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タチアオイ



    タチアオイ  


タチアオイの続く道を
自転車に乗って海辺へと向かう
見えない内部が分裂している
ピンクの花が縦に伸びている

この三百メートルほどの道ぞいに
老人がたったひとりで植えてきた
白やオレンジや赤色に光る生命体
不揃いに並んだ花たちが咲き誇る頃

目の前は降り止まぬ雨にかすんでいた
何度も越えてきた坂から
一気に大通りに出ると

瞼に焼き付いた顔が宙に浮かび
ピッチを上げる両足が空回りする視界に
どっと花の色が流れた


by nambara14 | 2010-06-18 10:38 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)