催眠術
2016年 03月 25日鏡に向かって催眠術をかける
自分が眠たくなるように
もう一枚鏡を合わせれば
自分を見ている自分が見える
さらに鏡を合わせると
増えすぎた自分をとらえきれない
鏡を離れると
自分は見えなくなる
見えない自分を連れて
歩き回ると迷子になる
うろつき回って
池のほとりに出る
池に映った顔に
見覚えがない
どこかで自分を
なくしてしまったのか
催眠術をかけなおす
なにかが動いた
雨が降りだす
池の面はもうなにも映さない
by nambara14
| 2016-03-25 13:59
| 新作詩歌(平成28年)
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