流れのダンス
2012年 06月 22日流れのダンス
濫觴に口をつけ
よみがえった蝶は たちまち舞い上がる
不規則な曲線を描いて
消え失せた方へと 後を追って 鱗片が飛び始める
水は波紋を成して 歌い始め 飛ぶものを導く
雨粒が落ちて 小川の面を打つ
なめらかな川底から
薄緑の苔が生え 流れのままになびく
大きく蛇行するはずみに 川べりはえぐられ 水は跳ね出す
たっぷりとした水量で
魚もすばやく泳ぎ回り タニシやザリガニも憩う
もちろん針の先がぼんやり浮かんだり
甲高い声とともに ひるがえる小さな手もある
逃げようとするとき 流れは二つに分かれて 分岐点では戸惑う
ふと大きなアゲハチョウが ゆったりとした模様を描くのが目に入る
風がひゅうひゅう 流れを波立てて 呼びかけるさなかに
やがていくつかの川が合流する地点にさしかかる
溢れ行く水がうねりながら だれにともなく手を振り 蝶は再び見えなくなる
by nambara14
| 2012-06-22 18:02
| 新作詩歌(平成24年)
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