(淋しさの手前で)=詩
2008年 09月 16日淋しさの手前で
秋めいた風が 頬を撫でると
心は しんみりと なにかを思い出す
見上げれば 空は高く 雲が浮かび
夕暮れが 一気に迫ってくる
帰り道の 暗い足元から
静かな虫の音が 聞こえてくる
空には 月が昇り 星と遊んでいる
夏に疲れきった体が 休息を求める
家に帰っても だれも待っていない
暗い部屋に 入り込んでいくとき
だれかが 後ろから付いてくる
部屋には もうひとりのだれかが 先回りしていて
幻をゆらし 空耳を響かせている
前から後ろから 古ぼけた感情に 追い込まれる
by nambara14
| 2008-09-16 10:52
| 新作詩歌(平成20年発表)
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