<   2010年 11月 ( 29 )   > この月の画像一覧

えもいわれぬ



     えもいわれぬ


絵にも描けない街のずっと入り組んだあたりを
騒音が空耳を消してしまうあたりを避けて
深く入り込んでいく路地のどんづまり
細い道には劣化したコンクリートの階段があり
その両脇に不ぞろいな家々が立ち並ぶ中に
階段の途中という名の画廊があった
ぎしぎしと音を立てるドアを開けて
そっと中を覗いてみるがだれの気配もない
なにかに惹かれるように中へ入ると
奥は意外にふくらみのある空間で
壁に掛けられた絵だけが目立って見える
一枚目はまさにこの画廊を描いた絵に見える
二枚目は画廊の玄関
三枚目は画廊の内部
四枚目はまさに一枚目の絵
五枚目は二枚目の絵
全体で十枚ほどしかない絵を見ていくと
途中でどうしてもめまいがしていくる
どこから見ても混乱してしまう
しだいに息苦しくなるが
画廊の中にはいつまで経ってもだれも現れない
ひざがふるえて歩けなくなる
目の前の絵が相互にダブり立体的に動き出す
とにかく逃げるに越したことはないという
本能にしたがって
死に物狂いで外に飛び出す
走り出す拍子に階段で転んで
したたか脛を打ち腕をすりむいた
血のにじむ傷口に追い立てられるように
盲滅法駆け回るうちに
ぽんと開けた場所に飛び出した
よく見ると十枚目に描かれた場所ではないか
えもいわれぬ


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by nambara14 | 2010-11-30 16:19 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

いたたまれない



     いたたまれない


じっとして 瞑目すれど 休らわず

逃げ場ない 身の捨て方も 知らずして

循環の 狂う調子に にじむ汗



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by nambara14 | 2010-11-30 13:40 | 五七五系短詩 | Comments(0)

衝撃波


     衝撃波


爆発は 熱と力と 累々と

時を置き 根こそぎにする 見えざる手

監視網 超えてもたらす 無人の気


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by nambara14 | 2010-11-26 10:36 | 五七五系短詩 | Comments(0)

ごっつんこ


     ごっつんこ


こうちゃんとえなちゃんがごっつんこ
ともだちも真似してごっつんこ
あたりどころが悪い子が泣き出した
ママがやってきて怒り出す

おとなの目じりがつりあがり
なじる言葉がごっつんこ
てんでに手を引きそっぽ向き
背中であらわすごっつんこ

みんながぶらつく散歩道でも
吠えあう犬がごっつんこ
飼い主が引き離してもにらみ合う

出会いがしらにごっつんこ
こけた自転車よけそこなった車が
だれかのからだにごっつんこ



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by nambara14 | 2010-11-24 13:27 | 新作詩歌(平成22年発表) | Comments(0)

民間療法



       療 法        
      

枯れ草を 濡らす小水 消えかかる

時雨来る 急ぎ足にも 逃げ切れず

声を限り 届かぬ先に 雲が飛ぶ


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by nambara14 | 2010-11-23 11:32 | 五七五系短詩 | Comments(0)

だきごこち



         だきごこち


ひっぱがし ひめいをむしし ひっくくり ひっぱたいては ひきずりまわす

うそばかり うそぶくくちの うっすらと うつけかねつか うなされている

だいすきで だいたおんなの だきごこち だいたんすぎて だれにもいえぬ


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by nambara14 | 2010-11-22 10:39 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

かえりみち



      かえりみち


かなしみと かたをならべて かえるみち かくもひそかな かねのねをきく

こちとらは このかたすみで こつこつと これしきのぜに これだけのかね

きまぐれは きのうのゆめと きえてゆけ きょうはきのうと きっとちがうひ


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by nambara14 | 2010-11-20 14:40 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

幻惑



          幻 惑


こすもすの こみちをぬけて こころなし このひのことは ことのはにせず

しんけいの しんそうにある しくじりも しくしくなけば しばしやすらぐ

げいじゅつの げんてんにある げんわくの げせわなるとも げすにはあらじ


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by nambara14 | 2010-11-19 18:53 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

とりあえず


        とんがりぼうし


ごごさんじ ごめんなさいね ごまかして ゴディヴァのチョコを ごっそりとった

すとんとん すれっからしの すりこぎで すきまだらけの すのこをたたく

とりあえず とりやめておく とうがらし とりわけておけ とんがりぼうし


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by nambara14 | 2010-11-18 19:39 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)



     確実未定


身長と 体重年齢 住所氏名

履歴書と 功績事項 表彰状

永遠の 別れのための 証明書


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by nambara14 | 2010-11-18 13:46 | 五七五系短詩 | Comments(0)