催眠術


鏡に向かって催眠術をかける
自分が眠たくなるように

もう一枚鏡を合わせれば
自分を見ている自分が見える

さらに鏡を合わせると
増えすぎた自分をとらえきれない

鏡を離れると
自分は見えなくなる

見えない自分を連れて
歩き回ると迷子になる

うろつき回って
池のほとりに出る

池に映った顔に
見覚えがない

どこかで自分を
なくしてしまったのか

催眠術をかけなおす
なにかが動いた

雨が降りだす
池の面はもうなにも映さない

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by nambara14 | 2016-03-25 13:59 | 新作詩歌(平成28年) | Comments(0)