人気ブログランキング |

2010年 01月 06日 ( 1 )

シークエンス



     シークエンス



粒子は個体を川の流れのように流れ続ける
可能性が現実に色づきかたちができて動き始める
分化をくりかえしているうちに図体は大きくなるが
やがて横ばいになり皺がよりはじめる
見続ける目が見逃したものはなにひとつないが
見えないものや見てもわからないものがある
見えないものが見えないところでなにをしているかは
よっぽどの幸運と辛抱がなければわからない
ずっと見ていると暫時さえ永遠に思えるようになる
徐々に変っていくかたちや色合いは気づかれない
退屈なものを見続けられるひとは限られていて
そこから退屈でないものを見出せるひとはごくまれだ
居眠りをしているときは百億年も一瞬で飛び
人類の現れる前の記憶さえよみがえる
天地創造の物語も語りなおされ
仮説がインターネットのあちこちにぶらさがっている
これまでにわかっている方法でしか考えることはできないので
粒子も宇宙も困惑して棒立ちになっている
ちょっとだけ皮がむければしめたものだ
そっとはがせ 大胆にはがせ
薄皮がむければ次の薄皮が現れるが 
はがしつづけるという方法論がある限りはがせばいい
まだ足場が固まったとは言えず
データが集まったとも数式の処理が行われたとも聞かず
確からしさも当分の間検証できそうもない
居眠りの間だけはシークエンスをでたらめに操作してよいが
目覚めればじっと観測し続けるしかない
始まりや終りがあるかどうかでさえ棚上げにしておくしかない



by nambara14 | 2010-01-06 19:56 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)