{きままな詩歌と小説の森}

へようこそ! 
    


「現代性」にこだわった詩歌と小説の世界をお楽しみください!



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# by nambara14 | 2019-12-31 23:59 | プロフィール | Comments(0)


ソネット 48


     W. シェークスピア


出かける時 わたしはどんなものでも注意深く

これ以上ないぐらい安全な場所にしまっておいた

わたしが使うまではだれにも使われることがないように

怪しげな者の手にかからないように信頼できる場所に

あなたにとってわたしの宝石さえつまらないものであるだろうが

わたしにとってあなたは最高の歓びの源泉であるとともに今や大きな心配の元でもある

これ以上ない大切なひとでありわたしの唯一の気がかりであるあなたは

獰猛な泥棒どもの餌食として狙われている

わたしはあなたを宝石箱に閉じ込めてはおかなかった

実際にはあなたがいなくてもわたしがあなたをいると感じる場所

つまりわたしの腕の中ということだが

わたしの腕の中にはあなたは好きな時にいつでも来たり去ったりできる

だがわたしの腕の中からさえあなたは奪われてしまうかもしれないとわたしは恐れる

なぜなら真実さえそれほど大きな報奨の前では泥棒になってしまうからだ


Sonnet XLVIII


      W.Shakespeare


How careful was I when I took my way,

Each trifle under truest bars to thrust,

That to my use it might unused stay

From hands of falsehood, in sure wards of trust!

But thou, to whom my jewels trifles are,

Most worthy comfort, now my greatest grief,

Thou best of dearest, and mine only care,

Art left the prey of every vulgar thief.

Thee have I not locked up in any chest,

Save where thou art not, though I feel thou art,

Within the gentle closure of my breast,

From whence at pleasure thou mayst come and part;

And even thence thou wilt be stol'n I fear,

For truth proves thievish for a prize so dear.



# by nambara14 | 2019-03-19 22:58 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 47


       W.シェークスピア


わたしの目と心は仲良くやっている

今どちらも相手に対して親切にしている

わたしの目が見たくてたまらないとき

あるいは心がため息で息が詰まりそうなとき

わたしの恋人の肖像でわたしの目はもてなされ

わたしの心は描かれた饗応を受ける

あるときわたしの目はわたしの心のお客であり

わたしの心の愛の思いの分け前をもらう

たとえあなたが離れていても 

あなたの肖像あるいはわたしの心にあるあなたへの愛のおかげで

あなたはいつもわたしとともにある

なぜならあなたはわたしの思いが到達できるところより遠くには行かないから

わたしはいつもそれらの思いとともにあり それらの思いはあなたとともにあるからだ

もしそれらの思いが眠っていても わたしの目の中のあなたの肖像が

わたしの心を目覚めさせ 心と目の双方を喜ばせるのだ


Sonnet XLVII


        W. Shakespeare


Betwixt mine eye and heart a league is took,

And each doth good turns now unto the other:

When that mine eye is famish'd for a look,

Or heart in love with sighs himself doth smother,

With my love's picture then my eye doth feast,

And to the painted banquet bids my heart;

Another time mine eye is my heart's guest,

And in his thoughts of love doth share a part:

So, either by thy picture or my love,

Thy self away, art present still with me;

For thou not farther than my thoughts canst move,

And I am still with them, and they with thee;

Or, if they sleep, thy picture in my sight

Awakes my heart, to heart's and eyes'delight.



# by nambara14 | 2019-03-12 11:08 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 46


W. シェークスピア


わたしの目と心はあなたを見るという戦利品を

いかに分けるかの死闘を繰り広げる

わたしの目は わたしの心があなたの姿を見ることを妨げようとするだろう

わたしの心は わたしの目が自由にあなたを見る権利に異議を申し立てるだろう

わたしの心は あなたがわたしの心に存在し

小部屋が水晶のような目で見通されることはなかったと主張する

けれども被告である目は その主張を否認し

あなたの美しい容姿が被告である目の中に存在すると言う

この権利の帰属を決定するために

すべて心の側の臣下が陪審員として選ばれる

そして目の分け前と心の分け前が

彼らの評決によって決定される

つまり わたしの目の取り分はあなたの外面であり

わたしの心の取り分はあなたの心の内面の愛であると。



Sonnet XLVI


       W. Shakespeare   

  

Mine eye and heart are at a mortal war,

How to divide the conquest of thy sight;

Mine eye my heart thy picture's sight would bar,

My heart mine eye the freedom of that right.

My heart doth plead that thou in him dost lie,

A closet never pierced with crystal eyes,

But the defendant doth that plea deny,

And says in him thy fair appearance lies.

To 'cide this title is impannelled

A quest of thoughts, all tenants to the heart;

And by their verdict is determined

The clear eye's moiety, and the dear heart's part:

As thus: mine eye's due is thine outward part,

And my heart's right, thine inward love of heart.



# by nambara14 | 2019-03-04 12:28 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 45


       W.シェークスピア


ほかの二つ、つまり軽い空気と浄める火は

わたしがどこにいようと あなたとともにある

第一はわたしの思考、第二はわたしの欲望だ

これらは迅速な動きによって行ったり来たりする、

なぜなら よりすばやいこれらの要素が

わたしの愛のあなたへの軽やかな使者として行ってしまうと

四つの要素でできているわたしの命は 二つの要素だけになり

メランコリーに押しつぶされて死にそうになる、

それらの敏捷な使いがあなたの許から戻ってきて

あなたがすこぶる健やかだったという報告を聞くと

彼らがすぐまた使いとして出発するのだとしても

わたしの命の構成要素が健康を回復するその時までは、

これを聞くとわたしは嬉しくなる、だがたちまちその喜びは失せてしまう

わたしはかれらをまた使いに出すので、すぐさま悲しくなるからだ。


Sonnet XLV


     W. Shakespeare

      

The other two, slight air and purging fire,

Are both with thee, wherever I abide;

The first my thought, the other my desire,

These present-absent with swift motion slide.

For when these quicker elements are gone

In tender embassy of love to thee,

My life, being made of four, with two alone

Sinks down to death, oppressed with melancholy;

Until life's composition be recured

By those swift messengers return'd from thee,

Who even but now come back again, assured

Of thy fair health, recounting it to me:

This told, I joy; but then no longer glad,

I send them back again and straight grow sad.



# by nambara14 | 2019-02-24 16:36 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 44


W. シェークスピア


もしわたしの体が思考でできていたなら

傷つくような長距離もわたしの旅を妨げることはないだろう

それだったら このはるか離れた場所からあなたのいるところまで

いくら遠くてもわたしは行くことができるだろうし

わたしの足があなたのいるところから最も離れた場所にいたとしても

敏捷な思考はそれが行きたいと思ったところへ

海を跳び越え山を跳び越えてたちまち到着することができるからだ

だが、ああ!わたしは はるか遠くに行ってしまったあなたのもとへ

跳んでいける思考ではないのだと思うと

その思考はわたしを死に至らせる

実際わたしは土と水とでできているので

わたしは時の気まぐれに従って苦しむしかない

そんなに鈍臭い要素からわたしはなにも受け取ることはなく

ただわたしたちふたりの悲しみの印である涙がこぼれるだけだ



Sonnet XLIV


        W. Shakespeare


If the dull substance of my fleshwere thought,

Injurious distance should not stopmy way;

For then despite of space I wouldbe brought,

From limits far remote, wherethou dost stay.

No matter then although my footdid stand

Upon the farthest earth removedfrom thee;

For nimble thought can jump bothsea and land

As soon as think the place wherehe would be.

But ah! thought kills me that Iam not thought,

To leap large lengths of mileswhen thou art gone,

But that, so much of earth andwater wrought,

I must attend time's leisure withmy moan,

Receiving nought by elements so slow

But heavy tears, badges of either's woe.



# by nambara14 | 2019-02-18 12:58 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


ソネット 43


W. シェークスピア


わたしが眠っているときわたしの目は最もよく見える

なぜなら昼間はずっとさほど注目されない物ばかりを見るからだ

だがわたしが眠るとき夢の中でそれらはあなたを見る

そして闇の中で輝き闇を明るく照らす

そしてあなたの影は周りの影たちを明るく照らす

あなたの影は眠れる目の中でかくも明るく輝くが

あなたの実体は 晴れた昼に それにもまして明るいあなたの光によって

どんなにか幸福な様子を示すだろう

深夜にあなたの美しく不完全な影は

深い眠りの中で眠れる目にとどまるが

日の光の中であなたを見ることによって

わたしの目はまあどんなにか祝福されるだろう

わたしがあなたを見るまではあらゆる昼は夜のように見え

そして夢があなたをわたしに示すとき夜は明るい昼のように見える



Sonnet XLIII


      W.Shakespeare


When most I wink,then do mine eyes best see,

For all the daythey view things unrespected;

But when I sleep,in dreams they look on thee,

And darkly bright,are bright in dark directed.

Then thou, whoseshadow shadows doth make bright,

How would thyshadow's form form happy show

To the clear day withthy much clearer light,

When to unseeingeyes thy shade shines so!

How would, I say,mine eyes be blessed made

By looking on theein the living day,

When in dead nightthy fair imperfect shade

Through heavysleep on sightless eyes doth stay!

All days are nights to see till I see thee,

And nights bright days when dreams do showthee me.



# by nambara14 | 2019-02-12 20:00 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)

最近の詩集評(14)


吉田博哉詩集『残夢録』。生と死のはざまで生きる人間の諸相を独特の語り口で生き生きと描いた現代の説話文学。切なさと滑稽さとエロスと暴力とがないまぜになり、仮構と現実が一体となって読者に迫ってくる。死への恐怖も巧まざるユーモアによって一抹の救いを見出すようだ。見事な出来栄えの詩集だ。

# by nambara14 | 2019-02-11 19:54 | 詩集・詩誌評等 | Comments(0)


ソネット 42


        W. シェークスピア 


あなたが彼女を手に入れたことはわたしにとって唯一の悲しみとまでは言えないが

それでもわたしが彼女を真剣に愛していたということは言える

彼女があなたを手に入れたことは悲しみの極みであり

愛を失ったことはもっと痛切なことだ、

愛の罪びとたちよ、わたしはこうしてあなたたちを許そう

あなたはわたしが彼女を愛するがゆえに彼女を愛し

そして彼女は わたしのためにあなたを愛し

わたしのためにわたしの友に自らを受け入れさせることで わたしを苛む、

わたしがあなたを失ったとすれば わたしの損失はわたしの恋人の利得となるだろう

わたしが彼女を失うことで わたしの友はその損失を見出した

二人は互いを見出し、わたしは二人とも失う

そして二人はわたしのためにわたしに苦しみを与える、

だがここには喜びもあるのだ、わたしの友とわたしは一体だ

甘い追従!そして彼女はただわたしだけを愛する。


Sonnet XLII


        W. Shakespeare


Thatthou hast her it is not all my grief,

Andyet it may be said I loved her dearly;

Thatshe hath thee is of my wailing chief,

Aloss in love that touches me more nearly.

Lovingoffenders thus I will excuse ye:

Thoudost love her, because thou know'st I love her;

Andfor my sake even so doth she abuse me,

Sufferingmy friend for my sake to approve her.

If Ilose thee, my loss is my love's gain,

Andlosing her, my friend hath found that loss;

Bothfind each other, and I lose both twain,

Andboth for my sake lay on me this cross:

But here's the joy; my friend and I are one;

Sweet flattery! then she loves but me alone.



# by nambara14 | 2019-02-04 19:47 | 翻訳詩(シェークスピア) | Comments(0)


『遺失物(575系短詩 20191月)』


身と心 雹が降っても 離れない

イメージの 貧困招く 厳冬期

寒風を 友と思って 歩き出す

着ぶくれて 心は縮む 雲浮かぶ

あっけらかん マスクの下は 風邪っ引き

床暖房 望むべくなし 身は縮む

風痛い 肌吹き付ける 雪だるま

赤切れを 包む法なし 撫でさする

寒風を 突いてにぎわう この寿司屋

寒ブリを ともに食する ひとあれば

ふぐ刺しに フォーク一刺し 味沁みる

望郷の アンコウ鍋よ 揺れている

心する 無我を乱して ファンヒーター

直観の 寒気に冴えて 寂しがる

晴れ渡る 冷たい青の まぶしさよ

人と成る 前後不覚の 白昼夢

痛覚の やけに尖って さらす顔

マスクして 帽子かぶって 不審物

年明けて 見つかりました 遺失物

初夢を 見ぬまま過ぎぬ 視床下部

忘年を 忘れ得ぬまま 新年会

寒風に 完封されて 閑居する



# by nambara14 | 2019-01-31 14:45 | 五七五系短詩 | Comments(0)