(参考) 南原充士(なんばら・じゅうし)プロフィール
2026年3月現在
1949(昭和24)年2月7日生、茨城県日立市出身、川崎市在住
1972(昭和47)3月 東京大学法学部卒
日本詩人クラブ会員
◇既刊小説9冊:
『エメラルドの海』『恋は影法師』『メコンの虹』『白い幻想』『血のカルナヴァル』『カンダハルの星』『喜望峰』『奇跡の歌声』(以上、Kindle版)『転生』(BCCKS)
◇既刊詩集17冊:
『散歩道』『レクイエム』『エスの海』(以上、私家版)
『個体から類へ涙液をにじませるfocusのずらし方・ほか』(近代文芸社)『笑顔の法則』(思潮社)『花開くGENE』『タイムマシン幻想』『インサイド・アウト』『ゴシップ・フェンス』『にげかすもきど』『永遠の散歩者 A Permanent Stroller』(以上、洪水企画)『思い出せない日の翌日』(水仁舎)『時間論』『滅相』(以上、Kindle版)
『レジリエンス』(思潮社)『遡及2022』『伝言』(Kindle版)
◇既刊訳詩集1冊:
『シェークスピア ソネット集』(洪水企画)
◇既刊句集1冊:
『魁』(Kindle版)
◇既刊歌集1冊:
『果てしなき空』(Kindle版)
◇ブログ:*『きままな詩歌と小説の森』 https://nambara14.exblog.jp/
*『続・越落の園』https://jushi14.hatenablog.com/
◇Amazon著者ページː https://www.amazon.co.jp/stores/author/B00UBG2BMI
◇SNS:X(旧twitter)、 Facebook、 mixi、灰皿町
e-mail: nambara25@hotmail.com
歌集『果てしなき空』無料キャンペーンのお知らせ
皆さま、このたびKindle版で初の歌集『果てしなき空』を発売開始しました。
2026年3月8日(日)17:00より3月13日(金)16:59まで無料キャンペーンを実施します。
この機会に是非無料ダウンロードしてくださるようよろしくお願いいたします。
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南原充士
『エルヴィン・シュレーディンガー詩集 恋する物理学者』宮岡絵美[訳・編]
2026年 02月 01日
『エルヴィン・シュレーディンガー詩集
恋する物理学者』宮岡絵美[訳・編]―――を読んで(感想)
量子力学の基礎理論を構築したシュレーディンガーは、シュレーディンガー方程式やシュレーディンガーの猫の思考実験で広く知られているが、詩集を一冊出版したことはあまり知られていない。
宮岡絵美は若い詩人で学生時代は生物系を専攻したそうだが、物理学にも興味を持っていろいろな書物を読む中でシュレーディンガーが詩集を出していることを知り、読んでみると濃いコーヒーやお酒を嗜むような心持で彼の詩情を楽しむことができ、本邦初の日本語訳に着手したとのことである。
この詩集は1949年、シュレーディンガー62歳の時に出版された。二度の世界大戦を越え、激動の人生を歩んだ彼の作品は、一篇の中でさえ起伏に富んでいて、時に気高く高邁で、時に絶望を含む爛熟したポエジーを表現している。宮岡は、それをできるだけ簡潔な表現に映すように心がけたつもりだと述べている。
この詩集は、ノーベル物理学賞の受賞者とは思えない甘く切なく物悲しくもある恋人への思いを率直に表した恋愛詩集となっている。
第1章27篇はドイツ語で、第2章の7篇は英語で書かれたとのことだが、訳文はシュレーディンガーの抒情味溢れる恋心を見事に表現した翻訳詩となっている。ドイツ文学者吉川千穂、英語文学研究者滝口智子、インド哲学者金菱哲宏諸氏の協力を得たことで、この日本語訳が可能になったそうである。
詩集に収められた詩篇はいずれも心を惹かれるものであるが、特に印象に残ったものは以下のとおりである。
「若い愛」
あなたによってすべての世界が再び美しくなる(第1行)
「寓話あるいは放物線」
願望や思考は
もはや、我々が自然を究明するための実験のうちにある(第5~6行)
「蝶」
朝、目覚めると
恋人は穏やかに
わたしの腕のなかにいて…(第2連第5行~7行)
「仮面舞踏会」
彼女は今、ベールを押しやって
蝋燭のほのかなきらめきのなか
まっすぐに私のくちびるにキスをした――(第3連第1行~3行)
「報われる」
計算するより、韻を踏みたい
今、わたしは報われる(第3連第3行~4行)
「恋する者の秘密」
無限の空間に散在する星々
彼方にあって汝らは
誰にもわたしの秘密を漏らすことはない
――その人の名は、ドロシー(最終連)








