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詩への勧誘



        詩へのお誘い


 詩を読む習慣を持っているひとは少ないと思う。
 特に現代詩と呼ばれるものは敬遠されがちだ。
 おそらく一見奇妙奇天烈な言葉の使い方やイメージに抵抗を感じるからだろう。
 よくわからないしなにがよいのか全然わからないと思う人も多いようだ。
 だが、人間はそもそもわかりやすい存在だろうか?
 喜びありり悲しみありの変化に富んだ人生。
 人の一生ははかないものだ。昨日まで元気だったひとが事故でなくなったり、訃報が届いたりする。
 つまらぬことで喧嘩をしたり憎しみあったりする。
 貴重な時間をどうやって有効に過ごして良いかわからないまま最期を迎えたりする。
 絶望している時に意外な人から優しい言葉をかけられることもある。
 人生捨てたもんじゃないと感じる。
 ふしぎな人間というもの、時空というもの、宇宙というもの。
 複雑怪奇で戸惑いに満ちた世の中。ひとびと。世界。紛争や殺戮、災害や気候変動や疫病や貧困や飢餓。
毎日がはらはらどきどきの連続だ。

 そういうめまぐるしい毎日を生きるなかで、ふと自分を見つめ、自分のまわりを観察することがある。 そのときひとはいいようのない感情に心が震え、なにかを感じて、恐ろしくなる。
 矛盾に満ちた人間や世界の中で卒倒しそうになる。
 そのとき、静かに自分を見つめさせてくれるものがある。
 それが芸術であり、言葉で言えば詩や小説である。あるいは、音楽や美術や映画や演劇などである。

 詩は、人間を深く見つめてぎりぎりの現実を言葉で描き出す。
 喜怒哀楽を、高度な言葉の技術でとことん表現する。
 詩を読むことは人間の精神性の奥深さに触れることだ。
 詩は問いかけるだけで答えを示すことはない。しかし、人間存在の根底を見据えた問いかけをする。
 生老病死をリアルに描き出す。偏見のない目でひとはひとに出会うのである。
 なんのために生まれて生きて死ぬのかよくわからない人間の生と向かい合うことが詩である。
 詩は人間そのものである。
 詩を読むことは生きることであり、また、死ぬことでもある。

 是非たまには詩集をひもといていただきたい。
 わたし(南原充士)の詩集も読んでいただきたい。
 GWはいいチャンスだと思いますよ!

 
 

by nambara14 | 2015-04-30 11:44 | 詩集「思い出せない日の翌日」 | Comments(0)