ドッキリカメラ=詩
2009年 02月 23日ドッキリカメラ
目の大きな女性がわたしを見ている
知らない女性だ
人違いだと思って振り返るが
だれもいない
目がわるいのかと疑うが
視線はたしかにわたしに向けられている
こんな年頃の女性が
なにを求めているのだろう
年老いて身なりもありきたりのわたしに
とりたてて金も力もなく名もないわたしに
おそらくなにかのテレビ番組で
だれかに微笑みかけろというオーダーを受けたか
一時の気まぐれが
彼女のいたずら心をくすぐったのだろう
空想の中で一分後のシーンを見ると
彼女は消えうせている
現実はと言えば
彼女が笑い続けている
どうしたらいいのだろう
自分がいまどこにいるのかさえわからなくなる
このまま時間が経っていくのか
どうやってじりじりとした時間をやりすごせるだろう
ドッキリカメラの看板がもうじき出るはずだ
わたしの心臓は高鳴りいまにも破裂しそうだ
by nambara14
| 2009-02-23 11:46
| 新作詩歌(平成21年発表)
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