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平成31年4月30日へ 57577系短詩


    平成31年4月30日へ 


      (57577系短詩)



晴れました 心も弾み 身も軽く 飛び行く翼 仰ぎ見ました

まだ見ぬと 思う濫觴 求めては 分け入る秘境 霞は深し

突き詰めて なにを思うか わが心 夕べの枕 覚め残る夢

だれひとり わかりあえずに 過ぎていく 時さえ知らず 空に帰るか

どこまでも この道を行く どの道と しかとわからぬ この道を行く

みなひとり 閉じ込められて もがきつつ 嗚咽の内に こころを開く

だれからも 理解されぬと 思っても 引き返せない 片道を行く

気が付けば ひとり歩いて はるばると 来てしまったよ 山の向こうへ

孫のため 俊太郎詩集 買っておく じーじばーばは 普通の人々

離己という 遠喩に入りて しがらみの 近喩を去れば 晴れ渡る視野

連休は なにかいいこと あればいい なければないで しょうがないよね

いまよりも だいじなものが あるだろか わたしにとって あなたにとって

咳やまぬ 同僚に告ぐ 連休の 始まる前に 受診済ませよ

恥じらいも 衒いもなくて 厚顔の 無知蒙昧の 虫酸走らす

名人の 目と手と勘を 身に着けて 力の限り 作り込む技

何事も ツボを心得 磨きたる 技を用いて 核心を突く

そこだよと 指圧師に言う 効く壷を ピンポイントで 探り当てる手

許さない ごめんなさいね 許せない 申し訳ない こんこんちきめ

ごめんねと 謝るだけじゃ すまないと すごむあなたに 鬼の影射す

鳥重の 鳥焼く煙 空へ逃げ ふんわりご飯 七味がしみる

しらんふり してもされても とつくにの いじんのように とちにとけこむ

降り出して このまま行くか とどまるか 雨傘とりに 戻るとするか

ひととおり 体操すれば 脳髄も すこし目覚めて ほほえむだろう

こもりくの 空耳に似て 反響す 出口はきっと どこかにあると

それぞれの 品格を持つ 一個人 あきれるほどの バイアスあれば

結局は 名前を呼べば 関係が 広がってゆく 味な手腕だ

わたしから 名前が生まれ それぞれが わたしとなって みんなになった

人ごみを 歩いていたら 新詩集 『普通の人々』 名前が浮かぶ

ほっつけば 袋小路に 迷い込み うわわんわんと 吠えつつ走る

飄々と 振る舞う振りの 老後にも 狂おしき春 乱れ咲く花

我知らず 傷つけたるも 返り血を 浴びて傷つく 蛇蝎にあらず

掌に 見えぬ決意を 握りしめ 汗ばむ道を 走る初夏

一個人 限りある時 惜しみつつ 炎を燃やす 片道の旅

アドヴァイス 受け入れてみる 迷いつつ 道が開けて 驚きのワオ

物知りの 過剰な読みに 辟易し 海辺に立ちて 波の寄す見る

真率の 思いはすぐに 通じない 気長に待とう 霧の晴れる日

果樹園の 枝を剪り取る 鉄ばさみ 砥ぎ直しては 台に揃える

傷口の 強い痛みに 堪えかねて 呻く心に 膏薬を貼る

今日の日も 烏合の衆に 紛れつつ ひとりの御託 並べて生きる

はるかなる 空のむこうの 宙を見る 望遠鏡の 届かぬ先よ

折れそうで 割れてしぼんで 消えそうな こころの痛み 静かに耐える

いさかいも 誤解も嘘も 腹立ちも 生きとし生ける もののスパイス

どこまでも ひとりになれば 自らの 顔を失い 迷い込む闇

幻の 湖底に眠る 伝説の 胡蝶の夢に 忍び入る影

真空の 缶詰開ける 心境で エアーポケット 霞吸い取る

浅はかな おのれと知れど いやまさる 軽薄至極 縁なき衆生

満月に 吠えもせずして さまよえる 笑い禁じて 硬直の頬

訳知りの 言い草注意 取り分けて 水に届かぬ 井戸のごとくに

生物の 多様性とは 一様な 宇宙の一隅 かすかな揺らぎ?

何事も 十人十色 信じつつ わが文章の 世界を拓く

りんりんと 鈴を鳴らして 行く道は どこまで行っても 帰らない道

あきらめの わるいやつだと 捨て台詞 なんの未練が あるはずもなし

倍の蔵 トリプルにして カドリール ペンタゴンから羞恥心へと

歩きゆく からだのほてり 上着脱ぐ 心の翼 空へ翔けろと

ありえない からみなどかは おもてへと でかけてみれば 上着もいらず

おだやかな 日差しの中を 歩くとき いまどこわれを 忘れる心地す

かなしいと いえばかなしく うれしいと いえばうれしい かんじょうせんよ

遠くから 歩いてくるは うらぶれた おじさんらしい 目をそらしても

ゆりかもめ おまえのねぐらは どこにある さまようままに あるがままなる

かすみいる 河口に立ちて 海鳥の 浮かぶを見れば しばし忘我す

あんなにも 強くしなやか 正確で 微妙なタッチ 戻りしタイガー

こんなにも 頭陀の虚妄に とらわれて 魚類のごとく もがく深海

万朶から 葉桜となり 新緑の 盛りとなれば 心せかるる

おだやかな 陽気となれば ひともまた 隣り合っては 新緑めでる

春らしき 季節となれな おれもまた ひとらしくなる 心意気生う

だまし絵に 隠れいるのは 情けなき 流浪の民か 現人神か

かりそめの いのちと知れど なにほどの いきざまはある 行く先々に

はからずも 蹴りし小石が 飛び行けば 犬吠埼の 灯台白し

神経の 結晶ゆるみ 万華鏡 空へ映るは 巨大曼荼羅

今日もまた 一兵卒が 行き過ぎる 幻の春を 探し求めて

ようやくに 春本番と 言えそうな 朧の空を 見上げつつ笑む

理屈っぽい 若者いれば 苦笑い なよなよとした 見かけ裏切る

笑顔にて 辞表渡され 戸惑いしと マスター言うを ただうなずきぬ

あやまりの 言葉知らぬか 白糠に かつて走りし 鉄路を思う

父もまた 兵卒なりき 満州の 凍える豚舎 汚辱落としき

かのように ただ湧き出づる 幻想を つぶやくことを 至福と思う

隠れ家に 肉焼く臭い 幻の 宴を封じ 銀箔を貼る

乱れるは 季節の移り 空想の 一兵卒に 歩調合せる

観念の 色香のごとき 棒杭の 波にさらされ 朽ち果てんとす

いくたびも 寒の戻りと 縮こまる 身の中ほどの 宙なる部分

もしきみが 批判を抱いて いるならば 再三沈思 黙考の後に

もしきみが はずみで批判 したならば 軽くいなすか あやまってしまおう

もしきみが だれかを批判 するときは 批判の応酬 勝ち切る覚悟で

悩みなく 迷いもなくて ひたすらに 走るかのよう 幼年時代

小学校 入学式は 桜舞う 若父母の 色香さかまく

岩ばかり 掘り当てる日は 軟弱な 心の先を 削られる気す

不可思議も 慣れてしまえば 当たり前 奇跡の中で のんびり暮らす

まぶしさに 惹かれるものは どこにある 吹き抜ける風 心の隙間

桜咲く 道を歩けば 冷たさの 風のうなりも やや弱に見ゆ

春寒に 戸惑うひとよ 帰り来て ワイングラスに 注ぐ妙薬

生真面目な 振りしていても 本当は 不真面目なとこ ないはずはない

いい意味の 頑固さはある 譲れない 信念もある 一寸の虫にも

どこからか 生まれ来るもの 手を貸して 産声を聞く 光の耳朶で

千万語 尽くしてもなお 通じえぬ 心の距離を 身体で行く

混沌の 泥の流れに 湧き出づる 清水汲みとる 竿を片手に

ときたまに 波長が合って 淀みなく 言葉交わせる ひとと出会える

金クレル 日がくれる ひねくれる なにくれとなく せわしてくれーる

暗いなあ クライマーより クレーマー シュアラクレム サクレクール

クールダウン 罵り合うは 避けたいと 一呼吸置く 緑茶一煎

クレーマー 苦情ばかりじゃ 浮かばれぬ クライマーへと 登りゆきたし

いつの間に 花咲く準備 散る用意 一度だけでも 河畔歩こう

うららかな 散歩日和は 得した気分 鴨を見かけて ゆったり行くよ

雨上がり くもりの中を 飛ぶかもめ 橋の閃光 はるかに超えて

真夜中の 怪人という 触れ込みの 隣人あれば 覗き見んとす

晴れたるも 風冷たくて 歩むとき 身の縮こまる 心地に沈む

ともすれば 悲観する癖 哀感の 面さらして 凍れる微笑

暮れ行けば 錯乱来たり 神経の まだらに絡み 途方に暮れる

時ゆえに こころ静まり 春風が そよ吹くころに なりましたねえ

掌を 返す如くに 去りゆかん 振り向きはせぬ 決めた以上は

ともすれば 自問自答の 性癖を さらしてしまう 春の嵐に

いつのまに 火照るからだが 飛ぶように 前へ前へと 進む気持ちも

別れても 次の出会いが あるという 起点に帰り 歩き始める

さはされど 恨みは捨てて まみえ得ぬ 定めと思い かろやかに行く

決断の 痛みはあれど 一寸の 虫にもと思う 魂あれば

どうしても 相容れぬもの やむをえぬ 未練を絶って 転戦すべし

ひとはみな 宇宙の塵か 散り散りに 果て無き闇を 永遠に漂う

雑多なる 諸行無常の 塵芥 無関係なる 乗客のごと

目的は 生後に探す 人間の 一生一度の 晴れ姿とは

豆を挽く 香り広がる リビングに 故人のように 腰かけてみる

ひとやすみ ふたやすみして また休む やすみがちだと 気づかぬままに

季節には しばられたくない 遊ぶなら 神経衰弱 ゆやゆよーん

ひととして 歩いていくよ 雨の中 二月の終わり 冷たく濡れて

見るからに へそまがりでも るいせんは ゆるゆるとして なけるものだよ

ひとがみな ひかれるものに ひかれない ひとりだけでも ひかんはしない

しあわせな あなたの顔を 見るだけで わたしの気持ちも あたたかくなる

ちっぽけな 自分と知れば おのずから こうべを垂れて 控えめに行く

ちっぽけな ひっかかりでも 取り除き すべすべすれば 気分すぐれる

ちっぽけな 雲の切れ端 飛んでいけ 風の通い路 空高く舞え

あたたかな 日差しがあれば 心浮く 無重力へと 体も浮かぶ

思い出は 美しくあれ 目の前に 広がる今は 思い出になる

のりひびに 育つのりのめ 黒々と 冷たき水に 輝いて見ゆ

複雑な 機構制する 力学の 壊れるまでに 怒り狂える

もっともっと 外苑へ行け 中庭に こもる心の 影は薄らぐ

なにごとも 目利きは貴重 物事の 本質を見る 眼力鋭く

雨水とは 今日のことかと 知ってみれば 雨もよいの空 特別に見る

なにごとも 生きるスパイス 自らに 言い聞かせては くしゃみ一発

差異あれば 同一もある 自他の中 この衝撃が 弛緩する距離

ふと見れば 日差しあたたか なごむ顔 背筋が伸びて 心はスキップ

粉雪の 白梅に舞う 昼下がり 花の季節に 心浮き立つ

いくたびも チェックを重ね 推敲し 消して直して 足して削って

アイデアを かたちにせんと あれこれと 思い悩んで ようやく至る

舞う小雪 水面に落ちて 泡沫も 凍れる笑みを 残しつつ消ゆ

無理解の 思い込みさえ 坦懐に 接してみれば 愉快な仲間

できるなら 春風駘蕩 ゆったりと 道行くひとの 目には触れずに

聴き惚れる 音楽台詞 笑い出す 落語漫才 日々是好日

よしあしを えらぶすべなし このみせに こなけりゃほかは きゃくでいっぱい

はやる店 はやらない店 それなりに わけがあるとは 思ってみるが

切り替える スイッチ見えず システムの ランダムばかり 徐々に際立つ

不可解な 靄の塊 受け継いで さらに謎めく 虚仮を 引き継ぐ

言葉より 先に来るもの 忘れては 虚ろな声が 響く洞穴

先人が 幻と見た 現実に ヴァーチャルが来て 超現実感

幻想を 実体と見る 幻覚を 振り払う手は ないと知りつつ

すれ違う 幼稚園児や 小中高 学生大人 老人犬猫

大半は 見捨て聞き捨て 読み流し 反故にまとめて 廃棄されたか

日々出会う 小さなつまずき 大きな打撃 宙ぶらりんの 魂の位置

迷いつつ お茶を濁して ふらついて 歩いて来たし 歩いていくよ

筋肉の 体操すれば 痛み来る 心を強く 鍛え直せと

限りある 時を愛しみ 古びても 便利な機械 磨いて使う

祝われる 立場は不慣れ ぎこちなく 笑顔作れば シャッター降りる

どこからか 聞こえる音は 雪解けの 水の流れと 耳を澄ませる

しんしんと 冷える大気を 吸いながら やってくるひと 迎えるこころ

極小の かすかな意識 潜在の リズム頼りに 生息持続

春まだき 凍る涙を ぬぐいつつ ひそかな決意 心に刻む

惑いつつ 歩み来れば この先も 続く迷路と 覚悟して行く

できるなら 心静かに ひっそりと 友と語らう そよ風の中

心得を 箇条書きして 眺めれば 体得するの 困難思う

ブレンドの ワインの香と 舌触り 言葉にできない のど越しの味

あたまでは わかっていても からだでは 感じられない 地球の自転

変わりゆく 時代に遅れる 感覚に さらに遅れる 言葉を話す

春めいて ほっとするのも 束の間に 冬に戻るは いたずら小僧

立春の 空に誘われ 心浮く 身に覚えなき 霹靂の来る

春めいて こころ浮く間も たちまちに 寒の戻りに 身の縮む朝

天候は 上から目線 あまねくも 照らし濡らして 揺らし吹きつく

身を守る すべはわずかに 学び来て 着たり脱いだり 伏せたり避けたり

春を待つ 心優しき 生物の 親しき中にも 礼儀忘れず

愚弄する 口角に泡 人として 恥ずべきことは 避けて控える

立春の 訪れる頃 思い出す あんな出来事 こんな感じを



by nambara14 | 2019-04-28 12:56 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)