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詩集「四季」



 詩集「四季」(昭和57年、個人誌「アレーテイア」第2号に掲載したもの)から抜粋
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   夏

     プールサイド

プールの水がゆれると
少女の顔を照らす光もゆれる
みんなが見ている
その水着は少し大胆すぎはしないか
太陽が真上にあるから
少女がうつむくと顔が翳になる
さっきからビデオカメラがじーっと少女を狙っている
早足で走ると
カメラは少女を見失い 一瞬夏の空が映る








by nambara14 | 2007-06-30 11:50 | 詩集「四季」 | Comments(0)

俳句(梅雨時)


無から出て 無に帰すおれも ああ暑い!

鬱を打つ 梅雨空けぶる 蒙啓く

どじなおれ おまえのつらさ 梅雨知らず

グルナッシュ 田舎くささも 戻り梅雨

一人去り 一人来たりて 梅雨前線

by nambara14 | 2007-06-29 14:09 | 五七五系短詩 | Comments(0)

自嘲歌


ぬけめけら
へめけめふぬら
うわっちょがう
おいおいくらら
ずるちょちょけ


by nambara14 | 2007-06-28 23:47 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

21世紀のわくわく星


未刊詩集「21世紀のわくわく星」(20代から30代にかけて書いた詩篇をまとめたもの。)から抜粋。
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    21世紀のわくわく星
 

世の中のこともっと勉強したい
ふくらみはじめた夢の蕾
はじらいがくるくると回転する
浮き浮きとした眼の高さから
ひろがってゆく くつろぎ
(何をひとりでにやにやしている!)
ほんとうによい日になればいい
美人コンテストが開かれている学園祭
輝きはじめたばかりのまぶしさ 甲高い声
ふと棒立ちになったスーツ姿の紳士風
(お金が欲しいなあ
車を買いたいから
ひまなとき何してるの
ひまなときなんてないわ)
とてもかなわない気ままなギャルたちの
若やいだえりあしに気をとられ
つまずきそうな見えない時の階段
リズムは複雑 テンポは走る
着物を脱ぎ捨てても(空ろな)気持ちは脱げない
身づくろいしてあっけなく消え失せる
充填せよ 血液によってふくらましたハート形
装填せよ 激情によって狙いすましたレボルバー
刺激された神経に沿って旅する甘酸っぱさや
想像力のねじれによって 徐々に
軌道を変えてゆくわくわく星
どれだけ狂騒できるか ねえ
ミスだらけのミスター・グリーン




by nambara14 | 2007-06-28 23:37 | 未刊詩集「21世紀のわくわく星」 | Comments(0)

しずかな夜



未刊詩集「しずかな夜」(ぼくが30代前半に書いた詩篇をまとめたもの)から抜粋

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    しずかな夜


わたしは聴いた。数十億年後の宇宙のこと
太陽が滅び地球が冷え切った日々のことを

わたしは聴いた。この翅の有る昆虫のこと
数千万年前の地球上をそれらの祖先が飛び回ったことを           

わたしは聴いた。病巣がいのちを蝕むこと
数十年のいのちが今息絶えようとしていることを

わたしは聴いた。目や耳や手が届かないところのことを
晴れわたった空や小鳥のさえずりのこと

わたしは聴いた。囁き合い抱き合う多くの人びとを
互いにそねみ合い憎しみ合う者たちを

わたしは聴いた。物質を運ぶ音を
武器や弾薬 食糧や衣服 薬や包帯

わたしは聴いた。たった今発射されたミサイル
予め計算された弾道 確実に飛び続ける時間を

わたしは聴いた。ほとんど聴きとれない鼓動
しずまりかえった夜 耳を寄せて間近に等身大の寝息を

いつまで続くともしれぬ静けさをいとおしみ
そのためにかえって騒がしくなるわたしの内部を―――

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(注):上の詩は、個人誌「アレーテイア」創刊号(昭和56年(1981)刊)に発表したものを少し手直ししてあります。

by nambara14 | 2007-06-26 22:11 | 未刊詩集「しずかな夜」 | Comments(0)


未刊詩集「なぜかぼくはやさしくなる」(20代の作品14篇を集めたもの)から、抜粋。

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    なぜかぼくはやさしくなる


やさしくして とことんまでやさしくして
じいんと胸が熱くなって
ふいに びしょびしょに 心がぬれて
いつのまにか湖は 青く
晴れやかで
木立にも嬉しくなる心で
古い人たちの書き残したことなど
いつもは 本箱に投げすててあるのに
そんな詩集なんか引っぱりだしてくると
いちいちに心をやさしくし やさしい心を
たしかめながら
死んでしまった人らの 無邪気なお喋りを
ふしぎに若い老人のようなしつこさを
ゆり椅子でゆらしてやったり
からかってやったりしながらーーー

おお
この数年間の毎日毎日
どこか ラッシュの電車のなかでのように
にくらしい、と睨んだりした
人たち全部に とつぜん まとめて
なぜか ぼくはやさしくなる

by nambara14 | 2007-06-25 19:33 | 未刊詩集「なぜかぼくは・・・」 | Comments(0)

はつ恋



未刊詩集「はつ恋」(20代に書いた短い詩を13篇収めた小詩集)よりの抜粋です。

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   はつ恋


彼女は ことさら
彼の肩にもたれて

“どこかへ つれてって
どこでもいいから いっぱい
つれてって “

彼は 彼女の肩を抱き
手をとって すこし考える
やがて ひとつのひらめきが
ふたりの顔を 明るくする

“さあ 行こう”

そのとき
見知らぬ 河原に
はえだした つくしんぼ
少しも ゆれない
川に捨てられた赤ん坊が
泣いて流れてゆく

はじめて
それは いながらにして
まるで 夢のように
彼女は
はじめてのことに 顔を赤くする


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by nambara14 | 2007-06-23 22:27 | 未刊詩集「はつ恋」 | Comments(0)

既刊詩集のご案内



 わたしの既刊詩集の中から、いくつかの詩篇を抜粋して掲載しています。個々の作品は、それぞれのカテゴリーごとに掲載してありますので、そちらをご覧ください。
20代はじめから、60代半ばの現在までの、詩風の変遷をたどっていただけたら幸いです。

 詩集「散歩道」(昭和51年刊)(私家版)
 詩集「レクイエム」(昭和53年刊)(私家版)
 詩集「エスの海」(昭和58年刊)(私家版)
 詩集「個体から類へ涙液をにじませるfocusのずらし方・ほか」(平成13年刊)(近代文芸社)
 詩集「笑顔の法則」(平成17年刊)(思潮社)
 詩集「花開くGENE」(平成20年刊)(洪水企画)
詩集「タイムマシン幻想」(平成22年刊)(洪水企画)
詩集「インサイド・アウト」(平成23年刊)(洪水企画)
詩集「ゴシップ・フェンス」(平成24年刊)(洪水企画)
 詩集「にげかすもきど」(平成25年刊)(洪水企画)
 英和対照詩集「永遠の散歩者 A Permanent Stroller」(平成26年刊)(洪水企画)
詩集「思い出せない日の翌日」(水仁舎)

  このほか、昭和56年から57年にかけて発行した個人誌「アレーテイア」(3号まで発行)に掲載した、

 詩集「四季」(昭和57年刊)
 詩集「ラブ・シンドローム」(昭和57年刊)

 があります。

 また、未刊詩集として、20代から30代にかけて書いた作品をまとめた、

 小詩集「はつ恋」
 小詩集「なぜかぼくはやさしくなる」
 小詩集「駅の階段」
 小詩集「しずかな夜」
 小詩集「21世紀のわくわく星」

 などがあります。

 そして50代以降に書いた作品をまとめた、未刊詩集としては、

 詩集「アシメトリー」
 詩集「忘却の川」
 詩集「プラセボ組曲」
 詩集「さびしがりやのロリポップ」
 詩集「レジリエンス」
 があります。

「プラセボ組曲」は、暗喩がテーマ。

 「アシメトリー」「忘却の川」「さびしがりやのロリポップ」は、抒情詩。

 「レジリエンス」は、さまざまな手法の試み。

 このほか
 
 次の詩集編集に向けて、「滅相」、「歌声」、「今」、「伝言=子供詩集」ほかにもとりかかっています。

 出したい詩集がありすぎてうれしい悲鳴といったところです。


                                  平成27年3月

                                         南原充士




by nambara14 | 2007-06-23 15:36 | 既刊詩集のご案内 | Comments(0)


平成19年(2007年)に書いた詩をお届けします!ご笑覧ください!

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   わたしはわたしに向かってなにかを言った


わたしはわたしに向かってなにかを言った
思いつくことならなんでもよかった
ひとりぼっちのわたしをだれも慰めることはできなかった
あまりに長くわたしは泣き続けていた

ひとりで夜晩くまで起きていたことにわたしは気づいた
わたしは眠れなかった なにも考えてはいなかったのに
なにか熱っぽいものが暗い灯りの中のわたしを悩ませた
わたしはなににも集中できなかった

わたしは低い音でクラシック音楽を聴いた
それはわたしを楽にさせ癒してくれた
それからわたしはベッドに行き すこし香水をつけて横になった

次の朝早く わたしは目が覚めた
雨がやわらかに降っていた それはわたしにはラッキーだと思えた
それまでには 昨晩なにをわたしがわたしに言ったのかを忘れていた

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上の詩は、はじめは英語で書きました。それを自分で訳してみたのが上の詩です。
英語の詩もあわせてご覧くださいね!

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I said something to myself

I said something to myself
Anything would do that came along
Nobody could console me, by myself
I had been crying too long

I noticed that I sat up alone late at night
I couldn’t sleep ,though I thought of nothing
A sort of fever annoyed me in the dim light
I couldn’t concentrate on anything

I listened to a classical music in low sound volume
It made me feel easy and relieved
Then I went to bed and lay on it with a little perfume

I woke up early in the next morning
It was raining softly, as was lucky for me, I believed
Until then I forgot what I said to myself in the previous evening




by nambara14 | 2007-06-22 16:55 | 新作詩歌(平成19年発表) | Comments(0)

六月のある日


六月のある日 ひとびとは不思議に思う
空梅雨 青い空 ちょっぴりアルカイック・・・
ぼくは家でゆっくり満ち足りてくつろぐ
音楽を聴きながら一杯のコーヒーを飲む

ぼくはちょっとの間 歌手の妖精を連れて外出する
ポットの中の小さな花々を熱心に眺める
色々な花びらにそっと触れてみる
湿っている花びらも乾いている花びらもある

それから 家に戻ってみると
息子が家にいる
彼は 都心部にひとりで暮らしている

ぼくたちは ワインを、まあ、いいワインを飲む
まるでお互いを覗き込むかのように
ただにっこりすればいい!そして少しの言葉があれば十分だ




by nambara14 | 2007-06-18 18:57 | 新作詩歌(平成19年発表) | Comments(0)