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カテゴリ:新作詩歌(平成27年)( 50 )

と詩こ詩


とうとう 今年も 終わりだね
とにかく いろいろ ありました
とんでもないこと あったけど
どうにか こうにか 生きてきた

しかくさんかくまるかいてちょん

こつこつ 続けてきたことを
これからもまた やりますよ
こがらしの吹く 大晦日
こんやは 鐘を叩きます

しりうす ぷろきおん びーとるじゅーす


by nambara14 | 2015-12-31 17:42 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)


鬼はね 金棒で 叩いたんだよ
おんなのひとの 頭を思い切り 叩いたんだよ
なんにも 悪い事なんて してなかったのに
頭が割れて 血だらけになって 倒れたんだよ

若者はね ピストルで 撃ったんだよ
鬼の心臓を 一発で 打ち抜いたんだよ
いろいろ 悪いことを したんだから
あんなふうに 殺されても 仕方なかったんだよ

犬はね 吠えると 殺されちゃうから
離れて じっと 見ていたんだって
若者が 犬を手招きしたけど
汚れた手を持った者には 近づかなかったってね

子供たちはね 隠れ家から出て
どんなことがあったのか 聞かされたんだって
でも 鬼なんて見たことも なかったし
いつも遊んでくれた おじさんが いなくなったのが
気になって しょうがなかったんだって


by nambara14 | 2015-12-22 13:54 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)

叙述


これはなんでもありません
なにもないというのでもありません
なにほどの価値がないというわけでもなく
なにかを隠ぺいしようとするわけでもありません
ただそのような言葉をつぶやいてみたかったのです
というか なにかをつぶやいてみたくなっただけです
なにか具体的な物 たとえばコップでは強すぎますし
なにか抽象的な物 たとえば幻では弱すぎますから
あいまいながら実体が有る物を提示したいような気がして
自分の脳内をサーチしてみましたがなにも見つかりませんでした
叙述される物がはっきり認識されていないときに
叙述する言葉は見つかるでしょうか?
説明を放棄してなにか言うとすれば
とっさにそんな言葉が口をついたとしても不思議はないと思いませんか?


by nambara14 | 2015-12-15 14:56 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)

レポーター


クリスマスシーズンのアメリカの都市の様子を映した映像
イルミネーションに輝く街のスポットをめぐりながら流暢な言葉が流れる
若い女性レポーターの顔がときどきアップになるのに見とれながら
プレゼントを選んだり食料を買い込んだりするひとびとの表情をながめる
もし自分が同じ景色を見たとしたらほとんど言葉を発することはできないだろう
タイミングを外して口ごもっては映像に遅れたり場違いな説明をしてしまうだろう
思えば長いこと言葉を求めてさまざまな場面を歩いてきたものだが
瞬発力のないのろのろ歩行者として無口な生き方をしてきてしまった
いくら心の中で少ない言葉が響いたとしても口に出さなければ伝わらないからと
意識的につぶやきつづけてきた言葉は干し草の山のようにうず高く積もっている
ディスプレーを眺めては飽きもせず書き付けては直しまた読み直しては書き直す
ひっそりと捨て置かれてやがては風とともに散り失せてしまうかもしれないけれども
小さくてなまりのあるかすれ声では表現しきれなかった心のうちを
その陰影を丁寧に描き出すことができたと思える言葉を書き残したいと思ってきた
自主制作のレポート映像を流してみることがあったとしても
照れくさくてとても自分で見ることなどできないだろうけれども


by nambara14 | 2015-12-13 11:40 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)

てどめ


  てどめ

くわらんじい
じゃっけんじい
さっけんじい
あじゃんすか
まじすとりい
からんすか
はなとらぴい
かなすべる
おいすとりい
ともろすか
もろみんじゃが
わいみんすて
ほんまつとう
かわもんすて


by nambara14 | 2015-12-12 22:55 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)

雨のち晴れのち・・・


雨が降っていたね ええ
雨がやんだね ええ
晴れて来たね ええ
うそみたいだね ええ

風が出て来たね ええ 
嵐みたいだね ええ
ひとやすみしようか ええ
風がおさまるまで ええ

今夜は星がきれいだね ええ
あしたは晴れるだろうね ええ
気温もあがってきたよね ええ
そろそろ寝ようか ええ

いつのまにいなくなったのだろう
めざめたらおはようのあいさつをし
窓を開け放して空気を入れ替え
朝食の準備にとりかかっていた

土砂降りだねえ 局地的な
天気予報は当たらなかったねえ 今日は
これからどうなるかわからないけど
急ぎでない外出は控えたほうがいいよね



by nambara14 | 2015-12-11 14:35 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)

沈潜


あまりにもむごい場面を見すぎた
あまりにもくさい臭いを嗅ぎすぎた
あまりにも騒々しい音を聞きすぎた
あまりにも冷たい風に吹かれすぎた
あまりにも苦い汁を飲みすぎた

どこかに深く潜んでいることができるなら

しばらくは座って瞑想にふけっていよう
しばらくは清浄な空気を呼吸していよう
しばらくは静謐を守っていよう
しばらくは暖気にくるまれていよう
しばらくは糖蜜をあじわっていよう

どこかに深く沈んでいることができるなら


by nambara14 | 2015-12-08 13:37 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)

無理難題



えいや そんなの むりだよ えいや

なんだい そんなの むりなら いいや

あいや むらむだ むりなく あいや

なんだい ひっこめ もんだい ないや



by nambara14 | 2015-12-07 15:49 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)

あこがれ


     あこがれ


日々海へと注ぐ河口付近を歩くおれのふらつく足元と視線を
かろうじて導いてくれるあのゆったりとした海鳥の翼の動き
こうして毎日同じ場所を歩くことで重なり合う景色が脳内に満ち溢れ
自分という意識が消え失せることさえ不思議はないと思えるようになる
「いつだってヤドカリなんだおれは」と幼い頃から感じていた
精神と肉体のかたちのずれが奇妙なめまいを引き起こしても
治療法はなく踏みとどまるには不愉快な感覚を飼いならすしかないと
さまざまな耳学問がささやき巧みな説得術に納得させられてしまえば
日々うすれゆく視界を見定めようとしてあてどなく歩き続けるおれは
つきまとう記憶の影たちから逃げ延びることができれば御の字だ
いつも耳の奥に響く音楽の指で心をマッサージされながら
目の前にあるスカイラインをなんどもなぞってみると消失点が見えなくなる
もうろうとした筆致の描き出すキャンヴァスを上へとたどれば
終わりのない旅情に誘われて魂のようなかたまりがふわふわと浮かんでいく
おれの体を抜け出してかもめのようにゆったりと羽ばたいていけ
なにか惹かれるものがあればきっぱりとここから立ち去っていくがいい
雲のように不確かな実体であろうと志す方向があれば迷わず目指すがいい
たとえこの岸辺に黒々とした抜け殻が無造作に打ち捨てられるとしても


by nambara14 | 2015-11-23 00:46 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)

祈り


     祈 り   

目の前に立ちはだかる大きな壁
倒れよと祈って目をつぶる
十数えて目を開けるが壁はゆるぎない

空き地にでんと居座る巨大な岩
砕けよと祈って目をつぶる
十数えて目を開けるがびくともしない

果てしなく続く地雷の埋められた土地
不発弾現れよと祈って目をつぶる
十数えて目を開けるがなにも変わらない

目に見えない有害物質
無害化せよと祈って目をつぶる
十数えて目を開けるがなにも見えない

冬の桜並木
花咲けよと祈って目をつぶる
十数えて目を開けるが裸のままだ

洪水に襲われた田や畑
実れよと祈って目をつぶる
十数えて目を開けるが荒れ地が広がるだけだ

黙って立ち尽くす人々
微笑めよと祈って目をつぶる
十数えて目を開けるが表情は崩れない

岩から生まれた猿
わけもなく祈って目をつぶる
新たな宇宙がひょっこり誕生する


by nambara14 | 2015-11-19 14:31 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)