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思い出せない日の翌日

 


     
     思い出せない日の翌日



日記をつけ忘れて一週間も経つ
なんだかんだと仕事に追われ
身内の面倒を見たり
自分の体調がすぐれなかったり

患いが切れ目なしに襲ってきて
わずかな時間の切れ端すら
空白の行に向かうことを
許されなかったと言えば

嘘になるぐらいの世過ぎだが
一昨日の記憶があやふやになっている
あるいはその前日のことだったか
前々日のことだったか

日付だけつけて詳細は書かずに
日記帳を閉じる
もし今日も日記をつけなければ
明日は思い出せない日の翌日になる
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by nambara14 | 2012-03-24 12:49 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)

目次

 詩集「ゴシップ・フェンス」の目次です。


    ゴシップ・フェンス 目次


マスカレード 6
多重人格論 10
寿司星雲異聞 13
うどんそばラーメンスパゲティ 16
社会脳 21
無重力 24
未来の様相 27
幸福な液体 29
帰還 32
最後の箱 35
発掘隊 38
エアゾール 40
怪獣 42
きりきり舞い 46
特異点 48
影武者 50
すごい 52
スロットル 54
人間嫌い 56
ゴールデン・ウィーク 58
回復期 60
絶対芸術 62
冒険野郎 64
リアリズムの牛 66
フリンガー 68
新しい戦争 70
風の者 72
七夕・讃 74
カワスミダ 76
一枚の透明なシート 78
海に向かって 80
悪たれ 82
夢 84
デブリー 86
コンクール 87
金色の子豚 90
ほんわか星人 94
向かうところ敵なし 96
破れ目 98
あ 100
月夜を抜け行くものの影 102
抜け損ない 104
うぬぼれを濡らす雨 106
スパイラル 108
トップランナー 109
ジグソーパズル 110
正反 112
帰郷 113
転調 114
ダイアモンド 116
輝く電車 118
決意 120
確信犯 124
狙撃者 126
あとがき 130
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by nambara14 | 2012-03-20 16:34 | 詩集「ゴシップ・フェンス」 | Comments(0)

春一番の翌日



     春一番の翌日



いやあ昨日は風が強かったねえ
みんな顔を伏せて前のめりに歩いていたねえ
コートもマフラーも手袋も完全武装で
体をこわばらせて歩いていたねえ

押し合いへし合いしている高気圧と低気圧
見えないところで小競り合いが続き
ときにはねじくれた気団が生み出される
いやあもみくちゃになったねえ

きょうは風もずいぶん収まり
カモメは白い縁取りのある翼を広げて
川の上をぐるっと旋回してみせる
いやあ日差しを浴びて気持ちよさそうだねえ

きょうは近くの幼稚園の卒園式で
園児が父兄とともに校庭に散らばっている
「虹色の未来を描こう○○っ子」って標語が見える
いやあ時間がぐるっと旋回してここを通過したねえ
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by nambara14 | 2012-03-16 16:29 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)

別れの時




    別れの時



わたしを見て
この目の光を
この頬の赤みを
この唇の弾力を

わたしは
一瞬前に生まれ
一瞬後には消える
ほとんど記憶されることもなしに

わたしに触れて
この手に
この腰に
この髪に

わたしは
歩き出し
立ち止まり
振り返る

わたしの肩が
地平線に重なったら
別れを告げる時




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by nambara14 | 2012-03-09 21:55 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)

【お知らせ】

 

 このたび、本年4月1日付けで、洪水企画より、詩集「ゴシップ・フェンス」を刊行いたしましたのでお知らせいたします。

 この詩集は、私が洪水企画から出版した4冊目の詩集です。

 絶対芸術、絶対言語といった観点から、自立した言葉の世界をとことん追求した詩集です。

 一見風変わりで難解な詩篇が並んでいるように見えるかもしれませんが、読み進むうちに読者の感覚にしっくりくることを確信しています。 

 どうぞご覧ください。

 お問い合わせは、洪水企画の池田康代表、または私(南原充士)あてお気軽にどうぞ。


                                       平成24年3月7日

                                          南原充士


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by nambara14 | 2012-03-07 14:25 | 詩集「ゴシップ・フェンス」 | Comments(0)

曇りの日の翌日


      曇りの日の翌日



曇り空からほとんど日差しが漏れることのなかった日から
冷たい雨の降り続く日へと移ればこの雨がいつやむのかが気にかかる
季節外れと言えば軽くやり過ごせる気がしてそうつぶやいてはみる
明日の天気予報を確かめてみれば雨は残るが気温は上がると

傘の群れを眺めればみな黙々と先を急ぐ中で
ひときわ赤い傘を差し原色の服を着た二人連れが声高に話すのが
画面から抜け出して前面にクロースアップされてくる
陰気な空模様など吹き飛ばせうつむいてとぼとぼなんてつまらない

そのそばを自転車が通り過ぎかすかにはねがあがれば
こんちくしょうとばかりに唇をとがらせて睨みつける
あんちくしょうめがおろしたてのスカートに泥をかけた
自転車は見えなくなるが残像はなかなか消えない

毎日がショータイムだから天気なんて問題じゃない
雨降りゃ濡れて晴れりゃ焼ける曇りも風もあられや雹も
弱気を出しちゃあ付け込まれるから空元気だっていいんだよ
くすんだ背景を押しやって前へ前へと飛び出してくる贋天使
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by nambara14 | 2012-03-05 14:16 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)

雪の日の翌日


      雪の日の翌日


雪が降った日の翌日の都会の道には
消え残る雪が片隅に固められている
早足で歩いていく大人たちをしり目に

子供たちは 雪で作ったボールを投げあったり
アイスホッケーの真似をしたり
雪を踏みつけたりしている

ひさしぶりに河口に行ってみると
かもめのカップルがのんびりと
流れにたゆたい もぐったり 浮いたりしている

うすぐもりの空から零れ落ちる日差しが
耐え続けた季節の終わりを
たしかに告げるときには

草が芽吹き 小鳥が飛んできて
花の露を吸い 公園に連れられてくる犬も
飛び回り 飼い主も引きずられて走り出す
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by nambara14 | 2012-03-01 15:08 | 新作詩歌(平成24年) | Comments(0)