人気ブログランキング |

来るなら来い



西の空にゆがんだかたちの暗紫色の夕焼けが浮かんだ
かつて見たこともない複雑な陰影が刻々と変化していくのを
街の片隅から茫然と見つめることしかできずにいたが
この不吉な兆候をなんとしても吹き払わなければならないと
内部できっぱりと命じる声が聞こえてはっと我に返った
だからと言って自分にできることと言えば
知る限りもっとも効き目があるという呪文を唱えることだけだったので
繰り返し間違えずに長い呪文を唱えることに努めた
すると夕焼けは黒ずみたちまち暗黒の中へ飲み込まれていった
翌朝東の空にまだら模様の黄緑色の朝日が昇ったのを見たとき
意外と落ち着いている自分に気付いた
空の色がどんな色になろうとどうってことはないではないか
ゴッホの絵のような風景の中で
少々精神が高揚ぎみになるかもしれないが
来るなら来いと強がってみることぐらいはできるのだと思った









by nambara14 | 2016-03-16 13:41 | 新作詩歌(平成28年) | Comments(0)