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病院で

いらっしゃいませ、とは言わない
ありがとうございました、とも言わない
黙ってカードを受け取る
こんにちは、が聞ければベストである
待たされても仕方がない
自分の番が来るまでじっと我慢である
それでどうされましたか?
〇〇で××が△△しまして・・・
では検査をしましょう
来週また来てください
どこか悪いのでしょうか?
検査結果を見ないとはっきりしたことは言えません
なにか重大な病気の可能性がありますか?
今日のようすではそれほど心配することはないと思いますが
念のためきちんと調べておいたほうがいいと思います
わかりました
おだいじに
会計をすましても
おだいじに
病院はなにかを売るのではなく
診療投薬検査処置手術入院などへの対価を受け取る
病院には行かないのが一番でも
患者がいなければ病院は成り立たない
それでも医は仁術だから
単なる金儲けじゃなく社会貢献の面もあるから
サービスの提供をしながら
半ばは奉仕し半ばは報酬を請求する
人間の命をめぐって
医師、看護師、検査技師、事務員、経営陣と
施設、医療機器、薬剤と
巨大なシステムが作られている
病院での言葉遣いは
きっと生と死の狭間でうごめく人間の関係が
うみだしたものだと思う
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by nambara14 | 2014-05-31 11:28 | 新作詩歌(平成26年) | Comments(0)

金縛り

時が進んでいくのが
おれには見えない

おれがここにいるとき
時間の船がおれを連れて行くのか

あるいは時間が空間に鑿を加えるのか
それとも自分にとっての今が時空の一単位としてあって
過去は消えうせ未来は刻々と今になるのか

過去が今に残した痕跡とは
次々に更新されて新しい過去に変わるのだろうか

時計を見ながら時間を見届けようとすると
なんだか金縛りにあうような気がする
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by nambara14 | 2014-05-21 15:05 | 新作詩歌(平成26年) | Comments(0)

随意・不随意

自分は自分の体を思い通りに動かせる
週末にはフィットネスクラブでトレーニング
筋肉も発達し素早く動けて疲れも知らない
快眠快食快便ですっきりした日々を過ごしている

ときには空腹なままひとっ走りしたり
慣れない土地でスタンプラリーに挑戦したり
行きがかりでトレッキングに参加してしまっても
有り余る好奇心が枯渇する気遣いは無用だ

すべては自分で考え判断し行動する
食事に気を付け適度な休養を取り運動をする
定期的に健康診断を受け異常があればすぐ処置する

人間にできることは食うこととトイレに行くことぐらいだ
あとは自分のあずかり知らない生体が勝手にやっているのだ
たまたま乗ってしまった車みたいなものだというやつもいるのだが・・・
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by nambara14 | 2014-05-21 12:57 | 新作詩歌(平成26年) | Comments(0)

原因不明

朝起きてみたら体に力が入らず立ち上がれない
昨日は元気に一日働き食欲もあった
寝ている間も熟睡していて不快なことはなかった
なにも思い当たらないのにどうしたというのだろう?

とりあえず病院に行って医者に診てもらうしかない
だれかに支えてもらわなければ動けないし
食事もとれそうもないしとても外出もできない
救急車を呼ぶほど激痛や震えや呼吸困難や嘔吐はないが

診断の結果は脳神経系統の異常だろうということで
MRI検査を受けたら一部の血管に梗塞が見られた
緊急入院ということになりベッドで安静にしているように指示された

麻痺が進まないように注意しながらのリハビリも始まり
血をさらさらにする薬も処方された
人一倍健康には注意してきたのにどうしてこんなことになるのか?
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by nambara14 | 2014-05-13 14:17 | 新作詩歌(平成26年) | Comments(0)

母の日

母は母 老老なりとて 光射す

卒寿へと 歩みきし道 長い坂

故郷を 去りゆく時は 近づけり

この先は 新たな園を 住処とし

長生きも 芸のうちとて 祝福す

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by nambara14 | 2014-05-11 11:03 | 五七五系短詩 | Comments(0)

ある歴史

ぼくはだれもにくまない
ぼくはなにもほしがらない
だれもぼくをたたかない
だれもぼくをだましたりしない
あなたはどうしてげんきなの
あなたはなにをしたいの
かれらはそのへんにとどまるだろう
かれらはあなたをみやるだろう
ながいじかんがたって
みんながいりみだれてしまった
にくみあい
うばいあい
ころしあった
そうしてだれもいなくなった

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by nambara14 | 2014-05-07 14:13 | 新作詩歌(平成26年) | Comments(0)

発語以前

「・・・」と言おうとしてとどまる
「・・・」というイメージが浮かんだが
それは言葉を伴っているのか
それとも言葉と離れて存在しているのか定かではなかったので
言葉を発するにいたらなかったのか
あるいは言葉が含まれていなかったので
言葉になりようがなかったのか

なにも思わず口から言葉が出ていくことがある
無意識に発せられた言葉が
イメージを与えることがある
たとえば「仮にだ」と呟いてしまってから
カリニダードトバゴと追いかけるように言うことがある
するとトリニダード・トバゴはどのへんにあったっけ
世界地図が見えてくる

きっと意識は無意識と行き来し
かたちは色と融合し
なにかの物体は感触を引き出し
だれかの肌はかすかに匂うだろう
わかちがたい悲しみも喜びも
みな一緒になったり離れ離れになったりするのを
言葉だけですくい上げることは不可能ではないか

・・・と思いながら
ずいぶん多くの言葉を発してきてしまったなあ
発しきれなかった言葉とそれにまつわる気配や状況や思いや感情や事実を
発語以前というものがあるはずなのになあと
思いながらも 
やっぱりフライング気味に言葉にしてしまう自分に戸惑う

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by nambara14 | 2014-05-03 18:28 | 新作詩歌(平成26年) | Comments(0)

補色

新緑の 燃える色より 生い出てて 空の果てへと 血の脈は浮く

青白き 顔に塗りたる ファンデーション 外光あれば イエローの艶

逆立ちの 少年の腕 震えつつ モノクロームに 切れ込む視線 

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by nambara14 | 2014-05-02 14:58 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

月が変われば

さつきには 付きをもたらす 花付けり  

残酷な 四月は去りて 付き変わる

髪に付く とげある花を 愛でてみる 

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by nambara14 | 2014-05-01 16:47 | 五七五系短詩 | Comments(0)