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宇宙の果て



137億年前の過去を
137億光年のかなたに見る

46億年前の過去を
足元に見る

この惑星はといえば、46億年をかけた
無機物から有機物への発生と進化のドラマだ

飛行機ほどの速さで
でこぼこのふにゃふにゃ天体が回転し

見えない内部が燃え上がりの片鱗を
地表に噴出すのにあわてふためく

この化石は3億年前のものです
このミイラは3千年前のものです

石油はもともとは生物の死骸です
石炭はもともとは植物の死骸です

人類はたかだか何万年の歴史しかもちません
しかも最近100年ぐらいが異常に早く変化しています

でも、ひとは、100年では変化についていけません

ひとは、何万年も、ほぼ同じように生きてきたのです
ほら、たったひとりの半身を求め続けているのです



遺伝子のことがわかってきたり
脳の働きが明らかになってきた

からだにいいことが喧伝され
パソコンとケイタイが必需品になった

高層ビルで働き マンションに住む
鉄道網が張り巡らされ 車も道路にあふれている

情報の氾濫に溺れないように
みな聞き流す癖がついている

どんなにカラフルな服に身を包んで
完璧な化粧をして彼女が現れても

恋人たちがすることには大きな違いはない
ちょっとの幻想のスパイスと過剰な思い違い

まぐろのような人体に欲情するためには
人類の長年積み上げてきた想像力が必要だ

錯覚でもおたがいを確認しあえる相手が見つかれば
幸福はきみを嫌ってはいない




膨張を続けていることなど日常生活には関係ない
えらくだだっぴろくて暗くて寒い宇宙空間

その片隅に一瞬の閃光がきらめく
いま65億もの輝きが地球をとりまいている

いやおうなく袖を振り合わざるをえない同時代人
隣近所 職場や学校で 街中で 見かける同士

そこにほとんど救いはないのか
にこやかに話し合える友人はいないのか

そっと手をつなげるひとはいないのか
微妙な距離のまま立ち止まるか

ブラックリストに入れあって
遠ざけあうしかないのか

はたして 自分がいまここにいるのが
宇宙の果てだというのか












by nambara14 | 2007-02-09 12:19 | 新作詩歌(平成19年発表) | Comments(0)