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悪びれ=俳句



        悪 鰭


  カラコルム 藁苞巻いて ロバの耳

  猛毒の 牙を抜かれて テンコちゃん

  回遊の 記憶おぼろに エイの鰭


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by nambara14 | 2009-07-31 13:40 | 五七五系短詩 | Comments(0)

悪たれ=詩


   
     悪たれ

 アークひるむマーク
 ヤクヤクやっと要約
 サクラメント登る石段
 見下ろす先の墓碑銘

 めまい縋る手すり
 吹き乱れる切れ端
 隠し持った暗号書
 出会いがしら

 かんかん照り
 アーチェリーの標的
 ひきしぼった弓
 一瞬の凍結

 たったひとりの占有
 やりたい放題の
 乱暴狼藉のあとに
 遅ればせの一矢



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by nambara14 | 2009-07-30 15:25 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

悪童=俳句



        悪 童

  
   しわたるむ 首筋噛んで  吸い尽くす

   ばりばりと ぞうごんをまく 荒れた庭

   雑草の きわに花なし 未知しるべ


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by nambara14 | 2009-07-30 10:32 | 五七五系短詩 | Comments(0)

悪い夢=俳句



         悪い夢


   養育の 滞納分を 分割す

   逃げ場なく 破れかぶれの 拇印押す

   詮無くて 延滞金に 沸騰す


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by nambara14 | 2009-07-28 22:22 | 五七五系短詩 | Comments(0)

悪い見本=短歌


       
         悪い見本


  だめなおれ へんなおまえと そいとげて すえはよいよい ともしらがまで

  なにもない きぼうもなくて ふきだまる ちりあくたのみ われをとじれば

  なくちから さけぶこえさえ うしなえば うつうつとして せけんをうらむ


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by nambara14 | 2009-07-27 15:20 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

うなだれて=短歌




        うなだれて

  
  うなだれて くずおれる背に 足蹴する 靴底見れば わななく腓骨

  突っ伏して 地面の土を 舐める舌 さらに舐めとる 廃ヘモグロビン

  涙にも 流れぬ澱の 怨恨の 内に巻き込む 管状の襞


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by nambara14 | 2009-07-25 22:05 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)

海に向かって=詩




      海に向かって



 目の前に立つ大樹より
 ディスプレイに目は釘付けだ
 作られた誤差によってしか打ち込めないし
 ストーリーがなければ眠気に逆らえない
 クラッシュした車は一瞬のうちにどかされ
 リセットされた車が際限なく走る
 卵を投げつけた頭部も血だらけの顔面も
 片付けられてすましたダンディズムが鼻歌を歌う
 パルファムを匂い立たせる女に引き寄せられて
 よそみする街角で衝突が起きる

 海は小さなつぶやきでしかない
 水平線などついそこでおしまいだし
 波は縁辺をしわ寄せているだけだ
 ジオラマや海底地形もCGで処理され
 どこに行ってもデジャヴュに先取りされる
 退屈しきって迷い込んだ展望台から
 三六〇度海のパノラマが開けても
 心が波立つことはない
 海に向かったソファで一眠りすると
 すべてが深い夢に吸い込まれていくと感じる



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by nambara14 | 2009-07-23 23:04 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

仕切り=俳句




           仕切り


    汗の浮く 指でつつけば 背はねじれ

    ばらまいて 拾い集めて しまいこむ

    微笑んで 手鏡を置く 判決日

   

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by nambara14 | 2009-07-22 22:16 | 五七五系短詩 | Comments(0)

抹殺=詩



      抹殺


 この人形の顔が気に入らない
 上目遣いにおれを見ている
 叩き壊せ

 この犬は吠え過ぎる
 舌を垂らして不潔な犬だ
 蹴り殺せ

 不満そうな態度でレジを打つ店員
 計算まちがいなどしやがって
 手を切り落とせ

 不平不満を言う口は縫いこめ
 恨みがましい目つきは突き刺せ
 腐葉土になるまで死体は捨て置け

 いっせいに蜂起する莚旗
 ときの声を上げてひた走る首の無いものの群れ
 返り討ちだ



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by nambara14 | 2009-07-20 19:20 | 新作詩歌(平成21年発表) | Comments(0)

夏祭り=短歌




         夏祭り


  なにかこう こころひかれる えんにちの 

  くびすじばかり ほそくもえたつ



  すくいとる きんぎょははねて やぶれても 

  ゆかたのそでを ひいてつれゆく



  なまえんそう かるくながして そぞろゆく 

  ふたつのかげの きえたゆきさき
  



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by nambara14 | 2009-07-18 16:40 | 五七五七七系短詩 | Comments(0)