顛末
2010年 09月 10日顛 末
自分のかけらを拾い集め
自分の影をつなぎあわせて
自分のふりをしながら
ぶつかりあう粗大ごみ
質量と速度の勢いのままに
ポテンシャルを衝突させる
ひとしきり喧騒がやんだかに思われるが
はてしなくぶつかり引っ掻きあい
フェイントをかけスマッシュを決める
ここから出て行けないもの同士が
すりへらす見えない金属線
投降しても収容される保障もなく
逃げ去るには展望が不足している
こんなせまいところにこだわるなんてばからしい
ここを選び取ったわけでもない行きずりの
ぼうふらみたいなもの同士が
悲鳴を上げている
ここは牢獄でも監禁室でもないが
日々の糧を得るだけのために
顔を突き合せ神経をぼろぼろにしながら
のろい合い悪態を付き合って
かすかな隙を見つけてはその日を凌いでいる
by nambara14
| 2010-09-10 10:51
| 新作詩歌(平成22年発表)
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