光陰
2012年 06月 01日光 陰
まず姿を消す
次いで空を飛ぶ
水中を自在に動く
地下深く潜る
自分の容積を捨て
重量を落とし
遺伝子を抜き去り
生命を離れる
地球を七回り半
太陽へは近づきすぎず
アンドロメダを横目で
宇宙の果てまで到達する
単位は混乱し
座標は取り違え
史実は消え失せ
音量だけが増大する
色彩は無限に分割され
ピントは合わせきれず
流れの傍らで
呆然と立ちすくむ
任意の時と所で
忽然と姿を現し
居場所を見つけえぬまま
さまよい続ける光陰のしっぽ
by nambara14
| 2012-06-01 13:58
| 新作詩歌(平成24年)
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