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激突



駅の階段を上ろうとしたとき
下りて来た乗客の眼鏡が
自分の額に激突した
眼鏡はがきっという音がして吹き飛んだ

男は「痛っ」と叫んで眼鏡をさがそうとした
混雑する乗客の足の間に落ちているのを
すばやく見つけてかけてみたが
フレームがかなりゆがんで見にくそうだ
幸いレンズは割れなかったようだが

一瞬立ち止まっていた自分を見た男は
急に体を低くして体当たりをしてきた
無防備な自分は大きくよろめいて
その場に転倒した
ようやく立ち上がったときには
男はすでに電車の中に消えていた

いつも冷静でいようと思っていたのに
思わず「このやろう」とつぶやいた自分がいた
もし今度こんなことが起きたら
どんなふうに対処したらいいか
階段を上りながら考えてみたが
なかなか答は見つからなかった



by nambara14 | 2015-03-06 12:29 | 新作詩歌(平成27年) | Comments(0)