発
場々々外に あーん
案外 腹立ちも おやーん
空腹には ほやーん
勝てまい よーん


by nambara14 | 2010-06-11 10:37 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

伝説



      伝 説


小さな圧力がカリウムとナトリウムの間を抜けて微弱たが精密な情報を伝達するシステムは、まったくのところオートマチックに作動するのだが、ときに経路が変更されていたり材質が変化していたりする。痛いほど締め付けてはいけないと言い含めたとしても耳に届いた頃には息絶えていないという保証はない。銃をつきつけて動くなと言われた外国人のとっさの跳ね出し。ギロチン台に首をのせられた王女が失禁したという史実の改ざん。それらの時間の記録をいくら詳細に調べてもはじめのボタンは見つからない。ドミノを倒しはじめた手を探し求める探検隊。なにを持って行ったか。いったいなにを使えば腑に落ちるのか。どこにも基準原点のない足場を蟻地獄が食い破り、つかまる手すりも自らの幻影でしかない。厚く垂れ込めた雲状の斯界をまったく無造作に交差する粒子が消えてはまた現れるゆらぎの中で、なぜわけがわからないということだけがくっきりと伝わってきたのか。


by nambara14 | 2010-06-08 21:47 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)