{きままな詩歌の森}へようこそ!     


「現代性」にこだわった詩歌と小説の世界をお楽しみください!



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# by nambara14 | 2018-12-31 23:59 | プロフィール | Comments(0)


   ソネット 7


         W.シェークスピア


ほら!東の空に優美な光が燃える頭をもたげるとき

この世のひとびとは聖なる君主を崇め、

その新しい出現を讃える。

そしてそれが険しい空の丘を登り切って

中年でもなお強い若さを装うとき

ひとびとはなおその美しさを讃え

その黄金の統治にかしずく。

だがそれが登り詰めたところから、疲れた馬車に乗って、

老人のように、よろめきながら一日を終えるとき

ひとびとは、以前は忠誠を尽くしていたのに、今やその低い位置から

目をそらし、よそ見をする

だから、あなたは子供を設けない限り、

真昼の中で消え失せ、注目されることもなくなってしまう



    Sonnet VII


          W.Shakespeare


Lo! in the orient when the gracious light

Lifts up his burning head, each under eye

Doth homage to his new-appearing sight,

Serving with looks his sacred majesty;

And having climbed the steep-up heavenly hill,

Resembling strong youth in his middle age,

Yet mortal looks adore his beauty still,

Attending on his golden pilgrimage:

But when from highmost pitch, with weary car,

Like feeble age, he reeleth from the day,

The eyes, 'fore duteous, now converted are

From his low tract, and look another way:

So thou,thyself outgoing in thy noon

Unlooked ondiest unless thou get a son.



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# by nambara14 | 2018-07-18 19:51 | 翻訳詩(ディラン・トマスほか) | Comments(0)


ソネット 6


         W.シェークスピア


だからあなたの美のエッセンスが抽出される前にあなたの中の夏を

冬のざらざらした手で台無しにさせないようにしなさい

ある容器を甘美な液体で満たしなさい そして美の宝が自ら滅びる前に

あなたは美の宝でどこかを飾りなさい

喜んで負債を返済するひとびとを幸福にする美の宝の使い方なら

高利をとることは禁じられていない

ほかのあなたを生み出すのはあなた自身だ

あるいはひとりから十人に増えれば十倍幸福だろう

あなたの十人の子がさらに十倍あなたを生み出せば

あなた自身も十倍幸福になるだろう

それならあなたが亡くなったとしても

死は手も足も出ず あなたを後世に生かすことになる

どうか自らにこもらないでください なぜなら

死の餌食になりあなたの遺体を蛆虫の巣にするには

あなたはあまりに美しいからだ



SonnetVI


             W.Shakespeare


Then let not winter's ragged hand deface,

In thee thy summer, ere thou be distilled:

Make sweet some vial; treasure thou some place

With beauty's treasure ere it be self-killed.

That use is not forbidden usury,

Which happies those that pay the willing loan;

That's for thy self to breed another thee,

Or ten times happier, be it ten for one;

Ten times thy self were happier than thou art,

If ten of thine ten times refigured thee:

Then what could death do if thou shouldst depart,

Leaving thee living in posterity?

Be not self-willed, for thou art much too fair

To be death's conquest and make worms thine heir.



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# by nambara14 | 2018-07-12 21:40 | Comments(0)


  ソネット 5


                W.シェークスピア

                 南原充士 訳


すべての目は愛らしく見つめる視線にこそ存在し

その視線を丁寧に作り上げてきた歳月は

同じような手管できわめて美しいものを虐げ醜くするだろう、

決して休むことない時は夏をおぞましい冬へと連れて行き

夏をそこで壊してしまう、

樹液は霜に妨げられ 青い葉はことごとく失われる

美は雪に覆われ あたりがすべて裸地となる。

もし夏の間に抽出したものがなければ

つまりガラスの容器に閉じこめられた液体の囚人がいなければ

美の効能は美とともに失われてしまうだろう

そればかりか美が存在したという記憶さえ失われてしまうだろう。

だが花から香りを抽出しておけば 冬を迎えても

そのうわべの美は失われるにせよ その本質は末永く甘美さをとどめるだろう。


Sonnet V


         W. Shakespeare


Those hours, that with gentle work did frame

The lovely gaze where every eye doth dwell,

Will play the tyrants to the very same

And that unfair which fairly doth excel;

For never-resting time leads summer on

To hideous winter, and confounds him there;

Sap checked with frost, and lusty leaves quite gone,

Beauty o'er-snowed and bareness every where:

Then were not summer's distillation left,

A liquid prisoner pent in walls of glass,

Beauty's effect with beauty were bereft,

Nor it, nor no remembrance what it was:

But flowers distilled, though they with winter meet,

Leese but their show; their substance still lives sweet.



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# by nambara14 | 2018-07-03 14:13 | 翻訳詩(ディラン・トマスほか) | Comments(0)

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# by nambara14 | 2018-06-30 13:58 | プロフィール | Comments(0)


ソネット 4


         W.シェークスピア

          南原充士 訳


惜しみなき愛らしさの消費者よ、なぜあなたは

あなたの美の遺産を自分自身のために消費してしまうのだろうか?

自然はその美質を無償で与えることはなく貸し付けるだけだ、

自然は率直な者に寛容さを貸し付ける。

美しい浪費者よ、なぜあなたは、

与えるために与えられた豊かな美質を濫用するのだろうか?

利益を得ない貸し付け者よ、なぜあなたは、

そんなにも多額な金額を消費しながら、

なお豊かに生きることができないのだろう?

自分自身と付き合うだけでは、

あなたは甘美な自分自身を自ら欺くことになる。

いつどのように自然はあなたにこの世を去る時期を告げるだろう?

あなたはどれだけ受け入れ可能な収支を残せるだろう?

あなたの美貌はもし消費しなければあなたの死とともに墓に葬られるだろう

消費されるなら、あなたの遺言執行人としての子孫に引き継がれるだろう。


Sonnet IV


         W.Shakespeare


Unthriftyloveliness, why dost thou spend

Upon thy selfthy beauty's legacy?

Nature's bequestgives nothing, but doth lend,

And being frankshe lends to those are free:

Then, beauteousniggard, why dost thou abuse

The bounteouslargess given thee to give?

Profitlessusurer, why dost thou use

So great a sumof sums, yet canst not live?

For havingtraffic with thy self alone,

Thou of thy selfthy sweet self dost deceive:

Then how whennature calls thee to be gone,

What acceptableaudit canst thou leave?

Thy unused beauty must be tombed with thee,

Which, used, lives th' executor to be.



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# by nambara14 | 2018-06-25 15:13 | 翻訳詩(ディラン・トマスほか) | Comments(0)


     ソネット 3


                    W.シェークスピア

                      南原充士 訳


あなたは鏡を見て、そこに映る顔に

「今はその顔に別の顔を与えるべき時だ」と言いなさい、

今あなたが新しく生まれ変わらないとしても

新たな顔を生み出す時だと。

あなたは世間を欺きあなたの妻となるべき女性を不幸にする。

なぜなら、夫の耕作を恥とするような美しい処女はどこにもいないし、

あるいは、自己愛の墓場となって子孫を残さない愚かな男性はいないから。

あなたは母の鏡であり、彼女はあなたの中に、愛らしい盛りだった4月を思い起こす。

そうして、あなたもあなたの年齢の窓を通して、

皺はあるにせよ、あなたの黄金時代を見るだろう。

だが、あなたが自分は思い出されなくてもいいと決めて生きて、

ひとり身のままで亡くなったとしたら、

あなたの面影はあなたとともに死んでしまう。



Sonnet III


          W. Shakespeare


Look in thy glass and tell the face thou viewest

Now is the time that face should form another;

Whose fresh repair if now thou not renewest,

Thou dost beguile the world, unbless some mother.

For where is she so fair whose uneared womb

Disdains the tillage of thy husbandry?

Or who is he sofond will be the tomb

Of hisself-love, to stop posterity?

Thou art thy mother's glass and she in thee

Calls back the lovely April of her prime;

So thou through windows of thine age shalt see,

Despite of wrinkles, this thy golden time.

But if thou live, remembered not to be,

Die single and thine image dies with thee.



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# by nambara14 | 2018-06-18 16:09 | 翻訳詩(ディラン・トマスほか) | Comments(0)


      ソネット 14

                  W.シェークスピア 

                南原充士 訳

わたしは星を観察して運勢判断を行うわけではないが

自分なりに天文学を身に付けている

ただ、わたしの天文学は、伝染病や飢饉や作柄などの

幸不運を占うものではなく

ひとりひとりの人生における嵐や雨や風などの予報を刻々と告げ得るものでもなく

また天に見出す頻繁な予測により

王子たちの運勢がいいものかどうかを告げ得るものでもない。

わたしの知識そして恒星たちはあなたの目から得られるものだ

あなたが自分への関心を子孫を残す方へ向けるならば

恒星の中にわたしは真と美がともに栄えるような技法を読み取る。

さもなければわたしはあなたについてこのような予測をするだろう

つまり、あなたの臨終の日は、真と美の終末の日であると。

Sonnet XIV

                      W.SHakesperae

Not from the stars do I my judgement pluck;
And yet methinks I have Astronomy,
But not to tell of good or evil luck,
Of plagues, of dearths, or seasons'quality;
Nor can I fortune to brief minutes tell,
Pointing to each his thunder, rain and wind,
Or say with princes if it shall go well
By oft predict that I in heaven find:
But from thine eyes my knowledge I derive,
And, constant stars, in them I read such art
As truth and beauty shall together thrive,
If from thyself, to store thou wouldst convert;
Or else of thee this I prognosticate:
Thy end is truth's and beauty's doom and date.

    



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# by nambara14 | 2018-06-11 15:13 | 翻訳詩(ディラン・トマスほか) | Comments(0)

最近の詩集評(13)

谷口典子詩集『刀利』。亡くなった夫のことを書いた詩作品が並ぶ。故人を忍ぶ詩なら珍しくないが、この詩集はもっと生と死を突き詰める鋭い視線がただならぬ気配を感じさせる。「刀利」は夫の故郷だそうだが、その語感も緊張感を与える。「添い寝」は、男女の愛を問い直す怖い程の重厚さに満ちている。 山本萠詩集『寒い駅で』。人、虫、草、花梨、蜂蜜など多くの動植物や静物が細かく観察されるとともに、それらを配した家、庭、駅、川などの情景が丁寧に描写される。命あるものが必ず失われていくのだという溢れる思いが言葉をたぐりよせ、また、言葉が生きとし生けるものを悲しくも美しく描き出す。 北見俊一詩集『S・Iへの私信』『わたしは一本の河を』『自転車にのるひとの脚の素描』『人魚姫』。一挙4冊刊行(箱入)。北見は、詩人であるだけでなく水仁舎の社主でもあり、造本家の本領を発揮した瀟洒な手作りの詩集は、17歳から30歳前後までに書かれた詩篇を収録したものだ。自己を見つめ、他者へ語り掛ける言葉が、独自の詩世界を作り上げている。この時期に過去の詩をまとめて刊行したのはそれなりの理由と決意があったのだと推測する。北見の今後の一層の活躍が楽しみだ。
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# by nambara14 | 2018-06-10 19:03 | 詩集・詩誌評等 | Comments(0)


    ソネット 17


             

           W.シェークスピア

            南原充士 訳


将来においてだれがわたしの詩を信じるだろうか?

その詩があなたの至高の美で満たされているとしても。

実際のところこの詩はあなたの人生を隠す墓のようなものに過ぎず

あなたについて書くべきことの半分も表していないことをだれひとり知る者はいないのだが。

もしわたしがあなたの目の美しさについて書き、

そして新しい詩句であなたのあらゆる優美さを表すことができるとしたら

来るべき時代の人々は、「この詩人はうそつきだ。

その天国のような筆致は地上の人間の顔に触れたことがないからだろう」と言うだろう。

時とともに黄ばんだわたしの詩集もまた

嘘つきの老人のように軽蔑されるだろう

そしてあなたの称賛を受けるべき本来の権利も

古臭い歌の間延びした韻律のような詩人の熱狂に過ぎないと言われるだろう。

 だがその時にあなたの子供のいずれかが生きていたなら

 あなたはその子供の中で そしてまたわたしの押韻の中で

蘇ることになるだろう。



     Sonnet XVII


              W.Shakespeare



Who will believe my verse in time to come,

If it were filled with your most high deserts?

Though yet heaven knows it is but as a tomb

Which hides your life, and shows not half your parts.

If I could write the beauty of your eyes,

And in fresh numbers number all your graces,

The age to come would say 'This poet lies;

Such heavenly touches ne'er touched earthly faces.'

So should my papers, yellowed with their age,

Be scorned, like old men of less truth than tongue,

And your true rights be termed a poet's rage

And stretched metre of an antique song:

But were somechild of yours alive that time,

You should live twice, in it, and in my rhyme.



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# by nambara14 | 2018-06-08 14:37 | 翻訳詩(ディラン・トマスほか) | Comments(0)