焼失
2011年 12月 26日焼 失
顔を洗えばのっぺらぼう
静電気が指先に痛い
はがれない吸盤
接着できないプラスティック
書きつける百面相
黒焦げの髪が臭い
とどめをさして食っちまう
さらさらとしたためる遺書
取り違える赤ん坊の泣き声
レバーの操作はだれがした
突然の腹痛にもんどりうって
なにひとつ貴重品はない
一枚の肖像画が燃え
類焼はまぬかれず
紅蓮の中でのた打ち回り
跡形もなく消え失せた
by nambara14
| 2011-12-26 16:10
| 新作詩歌(平成23年)
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