八月の光と闇(575系短詩)

『八月の光と闇(575系短詩)』


八月の 光濃ければ 影深し

The light in August is very strong and the shadow is very dark.


八月の 闇深ければ 罪重し

The darkness in August is profound and the sin is grave.


八月の 地軸傾き 滑る足

The axis in August leans and the feet slip.


Thedarkness in August is very profound and the sin is grave.

八月の 地軸傾き 滑る足

Theaxis in August leans and the feet slip.

事故あれば 迂回経路の 群れに付く

アイス棒 解けだす真昼 熱の授受

妙薬に 縦皺の顰 開け行く

夢うつつ いつのまにやら 夏はずれ

小雨降る 夜の樹木に 蝉騒ぐ

眠れる子 膝に抱える 父と母

木になる実 気になる人と 冷やしてる

じりりっと わが足元に 蝉の腹

アイスティー アイスキャンディー スキャンダル

上り下り 黙考いざり 飛ぶ意識

昨日から 今日を飛ばして 明日になれ

あの時に 言うべきだった 揺らめくも

少なくも 欺瞞の自己は 晒さない

人知れず 怒るとしても 気取られず

一日の 清算業務 終わらない

眠たいと 愚痴るの森の 寝ずの番

生きるのは 権利か義務か 熱帯夜

見上げれば 夜の青空 天使飛ぶ

さてと言い さてと言いつつ 定まらず

仮にだよ 泣きたい時が あるとして

八月は 自問自答の 閉曲線

人のいぬ 時代があった あるだろう

捨てられる 限りは捨てて 拾うもの

否定して 抹消しても 悪びれず

今頃は 野外ステージ 納涼祭

遅い朝 遅れたひとが 起きてくる

炎天を 歩く自分を シミュレーション

限りなく 問いかけてくる ケアハウス

飛び跳ねる 若鮎を見る 車椅子

もつれたる 足の運びは 帰らざる

くれなずむ 空に浮かぶは 納涼祭

招かざる 客にはあらず 浴衣がけ

片付ける 祭の後を 急ぎ去る

見る者も 演じる者も 存命者

いいなどと 言わぬが花と いうごとく

良き人を 独り占めして 西瓜顔

敵味方 縹渺として 定めえず

偉そうな 物言いを避く 記念の日

単純な 思考を避けて 黙祷す

割りなくも 炎暑の絵図に 残る影

一人でも 目と目が合えば 歓喜の日

老いたるを 孤独の淵より 引き上げる

手を添えて ようやく歩む 老いの道

手を離れ 歩き始める 裸ん坊

帰らざる 河に棹差す 死者の群れ

振り向いて また振り向けば 道がある

語らいの 夕べは過ぎて 朝来たる

ガラクタか 貴重品かを 問い詰めず

善悪を 決めきれず咲く 曼殊沙華

透き通る 魔術使いて 罪すすぐ

罰するは 人にはあらず 天炎える



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by nambara14 | 2017-08-06 15:30 | 五七五系短詩 | Comments(0)