ひまつぶし


     ひつまぶし


この店の前を通るとき
和風のカウンターに運ばれてくる
お盆に載った器を想い出す

この店にいっしょに来たのは
だれだったか忘れたことにして
料理のほうに気持ちを集中させる

ひとりの昼休みはゆっくり過ぎる
午後の約束までに立ち直らなければならない
午前中は思わぬ失言をしてしまった

ひつまぶしのふんわりした舌触りに
過去が消え現在が立ち止まる
階段で踏み外した足の痛みを忘れる







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by nambara14 | 2011-05-26 14:47 | 新作詩歌(平成23年) | Comments(0)