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トップランナー



      トップランナー


洪水に遭ったあとの陸地のように 泥まみれの家屋の中に息を潜めて
怒張が衰えるのを待ち 清水で顔を洗って新たな出発に備える
思い思いに出かけて 好き勝手な物を売り買いして帰って来る
ときには生殖行為に及び 贖罪の勤行を終えて まだら模様の歌を歌う
舳先に立つ者は常に見える限りの視界を見守り異常を感知する姿勢を崩さない
怪電波をキャッチすればいち早く解読して戦略を練り伝達し処分し整理する
振り向いてもいいが戻ってはいけない 思い出してもいいが耽ってはならない
濁流 瀑布 岩礁 豪雨 濃霧 難破 転落 不明 変成 透過 蒸発




by nambara14 | 2009-10-31 22:05 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

スパイラル



              スパイラル

そうして 平面図は回転する
   立面図はねじれ
      側面図はよじれ
    立体は見るそばから変形する
  はじめのエネルギーが消費されるまで
あるいは
  エネルギーは増殖し 波打つのだろうか
    運動の法則に擬せられた
       感覚細胞 動き止まない


by nambara14 | 2009-10-30 10:24 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

個々


       個




        個




        個 

by nambara14 | 2009-10-29 13:02 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(2)

はいたん



      はいたん

はいつくばっても 抜け去った力は よみがえることはない
たんたんと身を起こして ふうらり歩き始めよう

by nambara14 | 2009-10-28 10:53 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

光と闇



光光光光光光光光     闇闇闇闇闇闇闇闇  命命命命命命命
光光光光光光光光 x   闇闇闇闇闇闇闇闇 = 命命命命命命命
光光光光光光光光    闇闇闇闇闇闇闇闇  命命命命命命命   







     
by nambara14 | 2009-10-27 13:41 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

『 にげかすもきど 』




『 にげかすもきど、 一週間 』



   日曜日


にこにこ 日曜
にっこり笑い
にたてたお湯で
にんずうぶんの
にがめのコーヒー
にはいも飲んで
にたりよったり
にもつを持って
にちぼつまでを
にしへひがしへ
にんいの場所で
にくしみを捨て
にんいの時間
にんたいもせず
にんべん拾って
にっかを終える


   月曜日

げっそり 月曜
元気がないよ
げんなり気分で
月報を見る
月末までの支払いなのに
下痢をするほど
現金がない
ゲームは終わり
減点されて
げんまんしたら
幻惑されて
現実逃避もままならぬ


   火曜日

かっかっ 火曜日
かりかりするよ
かりたおかねをかえさない
かすりきずでもじんじん痛む
かっちり二時に待ち合わせ
かんかんがくがく
かみつきあって
過労死なんかばからしい
かつかつ 火曜日
かつどん食べて
かなしい振りして
帰ろうか


  水曜日

すいすい 水曜
すんなり行って
すっぱい思いも
すっきりしたよ
すこしはこんな
スマイル ほしい
スタッカートで
すすめよすすめ
すっぱり切った
すずかけの幹
スランプ抜けて
すらすらすらり
 

  木曜日

もくもく 木曜
もやいをつなぎ
もくしたままで
もくじをめくる
もりからの風
もれて聞こえる
もう日は暮れたが
もすこしここで
もうふを敷いて
もなみを待とう


  金曜日

きんきら 金曜
きあいを入れて
きったりはったり
きかいをいじる
きれいにしあげて
きどったしぐさ
きかいがあれば
きみとあいたい
きらきらかがやく
きみの瞳
きみのすべては
きんいろの星


   土曜日

どんより土曜日
土星の輪っか 
どこまで広がる
どでかい輪っか
どんなにわくわく
どきどきしても
どうにもとまらぬ
どうどうめぐり




  

by nambara14 | 2009-10-26 00:48 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

未練



  
      未練


その気にさせる言葉を口にしては
舞い上がった男を翻弄した

飛び込んで泣くほど甘えたのに
ほかの男に惹きつけられた

冷たい風の中に取り残されたとき
別れを決意したのに

一通のメールでにぶってしまう心
おいしい唇が男を迷わす

くりかえし くりかえし
笑いと涙がやってくる

本当に本当にもうこれが最後だと
今度こそ思うのだが



by nambara14 | 2009-10-21 21:49 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

氷河


          
     氷河

氷河のある街に行きたい
一面の氷河の上を
ざっくざっくと歩いて
くずれた氷塊を
むんずと持ち上げて
何度も何度も
湖に投げ込みたい
氷はなにかの熱によって
融けだし 流れ出す
川を下り 海に注ぐ
透明な真水が大海に
ゆっくりと広がっていくのを
そこの崖に立って
見てみたい




by nambara14 | 2009-10-20 11:27 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

選別作業



     セレクション


 コンベアに乗って運ばれてくるじゃがいも
 腐ったものを取り去り大きさによって二つに分ける
 小さなじゃがいもはよく洗い皮をむきカットして
 ポテトチップにしあげる
 大きなじゃがいもは袋に詰めて出荷する
 
 スーパーマーケットに並んだじゃがいもは
 あっというまに売れてしまう
 なんにんもの手でじゃがいもは切られつぶされ
 いためられる 肉じゃがが大好物のあるるかん
 ポテトサラダは落ち着いた食卓 フレンチフライを
 奪い合うこどもたち そういえば じゃがいもってじゃがたらいも?

 このじゃがいもを育てた土は洗い流された
 空気は見えない 養分はたっぷりと目の前にあるが
 畑に昇った太陽や 降った雨 降りた霜も
 その実りを収穫した機械も操縦した手も見えない

 ある売り場では生産者の顔写真と名前が付けられていた
 日焼けした笑顔が照れくさそうに見える
 トレーサビリティがじゃがいもを誇らしげに見せるか
 自由気ままなじゃがいものプライヴァシーを妨げるか
 

 
 
   

by nambara14 | 2009-10-19 11:08 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

うぬぼれを濡らす雨



     うぬぼれを濡らす雨


細切れの時間を使って 描きためたスケッチ
街の片隅のカフェに憩う若い女性ばかりを狙って
走るようなタッチで顔やからだの特徴をとらえる
細い首筋のすっぴんから 蓮っ葉の厚化粧まで

さわやかな表情をよそおいながら
生きている細胞群の活発な燃焼の余波を感じて
われ知らず頭をもたげる原始の鎌首におののき
肉付けする作業の中で妄想に振り回される

見つめる視線によって作られた現在形
何千何万とあるポーズにそって線引きされ
デフォルメに明け暮れる未来形

歓喜か悲鳴かを確かめることはできないが
過去形に閉じ込めそこなった輪郭が飛び去る瞬間
ゲリラ豪雨がスケッチブックを水浸し

by nambara14 | 2009-10-16 14:42 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)