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最も恐ろしいのは


巨大な研究施設から創りだされる新薬は
プロモーションビデオによって
完璧な薬効をひとびとの心に植え付け
服薬すれば難病も治癒すると信じられた

遺伝子レベルで切ったり貼ったり増殖させたりする技術のほか
内視鏡や顕微鏡下でのロボットによる処置が可能になり
精密なメスの操作によりリスクを最小限に抑える
人間と機械の完全融合システムも導入された

一部には過剰医療だと批判する医師や研究者もいて
患者はあれこれ断片的な情報を聞きかじってはおろおろしたが
セカンドオピニオンを聞いても迷いはなくなりはしなかった
最後は自分の判断だと言われて発狂しそうになった

最も恐ろしいのはなんなのかと問われてみれば

病気が進行して体が麻痺し食事や排せつに障害が生じ
激痛に眠ることさえできなくなること
お金がなくなって一切の治療を受けられなくなり
ペインクリニックへの道を閉ざされてしまうことだろうか?






by nambara14 | 2016-02-18 11:04 | 新作詩歌(平成28年) | Comments(0)