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違いがわかる=短歌



        違いがわかる



顧みる わが足跡は ぬかるみに 霧立ち込めて 消えがてに消え 

これが我 鏡に映る 老人の 皺深々と 闇を刻みぬ

きみとおれ 向き合う間合い 量りつつ 寄せて引いても さざめく異性







by nambara14 | 2008-12-29 19:35 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)



 「失われた時を求めて」

 

冬日射す 消える氷柱 時の泡

化石より 出でて凍える 三葉虫

クリオネの 踊る氷海 恋破れ

砕石機 脳天を割る 超音波

つづら折り 闇へと急ぐ 寒気団

猿面を 湖面に映す 間氷期

顔のない 丑へと還る 冬の道

時の渦 つかめば藻屑 寒の底

悪酔いの メールストローム 厳寒期

寒いから 熱い紅茶と マドレーヌ

有無観覧 霊感不発 無無寒冷

丹頂の 飛来線より 落とす雹

捨てきれぬ 襤褸虫干せば 霙降る

おっとりと いずこに消えし 冬の蝶

けれんみの 築地に迷い 年越せず

さみしさの アリア染み入る 大晦日

獅子舞の 三角四角 丸い尻

すりたての 暦めくれば 光飛ぶ

せんせんと 流れ始める 水新た

ソステヌート 冷気ふるわす 森の精


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上記は、 {SNS「なにぬねの?」のコミュから。未完。南原の句のみ抜粋。}

by nambara14 | 2008-12-28 19:05 | 五七五系短詩 | Comments(0)

仕事納め=短歌


     仕事納め


非正規の 世紀のはじめ 精気だけ 失わずにと 乾杯の時


トヨタさえ 赤字となれば わが国の 来る年の風 嵐のごとし


さは言えど 年越しの時期 奮発し ご馳走前に 集えよ友よ


by nambara14 | 2008-12-26 21:53 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

オーロラ=俳句


   
     オーロラ


極北の 磁性を浴びて 凍る息

首狩の 寒い記憶か 砂時計

活断層 寒々として 耕地踏む 


by nambara14 | 2008-12-22 14:14 | 五七五系短詩 | Comments(0)

冬至=短歌



       冬至


この距離は 体感できず かぼちゃ煮て 太陽までの 熱波を発す

暗きまま 過ぎ越し来たる 行方には 光届かぬ 沼沢の底

蹴破りて 襖の向こう 冬の日の 刺し貫きし 痕跡不明












by nambara14 | 2008-12-21 22:30 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

略歴



   南原充士

   なんばら・じゅうし    男

   昭和24年(1949)2月7日  
    
                      茨城県常陸太田市で生まれ
                      日立市で育つ。

   昭和47年東京大学法学部卒。

                     団塊の世代。
                     入学に際して熾烈な大学紛争を経験。
                     価値観の違いについて深く考える契機となる。


  昭和47年以降、行政などの仕事にたずさわりながら、詩作を続ける。


      【 主な詩歴 】

               昭和46年ごろから48年ごろにかけて、詩誌に投稿

               東京詩学の会に出席(1年余り)

               昭和48年 同人誌「太刀」に参加 (吉田義昭ほか)

               その後、「鰐組」(仲山清)、「射撃祭」(高木秋尾)等に参加

               昭和56,7年個人詩誌「アレーテイア」刊行(3号まで)

               昭和63年から平成12年ごろにかけて、 詩作中断
   
               平成16年から、詩誌「SPACE」(大家正志主宰)に参加   

               平成18年ごろからインターネットを活用

               ・ブログ「越落の園」及びブログ「きままな詩歌の森」を開設
                  
                    詩歌、エッセイ、評論を発表

               ・ネット上の詩のグループ「灰皿町」(清水鱗造主宰)に参加 

               ・SNS「灰皿町」(清水鱗造主宰)及びSNS「なにぬねの?」(岡田幸文主宰)に参加
                       なお、 平成27年8月31日「なにぬねの?」終了。

               ・mixiに参加(HN=なんばらじゅうし)

               ・平成21年春から、詩の合評会「09の会」(北見俊一主宰)に参加。

               ・平成21年秋から、詩誌「repure」(ルピュール)(北見俊一主宰) に参加。               
               ・平成22年から、ツイッターをはじめる。 HN= Nambara_Jushi

               ・平成23年から、facebookをはじめる。

・平成28年から、詩誌「詩素」(洪水企画)に参加。

               ・平成28年 ディラン・トマスの詩の翻訳(英文和訳)に着手。

               
               ・最近では、以上のほか、電子書籍による小説の出版にも着手している。


   【既刊詩集】

        「散歩道」(昭和51年刊・私家版・残部なし)
        「レクイエム」(昭和53年刊・私家版・残部なし)
        「エスの海」(昭和58年刊・私家版・残部なし)
        「個体から類へ涙液をにじませるfocusのずらし方・ほか」(平成13年刊・近代文芸社・残部あり)
        「笑顔の法則」(平成17年刊・思潮社・残部あり)
        「花開くGENE」(平成20年刊・洪水企画・残部あり)
         「タイムマシン幻想」(平成22年刊・洪水企画・残部あり)
          「インサイド・アウト」(平成23年刊・洪水企画・残部あり)
         「ゴシップ・フェンス」(平成24年刊・洪水企画・残部あり)  
         「にげかすもきど」(平成25年刊・洪水企画・残部あり)
        「永遠の散歩者 A Permanent Stroller」(平成26年・洪水企画・残部あり)
          「思い出せない日の翌日」(平成27年刊・水仁舎・残部あり)

        *上記の詩集に関心のある方は、お気軽に著者(南原充士)あてにご連絡ください。
         お問い合わせだけでも歓迎です。

   【既刊小説】

        『転生』(BCCKS}(電子書籍)
        『エメラルドの海』(amazon)(電子書籍)
        『恋は影法師』(amazon)(電子書籍)
『メコンの虹』(amazon)(電子書籍)
        『白い幻想』(amazon)(電子書籍)
        『血のカルナヴァル』(amazon)(電子書籍)

   *ダウンロードのほうよろしくお願いいたします。有料となりますが、試し読みもできるので、アクセスしてくださると嬉しいです。

      *今後、数篇の手持ちの小説を順次電子書籍で出版する予定ですので、よろしくお願いいたします。
 

                      平成29年5


                                          南原充士
 

by nambara14 | 2008-12-20 21:31 | 南原充士の略歴 | Comments(0)

誤作動=俳句



     誤作動


雑踏に 紛れる心 年の暮れ

年の瀬の 押し寄せる土砂 よけきれず

心身の 大掃除して 打ち捨てる



by nambara14 | 2008-12-20 17:04 | 五七五系短詩 | Comments(0)

宇宙塵=俳句



        宇宙塵

   凍りつく 心は割れて 宇宙塵

   乱数を 食いちぎらせて 霰降る

    隣人の 庇は長く 冬の影



by nambara14 | 2008-12-16 13:16 | 五七五系短詩 | Comments(0)

紫式部幻想=詩

     

紫式部幻想

  
 
                  -----人にまだ折られぬものを誰かれの
                     すきものぞとは口ならしけむ----- (*1)


あるとき出会い系サイト「王朝文化」にアクセスしているKの目に、
一通のメールが興味深く映った。ハンドルネームが「紫式部」だったのと、
妙に文章が練れていることに好奇心をくすぐられたのだ。
どうして自分のところへメールをよこしたのかよくわからなかったが、
いまや入り乱れた情報ネットワークの網目を伝って知らない者から
メールが迷い込むことなど日常茶飯事だろう。
Kは鼻歌交じりで「あなかしこ、このわたりに若紫やさぶらふ。」(*2)
「家にこもりてひたすらに庭を眺めゐるもあじきなうこそあらめ。」
などと怪しげな擬古文を交えたメールを送った。
「Kの大将殿、などか平安より平成の世に紛れ込みし身のいみじう
寄る辺なう覚ゆ。」紫式部もなんだか怪しげな文体で答えた。
「もはや平安の言葉使いなどえよくすべからざりければ、いとどあさまし。」
「紫殿、気づかはせらるるな。」
「さるほどに、K殿は、いずこにおはしたまふや?」
「東京のはずれにぞ住みはべる。紫殿はいかに?」
「おほほほ。遠きところにこそ」

Kは独身のサラリーマン。広告関係の仕事をしている。
デザイナーとはいうものの、小さな会社のこと、雑用なんでも係りだった。
今年は源氏物語千年紀ということで、いくつかイベントの企画にも関わっていた。
源氏物語のあらすじだけでも知らなければということで、
何種類かの本と絵巻の解説書などを読みかじった。
頭の中がなんとなく平安モードになっていた。
なかなかいいアイデアを思いつけずに眠れぬ夜を過ごしていたとき、
ふと部屋の片隅からあらわれてきたものがある。霞がかかっていて
明確には見えないが、どうやら薄衣に身を包んだ女性の姿のようだ。
かすかに薫物の香りがする。
「夢か?」Kは目をぱちぱちさせ、頭を叩き、首を振って夢かうつつかを確かめようとしたが、麻酔にかかったような眠気が襲ってきて、どうしようもない。
その幻に向かってなにかを言いかけたとき、Kは、深い眠りに落ちていた。
それから目を覚ますまで熟睡したので、記憶にはなにも残っていなかった。

翌日の夜、ぐったりして家に帰ったKがサイトで見たものは、
「昨夜は突然参りはべりければ殿にはあさましと思ひたまへりにけるとぞ見はべる。されども、殿のらうたきかんばせなど垣間見たりけるはあなうれしかりけり。」という紫式部からのメールだった。
Kは記憶の断片を拾い集めるようにしたが、なかなか昨夜のことを思い出せなかった。
「昨夜のこと、既に眠りに落ちたりければ、よう思い出すべからず。
まことに口惜しかりけることかな。また参りたまはばや。」
Kは引き続きデザインの素案をパソコンで描きながら、深夜まで仕事に没頭していた。やがて猛烈な眠気に襲われて突っ伏してしまった。
「K殿、K殿」
呼びかける声は気品に満ちた細い声。目を覚ましたKは驚いて目が回った。
目の前に、源氏物語絵巻で見たような衣装を着けた女性の姿がある。
《紅梅に、萌黄、柳の唐衣、裳の摺目など今めかしければ、・・・》(*3)
その女性は、つと隠していた扇をどけ、Kに笑顔を見せた。
「よく参らせたまひにけり。紫式部にてはべる。」
『おおっ。まさか紫式部が実在するとは思わなかった!』
呆然とたたずむKを、紫は美酒佳肴でもてなした。そして流れのままに
寝殿造りの寝所へと誘われて、天下の才女のからだを抱いてしまった。
朦朧とした視界と音声。聞えるのは琵琶か琴か笛か。しのびやかに
空気を伝わってくるみやびな音楽。極楽浄土か。
だが、後朝ともなればすべては消えうせ、Kはまた自分の部屋のデスクに突っ伏したまま、目覚めた。

翌日、またもや紫からメールが来ていた。
「昨夜は平安の都へようこそ参られたまひにけり。もはや亡霊のごとき折節に
つれづれ退屈致しはべりしを、などかは夢をも捨てべかりける。夢ぞうつつになりにける。あなうれしかりけり。」
Kは、やはりあれが平安の都の一角だったと合点し、余韻に浸った。
まだデザインの仕事は完成していなかったが、昨夜の見聞が絶妙なアイデアを
思いつかせていた。これで、ほぼ先の見通しがついた。
「まことにかたじけないおもてなしにこそありけれ。また紫どのの
いみじうやんごとなきさまにおどろきにけり。あまりのよろこびにて
失礼の段ありければ申し訳なきことに存じはべる。」
Kは、今夜はゆっくりとシャワーも浴びすっきりした思いでベッドに横になった。熟睡したと思った。
だが、からだが妙に軽くなった。気がつくと、見たこともない景色の中。
SF映画でしか見たことのないような未来都市のビル群と道路網の中。
Kはいつのまにか紫ととなりあって完全自動操縦の車に乗っていた。
「おやおや、紫殿。また会えたね。」
「ほほほ、会えましたね。うれしいわ。」
車の中にはテレビがある。ニュースだろうか、アナウンサーらしき者がなにやら話している。
《 キョノ デキゴト 。イチ ワクセイX ワクセイZニ ミサイル
ハッシャ。 ヨンブンノイチ ハカイ。ジュウマンニン シボウ。コク
サイレンゴウグン ハケン。チカク カイケツ ミコミ。・・・》
「変な日本語だなあ!ここはどこだろう?」
「ここにある新聞を見ると、平凡三十五年ってあるわ。西暦三〇〇八年なのね!」
「へえっ、じゃあ、紫さんは二千年後に来たってわけだ。おれは千年後へ。」
「すてきね。どこか眺めのいいところへ行ってみましょうよ。」
「わかった。あそこに高層ビルがあるよね。あそこの上にレストランが
ありそうだ。行ってみよう。」
無人操縦の車はかんたんな操作ですいすいと目指す場所へ連れて行ってくれる。
百階建てのビルの最上階。最高級フレンチ。
「乾杯!」
Kと紫はワイングラスをあわせて、見詰め合った。年齢不詳の紫。
「ああ楽しいわ。わたしはずっと平安の御殿に閉じ込められていたの。
こうして自由になれてほんとうにうれしいわ。ありがとうKさん。」
「おれこそ光栄だよ。紫さんは、超有名だからね。今は日本だけじゃなく
世界中でね。」
Kは、ホテルのパソコンで「紫式部」を検索し、とりわけ華麗なポータルサイトを見つけて、紫にさし示した。
『源氏物語二千年紀特集=紫式部の素顔』
紫はちらっと一瞥をくれただけだったが―――。
「あ、そうそう、これプレゼントだよ。」
Kは、用意してあったアメシストの指輪を紫の薬指にはめた。
やがてふたりはありふれた恋人同士のように三〇〇八年のデートコースを
たどり、最高級ホテルの一室にたどり着いた。
それからふたりは永遠にも思えるほど長い間抱擁しあった。
Kの頭の中では、藤壺とか空蝉とか紫の上とか女三宮とか浮舟とかの女性の名前が浮かんでは消えた。
一瞬、Kはホテルの部屋の窓から夜景を眺めた。振り返りながら、「紫さん」
と呼びかけたが返事がない。いつのまにか紫の姿は見えなくなっていた。
いくらさがしても紫の行方は知れなかった。
Kは狐につままれたような思いを感じながらひとりでベッドに横になった。
動揺した心もくたびれれば眠りに落ちる。
そして翌朝、おそらくKは、平成二十年の日本、自分の部屋の中で
目覚めるだろう。紫と会うことは二度とないと感じながら・・・。


         *1 紫式部日記 四〇 梅と水雞 より

         *2 同上    二三 御五十日の祝い より

         *3 同上    四四 二の宮の御五十日の祝い より


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  上記の作品は、詩誌「SPACE 82号」に発表したものです。

 源氏物語千年紀を記念して書いてみた作品です。「紫式部日記」からの引用もあります。この日記では当時の宮中のようすが仔細に描かれており、紫式部と藤原道長とのやりとりなどもおもしろく紹介されていて、一読の価値はあると思います。そしてもちろん、「源氏物語」の味わいは格別のものがありますね。

by nambara14 | 2008-12-14 21:08 | 新作詩歌(平成20年発表) | Comments(0)

氷島=俳句

 
    (氷島)


氷島に 休める翼 透き通る

凍土へと 雫を垂らす 濁り酒

突き抜けて 宇宙より見る 冬の惑星(ほし)


 
by nambara14 | 2008-12-12 13:32 | 五七五系短詩 | Comments(0)