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うねうね



     うねうね


田んぼに実れ 稲の穂よ
黄金の頭 垂れるほど

葡萄畑に ふさふさと
露を浮かべて 吊り下がる

柿の木は 登っちゃいけない
渋柿は 甘くしてから 

栗の実は 素手じゃとれない
いがの奥から 実をとって

知らない畝を たどるとき
にわかに思う 里の秋

たらふく食って 眠り込み
起きたら 蛇の腹の中
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by nambara14 | 2012-10-11 18:58 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)

あきのみのり


   あきのみのり

あ 木の実の 利
空き の身の 離
飽きの 御法
開きの 箕の裏
秋のみの 理
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by nambara14 | 2012-10-10 16:39 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)

三人

     三 人


ひとりは平らな床に寝ころんで眠ってしまった
ひとりは体の関節を外せるだけ外して崩れてしまった
ひとりは四肢を切り落としてだるまのように揺れはじめた

ひとりはすっきり目覚めて気分よく出かけてしまった
ひとりは崩れたまま放置され続けた
ひとりはいつまでも揺れ続けた

ひとりはとことん自由気ままになれた
ひとりは関節をはめる技を身に付けた
ひとりは揺れを利用して生きる道をさがした

ひとりはなにも考えずに生き続けた
ひとりは縄抜けのマジックで好評を博した
ひとりは縁起物になってよく売れた
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by nambara14 | 2012-10-05 20:14 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)

丘の上から

 

    丘の上から


ここから見える景色を目に焼きつけなさい
毎日石段を登って丘の上に立って見下ろした街
低い丘でもこの辺では展望台の意味合いがある
極薄のフィルムを何枚も重ね合わせる細工

はじめからおわりまで記憶は不正確だ
それを重ねればあいまいさは増幅される
スケッチブックに向かって写生をする
ふと目を上げれば火の見やぐらが見当たらない

写真を撮り動画を写して風景を正確に固定する
台風が大木を倒せば撮り直しが追い付かない
眼をつぶると鮮明な映像が浮かんでくるが
日付も場所も特定することができない

何度も何度も確かめて補修した原画も
ちょっとしたはずみで変色し変形し反り返る
だれも本物を定めるだけの根拠は出せないが
捨てられないという執着だけは強まって来る
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by nambara14 | 2012-10-04 20:08 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)