カテゴリ:五七五系短詩( 515 )

秋深し


    秋深し


泣きじゃくる 鬼の子もいる 芒の野

幾重にも 濾しとる敵意 新酒酌む

愛すれば 切なさ募る 秋の暮れ

刈り入れの 後のぼっちの 滑り落つ

俯瞰する 地球は季節 取り交ぜて

雨季乾季 四季の彩る 五大陸

秋の裏 朽ちた表札 掛け替える

秋深し わたしはなにを するひとぞ

なぜかしら 秋に誘われ 徘徊す

銀杏を 踏んでしまった 土踏まず

だれひとり 気づかぬうちに 実は熟し

ひとり行く 笑みを忍ばせ 柿を取る

瞑想と 妄想交互に 芒の原

秋晴れは 語彙の如くに 広がりぬ

憂愁を 振り払っては 葡萄摘む

満月の 光くすしく 魂奪う

倒れても 秋の夕日に 起こされる

うっすらと 菊の香りの 女形

旅行けば 弁当をやる 栗おこわ





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by nambara14 | 2018-11-10 11:51 | 五七五系短詩 | Comments(0)

十月へ(575系短詩)


十月へ(575系短詩)



垣根とは 譲れない線 金木犀

苦渋にも 恬然として 柿熟す 

噛みしめる 甘酸っぱさは 青林檎

新米の 見て嗅ぎ含み 粒が立つ

凡月を 道連れにして 一人行く

秋風に 語りかければ 友一人

甘い夢 たわわに実る 葡萄園

変幻を 映す秋空 スクリーン

心象を 投げるAI 疑似の秋

無理解は 孤影の意匠 秋日射す

いまなんじ よふかししちゃった あきもせず

さあねよう くいばかりだけど あきらめて

いっしゅんの あきはまじゅつし ゆめのなか

鴉鳴き 秋の夕暮れ 深まりぬ

憂いあり 月も夜空に 顔隠し

日一日 秋色募る 街を行く

秋雨に 濡れる尻尾を 巻いて去る

夏過ぎて 秋冬過ぎて 春過ぎる

夏過ぎて まだ冬来ない 今は秋

夏が来て 秋来て冬来て 春が来る

風に揺れる 芒の原を 彷徨えり

涼しさも 波状になりて 忍び寄る

気が付けば こんな時間か 秋の夜

賢くも 美しくもあれ 収穫期

秋晴れの 山のこだまに 呼びかける

作柄は できぬ采配 神の技

生まれるは 平成終わる 秋のこと

めめしさを 募らせまいぞ 秋の暮れ

薄着して 歩き出したら 秋の風

ああいいな きみのかおりが かぜにのる

轟轟の 一夜明ければ 光来る

倒れしを 起こして思う 暴風雨

眠りにも 風速60メートル 吹き荒れる

内外の 乱れしさまを 嘆くのみ

片付ける 気になれ自分 十月へ

ついに来た 叩きつける 音激し

警報が 鳴って思わず 立ち上がる

避難指示 発令ありとて うろたえる

日は暮れて 暴風雨には 往生す

悪夢さえ 吉兆に変え 月満ちる

長い夜は 夢のトンネル 抜けきれず

血を揺らし 涙を飛ばす 巨台風

おれ自身 台風風速 100メーター

台風の アプリいくつも ダウンロード

台風の 進路予測を 見続ける 

刻々と 台風情報 更新す

サンマ三尾 のかたわらの 刺身買う

尖り来る 鎖骨を覆う 合い上着

遡る 魚眼に映る 紅葉谷

川面には タッチアンドゴー 赤とんぼ

Tシャツで 乗り込むひとの 腕っぷし

台風の 近づく明日に 行事あり

秋が問う 好きな季節は 何ですか

そうだった 今更に知る 去年の秋

切り替えて 冷房暖房 乱気流

割り切れぬ 秋の愁訴も 匙加減

切り分けた ケーキの中に 栗一個

切れ目ない 季節の中に 立ちつくす

わからない 宇宙のなかに 秋がある

とりあえず 晴れの予報に 変わったね

前線が 押し合う中を 徘徊す

雨降って 晴れて曇って 風が吹く

曇りから 小雨秋雨 濡れ前線

冷涼の 気持ちに着せる 合い上着

なにかしら 夢を見ている 秋の午後

ひかえめの 端っこめくる 秋の風

なにもかも 忘れてしまう 秋の暮れ

いつまでも 続く残暑に 切れ目入れ

桃一切れ 梨二切れと 進みけり

何色に 染まるか秋は 走りゆく

龍神の 踊りのごとき タイフーン

花の季語 疎いまんまで 花を食う

枯れかかる おのれのために サンマ焼く

春の夢 一寸の光陰 秋の声

コスモスの 揺れてカメラを 惑わせる

自らを なんと思うか 月明かり


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by nambara14 | 2018-10-07 00:29 | 五七五系短詩 | Comments(0)

九月へ(575系短詩)


   九月へ(575系短詩)


九月だと 思えば九月 虫に聞く

九月では 季節外れか 蝉の声

九月とは 移行の季節 気もそぞろ

八月に 思い出せない 初日の出

二対一 今年も残り 少ないと

九月へと 生き延びていく 一個人

カレンダー めくった 夏は いつ終わる?

八月は 終わった 九月は 秋の始まりか?

台風は 季語を またいで 吹き荒れる?

地球儀を 回す小さき アルタイル

夏の夜の プラネタリウム 流れ星 

宇宙儀と いうもの作る 夏休み

寝室の ルームエアコン 故障中

汗吹いて 首筋冷やす 爬虫類

逃げ行けど 逃げ切れはせぬ 天地人

眠られぬ 夜の氷柱 解かす夢

かなかなも 静まる 声の 終わりかな?



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by nambara14 | 2018-09-01 18:33 | 五七五系短詩 | Comments(0)

GW


きまじめを ぺろりと脱いで 吹き流し

なにかしら 法則性の 衣替え

正常を 異常の初夏に 見透かして

かたくなに 若葉求めて わけいる日

しんしんと 降るものもあり 目に青葉

季語を捨て 無手勝で行く 徘徊子

むんむんの 若葉を避けて 帰る道

花咲けば 散り際に立つ 影法師

変わりゆく 宇宙の一部 クローバー

散策の 次元をまたぐ 夢想癖

煩悩を わしづかみして 種をまく

陋習を 掘り起こしては 植え替える

思えるは そよ風の行く わが故郷

空き家とは なれどもゆかし 遠い空

弔いの 道をたどって 過ぎる時

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by nambara14 | 2018-04-27 20:37 | 五七五系短詩 | Comments(0)


傷つけて 血潮吹き出す 春一番

傷口に 塩をすり込む 春の海

傷口を 指で広げて 春爛漫


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by nambara14 | 2018-03-02 20:18 | 五七五系短詩 | Comments(0)

はずれ


はかなさの ずっと続いて れすとれす

はんぶんも ずわい残した れすとらん 

はつはるの ずがいを過ぎる れんとげん

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by nambara14 | 2018-03-01 15:52 | 五七五系短詩 | Comments(0)

降雪予報


スパコンに 声を与えて 雪が降る
ロボットに AI仕込んで みぞれ降る
当たっても 当たらなくても 予報見る

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by nambara14 | 2018-02-02 11:34 | 五七五系短詩 | Comments(0)

575系短詩(平成29年)


575系短詩(H29年)


  南原充士


 
桜舞う ベンチはだれを 思い出す
汚れ拭き すわっていいと だれに言う
だれのため 光と影が 生まれしか
桜散る 雨足長し 底深し
やややんや 悠揚として よか男
肉魚 野菜味噌汁 夕御飯
雨風の 揺さぶる花の 路地を行く
瞳孔の 開いたままに さまよえる
涙など 見せるものかと 走り出す
鼻水の とまらぬと言う 花冷えて
ただ聞いて うなずくだけで 去りにけり
ここにしか いられぬならば 安らげよ
坂上まで 雪に埋もれて 開講日
海光の きらめく刺繍 見える部屋
どこまでも 邂逅あれば 歩みゆく
凍り付く われは半裸の 原始人
All over frozen,
I am a semi-naked
Primitive man.
解凍機 くぐれどなおも 氷点下
Going through
A defrosting machine,
It is still frozen.
安らかな 眠りに就けよ 氷河人
Good night,
Get a sound sleep,
Glacier man!
メビウスを 水族館の 順路とし
悠々と ガラスを抜ける 鱶の鰭
人魚にも 泳がせてやれ 螺旋漕
散る花の はらはらとして 悲しまず
咲き継いで 散ってみせれば 腑に落ちて
端境期 ただ待つのみの 花盛り
微細から 巨大に至る 真ん中へん
虚構だと 気づいていても 静心
年ばかり 気になる老いの 四捨五入 
気の抜けた ビールあおれば 足萎える 
よろめいて つまずいておれ 脛痛い
てやんでえ 口も回らぬ 空元気
暑すぎず 寒すぎずして つつじ咲く
この道を 歩いていれば 初夏になる
かこつこと ばかりだったな 目に青葉
生きてれば よくもわるくも 変化する
生きている 一寸先は 闇だけど
生きるとは 新たな時に 出会うこと
ハ長調 今朝の窓辺に 光射す
ニ短調 今宵酔いどれ 裏通り
弾き手無し 調律済みの 古ピアノ
龍神と 雷神のいる 天気予報
Both the Dragon God and the Thunderstorm God
Appear in the weather forecast.
小説と 詩を商える 仮想店
This is a virtual bookstore
Which sells poem books and novels.
押し売りの 度胸もなくて 夕涼み
I can't be a peddler,
Just cool off in the evening.
綿飴と ラムネの前で 立ち止まる
I stop
In front of cotton candy
And soda pop.
孫を抱く じーじじーじと アブラアセ
I hold my grandson in my arms, who calls me,"Jiji, jiji."
I sweat a lot remembering large brown cicadas.
自暴自棄 昔話で 茶を濁し
Mother, suffering from senile deterioration,
Tries to cheer herself up
By remembering her old days' memories.
炎天下 多臓器不全の ごとくある
It's very hot,
I feel like
I suffer from multiple organ failure.
気合など 入れないままに 土用丑
Not showing much spirit on the day of the ox,
Which is named after one of the twelve animals
Of the Chinese zodiac.
われ重く あなたは軽い シーソーよ
I am heavy and you are light,
We are on each end of a seesaw.

    「夏休み 」

夏休み ありやなしやの 地球人
慰めも 安らぎも盛る うなぎ丼
追いかけて 陽炎となる 人の果て
新築の 病棟なれば くつろげる
笑うにも 腹筋痛し 玉の汗
空模様 人の心は 上の空
今日もまた 禁断の実を 盗み食う
原人の 思いに重ぬ 恋初め
炎熱を 吹きやる風を 望むべく
われもまた 奇人変人 ゴマの生え
空高く ふわり並ぶは 熱気球
傘さして 荷物の方へ 傾きぬ
前線の 上がり下がりに 縮約す
脱ぎ捨てた おのれの殻を 踏み砕く
仮初も 脱ぎ捨ててみる いじらしさ
隣人の 顔も知らずに 別れけり
意味もなく 喋れば狂人 避けるべし
座りたい 態度見よがし 優先席
毎朝 すれ違うひとに 敵意を持たず

   『八月の光と闇』

八月の 光濃ければ 影深し
The light in August is very strong and the shadow is very dark.
八月の 闇深ければ 罪重し
The darkness in August is profound and the sin is grave.
八月の 地軸傾き 滑る足
The axis in August leans and the feet slip.
事故あれば 迂回経路の 群れに付く
アイス棒 解けだす真昼 熱の授受
妙薬に 縦皺の顰 開け行く
夢うつつ いつのまにやら 夏はずれ
小雨降る 夜の樹木に 蝉騒ぐ
眠れる子 膝に抱える 父と母
木になる実 気になる人と 冷やしてる
じりりっと わが足元に 蝉の腹
アイスティー アイスキャンディー スキャンダル
上り下り 黙考いざり 飛ぶ意識
昨日から 今日を飛ばして 明日になれ
あの時に 言うべきだった 揺らめくも
少なくも 欺瞞の自己は 晒さない
人知れず 怒るとしても 気取られず
一日の 清算業務 終わらない
眠たいと 愚痴るの森の 寝ずの番
生きるのは 権利か義務か 熱帯夜
見上げれば 夜の青空 天使飛ぶ
さてと言い さてと言いつつ 定まらず
仮にだよ 泣きたい時が あるとして
八月は 自問自答の 閉曲線
人のいぬ 時代があった あるだろう
捨てられる 限りは捨てて 拾うもの
否定して 抹消しても 悪びれず
今頃は 野外ステージ 納涼祭
遅い朝 遅れたひとが 起きてくる
炎天を 歩く自分を シミュレーション
限りなく 問いかけてくる ケアハウス
飛び跳ねる 若鮎を見る 車椅子
もつれたる 足の運びは 帰らざる
くれなずむ 空に浮かぶは 納涼祭
招かざる 客にはあらず 浴衣がけ
片付ける 祭の後を 急ぎ去る
見る者も 演じる者も 存命者
いいなどと 言わぬが花と いうごとく
良き人を 独り占めして 西瓜顔
敵味方 縹渺として 定めえず
偉そうな 物言いを避く 記念の日
単純な 思考を避けて 黙祷す
割りなくも 炎暑の絵図に 残る影
一人でも 目と目が合えば 歓喜の日
老いたるを 孤独の淵より 引き上げる
手を添えて ようやく歩む 老いの道
手を離れ 歩き始める 裸ん坊
帰らざる 河に棹差す 死者の群れ
振り向いて また振り向けば 道がある
語らいの 夕べは過ぎて 朝来たる
ガラクタか 貴重品かを 問い詰めず
善悪を 決めきれず咲く 曼殊沙華
透き通る 魔術使いて 罪すすぐ
罰するは 人にはあらず 天炎える
初秋に 詩歌小説 取り揃え
中秋の 恋する心 写す文
晩秋は 狂鬼のごとく 読みふける
たわむれに たわしもぎとる たわらまち
たわしのき たわわにみのる たわしのみ
たたみかけ たわけというも ただならず
天気図を 立体的に 描出す 
Draw a weather chart three-dimensionally.
移動する 千変万化 寒気団
Moving ever-changing cold air mass.
上空を 過ぎ行く雲の 上の上
Over and over the upper sky through which clouds are flying.
肉々し 敵の勇猛 憎まざる
明滅の 遠近感を 測りかね
遊民の 末裔とかや 寝惚け気味
神仏 霊魂祓い 加持祈祷
茫洋と 河畔に寄せる 波の花
痰切飴 噛み砕いては 咳こんで
夢想癖 年を乗り越す 注意報
マフラーを 流し 一歩を踏み出して
滅びては 現れる土地 踏む雪駄
母に似た 娘の顔に 照る秋陽
消えるのか 変わるのみかと 問う落ち葉
ああおおと カモメは鳴くか 黄葉樹


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by nambara14 | 2017-12-19 10:26 | 五七五系短詩 | Comments(0)

575系短詩


肉々し 敵の勇猛 憎まざる

明滅の 遠近感を 測りかね

遊民の 末裔とかや 寝惚け気味

神仏 霊魂祓い 加持祈祷

茫洋と 河畔に寄せる 波の花

痰切飴 噛み砕いては 咳こんで

夢想癖 年を乗り越す 注意報

マフラーを 流し 一歩を踏み出して

滅びては 現れる土地 踏む雪駄

母に似た 娘の顔に 照る秋陽

消えるのか 変わるのみかと 問う落ち葉

ああおおと カモメは鳴くか 黄葉樹




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by nambara14 | 2017-11-22 23:18 | 五七五系短詩 | Comments(0)

天気図


天気図を 立体的に 描出す 
Draw a weather chart three-dimensionally.

移動する 千変万化 寒気団
Moving ever-changing cold air mass.

上空を 過ぎ行く雲の 上の上
Over and over the upper sky through which clouds are flying.



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by nambara14 | 2017-11-01 13:49 | 五七五系短詩 | Comments(0)