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遠い秋



       

          遠い秋


悪ぶって よいこいじめた 遠い日は 苦みとともに 瞼に浮かぶ


昼過ぎて 小雨落ち来る デッドエンド 前に突堤 後ろに幻影


哭き暮れて 笑い飛ばして 照れつつも 釣り人はただ 浮沈を見つむ


荒海の ブイに止まりて 鳴く鳥の 憂いは深く 立ち去りがたし


どこまでも 焦がれるものに せかれつつ 人影もない 路傍に迷う


必ずや また会うことを 誓いつつ これが別れと なれば悲しき


言葉なき 語らいあれば 饒舌な しぐさもありて 秋は深まる


遠来の 客ともなれば 饗応の 膳を忘れて 語り続ける


わが夢は 風と共に去りぬ 落魄の 幻影ばかり 彷徨える今Gone with the wind.


夕陽の 落ち行く先に 祠あり 抜け行く影は 闇に消えゆく


ふふふふふ 不安な気持ち 吹っ切れた 篩にかけた 粉末のごと


あるだけの 勇気しぼりて 踏み出せば くじけてもなお 起き上がる意気


ははと言い へへと聞くのも 新生の へのへのもへじ 泣くしかできぬ


ともすれば 憂いに沈む 秋なれど 気ままに浮かぶ 雲でありたし


美しき 立ち姿にて いくたびも カーテンコールに 応えるプリマ


立ち上がり 叩く拍手も 割れるごと この感激を 永遠にと思う


ほかならぬ ライブに宿る 死のごとき 激しき今を ともに生きつつ


ひとりごつ ことばはなくて もうまいの かすみのなかに たちすくみつつ


よしよしと 赤子をあやす 暇もなく 過ぎる日夜に かける言葉は


野放しの 獣のような 激痛は 緩和の気配 いくばくもなし


抽象の 気うつにあらず ぎくぎくと 痛む足先 引きずりて行く


ハロウインと 無縁なままに 郊外の 街を歩けば 秋風騒ぐ


秋空の 罪にはあらず 人はみな 重荷を背負い 罰受く旅人


新しき 光の中に 忍び入る 闇の兆しを 払いのけたし


かなしみに 日差しを当てて ふくらませ 赤い風船 空高く上ぐ


静かなる 父を忍びて ときたまに 母を連れては 秋の野を行く


新しき 命を見れば あらためて 神々しさに 言葉失う


物思う 秋の訪れ 風の音 吹かれるままに 千切れゆく雲


おおよそは あなたを信じ ともにある 騒ぐ秋風 言葉少なに


世の中は 荒れ世あれよの 暴れ馬 しがみつきつつ まっとうに生く



by nambara14 | 2018-11-22 21:46 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)